Sun Cluster ソフトウェアのインストール (Solaris OS 版)

ProcedureSolaris と Sun Cluster ソフトウェアをインストールする (JumpStart)

この手順では、カスタム JumpStart によるインストール方法であるscinstall(1M)の設定と使用方法について説明します。この方法は、Solaris OS と Sun Cluster ソフトウェアの両方をすべてのグローバルクラスタノードにインストールし、クラスタを確立します。この手順は、新規ノードを既存のクラスタに追加するときにも使用できます。

始める前に

次の作業を実行します。

これらのガイドラインに従い、次に示す手順で対話式の scinstall ユーティリティーを使用します。

  1. JumpStart インストールサーバーを設定します。

    JumpStart インストールサーバーが次の条件に適合していることを確認します。

    • インストールサーバーがクラスタノードと同じサブネットにあるか、クラスタノードが使用するサブネットに Solaris ブートサーバーがあること。

    • インストールサーバー自体はクラスタノードでないこと。

    • インストールサーバーによって、Sun Cluster ソフトウェアがサポートする Solaris OS のリリースがインストールされていること。

    • Sun Cluster ソフトウェアの JumpStart インストール用のカスタム JumpStart ディレクトリが存在すること。この jumpstart-dir ディレクトリは、次の要件を満たしている必要があります。

      • check ユーティリティーのコピーを含むこと。

      • JumpStart インストールサーバーで読み取れるように NFS エクスポートされていること。

    • 各新規クラスタノードが、Sun Cluster インストール用に設定されたカスタム JumpStart ディレクトリを使用する、カスタムJumpStart インストールクライアントとして構成されていること。

    使用するソフトウェアプラットフォームと OS のバージョンに該当する手順に従って、JumpStart インストールサーバーを設定します。「Solaris 9 9/04 Installation Guide」『Creating a Profile Server for Networked Systems』、または「Solaris 10 5/08 Installation Guide: Custom JumpStart and Advanced Installations」『Creating a Profile Server for Networked Systems』を参照してください。

    setup_install_server(1M)およびadd_install_client(1M)のマニュアルページも参照してください。

  2. 既存のクラスタに新しいノードをインストールする場合、ノードを許可クラスタノードのリストに追加します。

    1. アクティブな別のクラスタノードに切り替えて、clsetup ユーティリティーを起動します。

    2. clsetup ユーティリティーを使用して、新しいノードの名前を許可クラスタノードのリストに追加します。

    詳細については、「Sun Cluster System Administration Guide for Solaris OS」『How to Add a Node to the Authorized Node List』を参照してください。

  3. クラスタノードまたは同じサーバープラットフォームの別のマシンで、Solaris OS をまだインストールしていない場合は、Solaris OS をインストールします。

    Solaris ソフトウェアがすでにサーバーにインストールされている場合は、Solaris のインストールが Sun Cluster ソフトウェアの必要条件、およびそのクラスタにインストールする予定の他のソフトウェアの必要条件を満たしていることを確認してください。Solaris ソフトウェアをインストールして、Sun Cluster ソフトウェアの必要条件を満たす方法の詳細については、「Solaris ソフトウェアをインストールする」を参照してください。

    「Solaris ソフトウェアをインストールする」の手順に従います。

  4. (省略可能) SPARC: 上記インストールを行ったシステムで、Sun Logical Domains (LDoms) ソフトウェアのインストールと、ドメインの作成を行っていない場合は、これらの作業を実行します。

    「SPARC: Sun Logical Domains ソフトウェアをインストールしてドメインを作成する」の手順に従います。

  5. 上記インストールを行ったシステムで、Sun Cluster ソフトウェアと必要なパッチをまだインストールしていない場合は、これをインストールします。

    「Sun Cluster フレームワークおよびデータサービスソフトウェアパッケージをインストールする 」の手順に従います。

    パッチおよびインストール手順の場所については、『Sun Cluster のリリースノート』の「パッチと必須ファームウェアのレベル」を参照してください。

  6. 共通エージェントコンテナ デーモンがシステムのブート中に自動的に起動できるようにします。


    machine# cacaoadm enable
    
  7. 上記インストールを行ったシステムで /etc/inet/hosts ファイル、または必要に応じて /etc/inet/ipnodes ファイルを、クラスタで使用されているすべてのパブリック IP アドレスで更新します。

    この手順は、ネームサービスを使用しているかどうかに関わらず実行します。IP アドレスを追加する必要がある Sun Cluster コンポーネントについては、「パブリックネットワーク IP アドレス」を参照してください。

  8. 上記インストールを行ったシステムで、Sun Java Web コンソールをリセットして、初期未設定状態にします。

    次のコマンドを実行すると、Web コンソールから構成情報が削除されます。構成情報の一部は、インストールシステムに固有の情報です。この情報を削除してから、フラッシュアーカイブを作成する必要があります。そのようにしないと、クラスタノードに転送される構成情報によって、Web コンソールが起動しなくなったり、クラスタノードと正しく対話できなくなる場合があります。


    # /usr/share/webconsole/private/bin/wcremove -i console
    

    クラスタノード上に未設定の Web コンソールをインストールし、初めて Web コンソールを起動した場合、Web コンソールは初期構成で自動的に動作し、クラスタノードからの情報が使われます。

    wcremove コマンドの詳細については、「System Administration Guide: Basic Administration」『Java Web Console User Identity』を参照してください。

  9. インストールしたシステムのフラッシュアーカイブを作成します。


    machine# flarcreate -n name archive
    
    -n name

    フラッシュアーカイブに付ける名前

    archive

    フラッシュアーカイブに付ける、フルパス付きのファイル名。規則により、ファイル名は .flar で終わります。

    次のいずれかのマニュアルの手順に従います。

  10. フラッシュアーカイブが NFS でエクスポートされており、JumpStart インストールサーバーから読み取れることを確認します。

    自動ファイル共有についての詳細は、『Solaris のシステム管理 (ネットワークサービス)』?(Solaris 9 または Solaris 10) の「ネットワークファイルシステムの管理 (概要)」を参照してください。

    また、share(1M) および dfstab(4) のマニュアルページも参照してください。

  11. JumpStart インストールサーバーで、スーパーユーザーになります。

  12. JumpStart インストールサーバーから、scinstall(1M) ユーティリティーを起動します。

    メディアパスで、archsparc または x86 (Solaris 10 の場合のみ) に置き換え、ver9 (Solaris 9 の場合)、または 10 (Solaris 10 の場合) に置き換えます。


    installserver# cd /cdrom/cdrom0/Solaris_arch/Product/sun_cluster/ \
    Solaris_ver/Tools/
    
    installserver# ./scinstall
    

    scinstall のメインメニューが表示されます。

  13. 「このインストールサーバーから JumpStart できるようにクラスタを構成」オプションのオプション番号を入力し、Return キーを押します。

    このオプションを使用して、カスタム JumpStart 完了スクリプトを構成します。JumpStart は、これらの完了スクリプトを使用して、 Sun Cluster ソフトウェアをインストールします。


     *** Main Menu ***
     
        Please select from one of the following (*) options:
    
          * 1) Create a new cluster or add a cluster node
          * 2) Configure a cluster to be JumpStarted from this install server
            3) Manage a dual-partition upgrade
            4) Upgrade this cluster node
          * 5) Print release information for this cluster node 
    
          * ?) Help with menu options
          * q) Quit
     
        Option:  2
    
  14. メニュープロンプトに従って、 構成計画ワークシートから回答を入力します。

    scinstall コマンドにより構成情報が格納され、デフォルトの class ファイルである autoscinstall.class ファイルが /jumpstart-dir/autoscinstall.d/3.2/ ディレクトリにコピーされます。このファイルは、次の例のようになります。


    install_type    initial_install
    system_type     standalone
    partitioning    explicit
    filesys         rootdisk.s0 free /
    filesys         rootdisk.s1 750  swap
    filesys         rootdisk.s3 512  /globaldevices
    filesys         rootdisk.s7 20
    cluster         SUNWCuser        add
    package         SUNWman          add
  15. 必要に応じて、フラッシュアーカイブをインストールするように JumpStart を構成するためにautoscinstall.class ファイルを変更します。

    1. 必要に応じてエントリを編集して、Solaris OS をフラッシュアーカイブマシンにインストールしたとき、あるいは scinstall ユーティリティーを実行したときに行った構成の選択に一致するようにします。

      たとえば、グローバルデバイスファイルシステムにスライス4 を割り当て、そのファイルシステムの名前が /gdevs であると scinstall に指定した場合、autoscinstall.class ファイルの /globaldevices エントリを次のように変更します。


      filesys         rootdisk.s4 512  /gdevs
    2. autoscinstall.class ファイルの次のエントリを変更します。

      置換する既存のエントリ 

      追加する新規エントリ 

      install_type

      initial_install

      install_type

      flash_install

      system_type

      standalone

      archive_location

      retrieval_type location

      archive_location キーワードを一緒に使用するときの retrieval_typelocation の有効値については、『Solaris 9 9/04 Installation Guide』または『Solaris 10 Installation Guide: Custom JumpStart and Advanced Installations』archive_location キーワード」を参照してください。

    3. たとえば次のような、特定のパッケージをインストールするエントリをすべて削除します。


      cluster         SUNWCuser        add
      package         SUNWman          add
    4. 使用する構成に追加の Solaris ソフトウェア要件がある場合は、それに応じて autoscinstall.class ファイルを変更します。

      autoscinstall.class ファイルにより、エンドユーザー Solaris ソフトウェアグループ (SUNWCuser) がインストールされます。

    5. エンドユーザー Solaris ソフトウェアグループ (SUNWCuser ) をインストールする場合、autoscinstall.class ファイルに必要な任意の追加の Solaris ソフトウェアパッケージを追加します。

      一部の Sun Cluster 機能のサポートに必要な Solarisパッケージを次の表に示します。これらのパッケージは、エンドユーザー Solaris ソフトウェアグループには含まれていません。詳細については、「Solaris ソフトウェアグループについて」を参照してください。

      機能 

      必須の Solaris ソフトウェアパッケージ 

      RSMAPI、RSMRDT ドライバ、または SCI-PCI アダプタ (SPARC ベースのクラスタのみ) 

      SPARC: Solaris 9: SUNWrsm SUNWrsmx SUNWrsmo SUNWrsmox

      Solaris 10: SUNWrsm SUNWrsmo

      Sun Cluster Manager (従来の SunPlexTM Manager)

      SUNWapchr SUNWapchu

    デフォルトの class ファイルは、次のいずれかの方法で変更できます。

    • autoscinstall.class ファイルを直接編集します。変更内容は、このカスタム JumpStart ディレクトリを使用するすべてのクラスタのすべてのノードに適用されます。

    • ほかのプロファイルを指す rules ファイルを更新後、check ユーティリティーを実行して、rules ファイルの妥当性検査を行います。

    Solaris OS のインストールプロファイルが Sun Cluster の最小ファイルシステム割り当て要件を満たす限り、Sun Cluster ソフトウェアはインストールプロファイルのその他の変更を制限しません。Sun Cluster ソフトウェアをサポートするためのパーティション分割のガイドラインと要件については、「システムディスクパーティション」を参照してください。

    JumpStart プロファイルについての詳細は、『Solaris 9 9/04 Installation Guide』の第 26 章「Preparing Custom JumpStart Installations (Tasks)」、または『Solaris 10 5/08 Installation Guide: Custom JumpStart and Advanced Installations』の第 3 章「Preparing Custom JumpStart Installations (Tasks)」を参照してください。

  16. 次の機能のいずれかをインストールしたり、その他のインストール後のタスクを実行したりするには、ユーザー固有の finish スクリプトを設定します。

    • リモート共用メモリーアプリケーションプログラミングインターフェース (Remote Shared Memory Application Programming Interface、RSMAPI)

    • インターコネクトトランスポート用の SCI-PCI アダプタ

    • RSMRDT ドライバ


    注 –

    RSMRDT ドライバを使用できるのは、Oracle9i リリース 2 SCI 構成を RSM を有効にして実行しているクラスタだけです。インストールと構成手順についての詳細は、Oracle9i リリース 2 のユーザーマニュアルを参照してください。


    scinstall コマンドでインストールされる標準の finish スクリプトがインストールされた後に、ユーザー独自の finish スクリプトが実行されます。JumpStart finish スクリプトの作成方法については、『Solaris 9 9/04 Installation Guide』の第 26 章「Preparing Custom JumpStart Installations (Tasks)」、または『Solaris 10 5/08 Installation Guide: Custom JumpStart and Advanced Installations』の第 3 章「Preparing Custom JumpStart Installations (Tasks)」を参照してください。

    1. デフォルトの class ファイルにより、依存性 Solaris パッケージがインストールされることを確認します。

      詳細は、手順 15 を参照してください。

    2. 完了スクリプトに finish と名前を付けます。

    3. 次の表の一覧から使用する機能に対応するソフトウェアパッケージをインストールするには、finish スクリプトを修正します。

      機能 

      インストールする追加の Sun Cluster 3.2 1/09 パッケージ 

      RSMAPI 

      SUNWscrif

      SCI-PCI アダプタ 

      • Solaris 9: SUNWsci SUNWscid SUNWscidx

      • Solaris 10: SUNWscir SUNWsci SUNWscidr SUNWscid

      RSMRDT ドライバ 

      SUNWscrdt

      • 表に示した順序でパッケージをインストールします。

      • /cdrom/suncluster_3_0Packages/ ディレクトリ (ここで、archsparc または x86 (Solaris 10 のみ)、ver は Solaris 9 の場合 9、Solaris 10 の場合 10) からパッケージをインストールします。

    4. finish スクリプトで実行するその他のインストール後の作業用に追加の修正を加えます。

    5. finish スクリプトをそれぞれの jumpstart-dir/autoscinstall.d/nodes/node ディレクトリにコピーします。

      クラスタ内の各ノードに 1 つの node ディレクトリを作成します。または、共有 finish スクリプトへのシンボリックリンクを作成する命名規則を使用します。

  17. JumpStart インストールサーバーを終了します。

  18. 新しいクラスタのプライベートインターコネクトでスイッチを使用している場合は、NDP (Neighbor Discovery Protocol) が無効になっていることを確認します。

    スイッチのマニュアルの手順に従って、NDP が有効になっているかどうかを確認し、NDP を無効にします。

    クラスタ構成中に、ソフトウェアはプライベートインターコネクトにトラフィックがないことを確認します。プライベートインターコネクトでトラフィックを確認したときに NDP がプライベートアダプタにパッケージを送信する場合、ソフトウェアはインターコネクトがプライベートではないものとみなし、クラスタ構成が中断されます。このため、クラスタ作成中は NDP を無効にしてください。

    クラスタが確立されたあと、NDP の機能を使用する場合は、プライベートインターコネクトスイッチ上でもう一度 NDP を有効にすることができます。

  19. クラスタ管理コンソールを使用している場合、クラスタ内にある各ノードのコンソール画面を表示します。

    • Cluster Control Panel (CCP) ソフトウェアが管理コンソールにインストールされ、構成されている場合は、cconsole(1M) ユーティリティーを使用して、コンソール画面を個別に表示します。

      スーパーユーザーとして、次のコマンドを使用して、cconsole ユーティリティーを起動します。


      adminconsole# /opt/SUNWcluster/bin/cconsole clustername &
      

      また、cconsole ユーティリティーを使用してマスターウィンドウを開くことができます。ここでの入力を、個々のすべてのコンソールウィンドウに同時に送信できます。

    • cconsole ユーティリティーを使用しない場合は、各ノードのコンソールに個別に接続します。

  20. 各ノードを停止します。


    phys-schost# shutdown -g0 -y -i0
    
  21. 各ノードを起動し、JumpStart のインストールを開始します。

    • SPARC ベースのシステムでは、次の操作を実行します。


      ok boot net - install
      

      注 –

      上記コマンド内のダッシュ記号 (-) の両側は、空白文字で囲む必要があります。


    • x86 ベースのシステムでは、次の操作を実行します。

      1. 起動シーケンスを開始するには、どれかキーを押します。


        Press any key to reboot.
        keystroke
        
      2. BIOS 情報画面が表示されたら、すぐに Esc+2 キーまたは F2 キーを押します。

        初期化シーケンスが完了すると、BIOS セットアップユーティリティー画面が表示されます。

      3. BIOS セットアップユーティリティのメニューバーで、ブートメニュー項目に移動します。

        ブートデバイスの一覧が表示されます。

      4. 一覧に表示された JumpStart PXE インストールサーバーと同じネットワークに接続されている IBA を探して、ブート順の最上位に移動させます。

        IBA ブート選択肢の右の一番下の数字は、一番下の Ethernet ポート番号に対応しています。IBA ブート選択肢の右の一番上の数字は、一番上の Ethernet ポート番号に対応しています。

      5. 変更を保存し、BIOS を終了します。

        ブートシーケンスがもう一度開始されます。さらに処理が進んで、GRUB メニューが表示されます。

      6. すぐに Solaris JumpStart エントリを選択して、Enter キーを押します。


        注 –

        Solaris JumpStart エントリが一覧に表示される唯一のエントリである場合、代わりに選択画面がタイムアウトするのを待つこともできます。30 秒以内に応答しないと、システムは自動的にブートシーケンスを継続します。



        GNU GRUB version 0.95 (631K lower / 2095488K upper memory)
        +-------------------------------------------------------------------------+
        | Solaris_10 Jumpstart                                                    |
        |                                                                         |
        |                                                                         |
        +-------------------------------------------------------------------------+
        Use the ^ and v keys to select which entry is highlighted.
        Press enter to boot the selected OS, 'e' to edit the
        commands before booting, or 'c' for a command-line.

        さらに処理が進んで、インストールの種類のメニューが表示されます。

      7. インストールの種類のメニューから、すぐにカスタム JumpStart の番号を入力します。


        注 –

        30 秒のタイムアウト期間が終了するまでにカスタム JumpStart の番号を入力しないと、システムは自動的に Solaris の対話型のインストールを開始します。



              Select the type of installation you want to perform:
        
                 1 Solaris Interactive
                 2 Custom JumpStart
                 3 Solaris Interactive Text (Desktop session)
                 4 Solaris Interactive Text (Console session)
                 5 Apply driver updates
                 6 Single user shell
        
                 Enter the number of your choice.
        2
        

        JumpStart が Solaris OS と Sun Cluster ソフトウェアを各ノードにインストールします。インストールが正常に完了すると、各ノードは新しいクラスタノードとして完全にインストールされます。Sun Cluster のインストール出力は、/var/cluster/logs/install/scinstall.log. N ファイルに記録されます。

      8. BIOS 画面がもう一度表示されたら、すぐに Esc+2 キーを押すか、F2 キーを押します。


        注 –

        この時点でインストールを中断しない場合、自動的にインストールの種類のメニューに戻ります。そこで 30 秒以内に入力しない場合、システムは自動的に対話型のインストールを開始します。


        さらに処理が進んだ後、BIOS セットアップユーティリティーが表示されます。

      9. メニューバーで、ブートメニューに進みます。

        ブートデバイスの一覧が表示されます。

      10. ハードディスクドライブのエントリに進み、ブート順の最上位に戻します。

      11. 変更を保存し、BIOS を終了します。

        ブートシーケンスがもう一度開始されます。GRUB メニューでクラスタモードへの起動を完了するために必要な操作はこれ以上ありません。

  22. Solaris 10 OS の場合は、各ノードでサービス管理機能 (Service Management Facility、SMF) のマルチユーザーサービスがオンラインになっていることを確認します。

    ノードのサービスがまだオンラインでない場合は、次のステップに進む前に状態がオンラインになるまで待ちます。


    phys-schost# svcs multi-user-server node
    STATE          STIME    FMRI
    online         17:52:55 svc:/milestone/multi-user-server:default
  23. 既存のクラスタに新しいノードをインストールする場合、新しいノード上で、既存のすべてのクラスタファイルシステム用のマウントポイントを作成します。

    1. クラスタ内にある別のアクティブなノードから、すべてのクラスタファイルシステムの名前を表示します。


      phys-schost# mount | grep global | egrep -v node@ | awk '{print $1}'
      
    2. クラスタに追加したノード上で、クラスタ内にある各クラスタファイルシステム用のマウントポイントを作成します。


      phys-schost-new# mkdir -p mountpoint
      

      たとえば、マウントコマンドが戻したファイルシステム名が /global/dg-schost-1 である場合、クラスタに追加するノード上で mkdir -p /global/dg-schost-1 を実行します。


      注 –

      手順 27 でクラスタを再起動すると、マウントポイントが有効になります。


    3. Veritas Volume Manager (VxVM) がクラスタ内にあるノードにすでにインストールされている場合は、VxVM がインストールされた各ノードで vxio 番号を参照します。


      phys-schost# grep vxio /etc/name_to_major
      vxio NNN
      
      • VxVM がインストールされている各ノード上で同じ vxio 番号が使用されていることを確認します。

      • VxVM がインストールされていない各ノード上で vxio 番号が使用できることを確認してください。

      • VxVM がインストールされていないノード上ですでに vxio 番号が使用されている場合、そのノードで該当番号を解放します。また、/etc/name_to_major エントリは、別の番号に変更してください。

  24. (省略可能) Sun Enterprise 10000 サーバで動的再構成を使用するには、クラスタ内の各ノード上の /etc/system ファイルに次のエントリを追加します。


    set kernel_cage_enable=1

    このエントリは、次のシステム再起動後に有効になります。Sun Cluster 構成で、動的再構成の作業を実行するための手順については、『Sun Cluster System Administration Guide for Solaris OS』 を参照してください。動的再構成の詳細については、サーバーのマニュアルを参照してください。

  25. 高可用ローカルファイルシステムで Sun Cluster HA for NFS を使用する場合は、ループバックファイルシステム (Loopback File System、LOFS) が無効になっている必要があります。

    LOFS を無効にするには、クラスタの各ノードの/etc/system ファイルに次のエントリを追加します。


    exclude:lofs

    /etc/system ファイルへの変更は、次のシステム再起動後に有効になります。


    注 –

    高可用ローカルファイルシステムで Sun Cluster HA for NFS を使用し、かつautomountd を実行している場合は、LOFS を有効にすることはできません。LOFS が Sun Cluster HA for NFS でスイッチオーバーの問題を引き起こすおそれがあります。高可用ローカルファイルシステムに Sun Cluster HA for NFS を追加することを選択する場合は、次のいずれかの構成の変更を行う必要があります。

    ただし、クラスタで非大域ゾーンを構成する場合は、すべてのクラスタノードで LOFS を有効にする必要があります。高可用ローカルファイルシステム上の Sun Cluster HA for NFS が LOFS と共存する必要がある場合は、LOFS を無効にする代わりに、ほかのソリューションを使用してください。

    • LOFS を無効にします。

    • automountd デーモンを無効にします。

    • Sun Cluster HA for NFS からエクスポートされた高可用ローカルファイルシステムに含まれるすべてのファイルをオートマウンタマップから除外します。この選択により、LOFS と automountd デーモンの両方を有効なままにすることができます。


    ループバックファイルシステムについて詳細は、『System Administration Guide: Devices and File Systems』(Solaris 9 または Solaris 10) の「The Loopback File System」を参照してください。

  26. x86: デフォルトのブートファイルを設定します。

    この値を設定すると、ログインプロンプトにアクセスできないときにノードを再起動できます。

    • Solaris 9 OS では、デフォルトを kadb に設定します。


      phys-schost# eeprom boot-file=kadb
      
    • Solaris 10OS では、GRUB のブートパラメータメニューでデフォルトを kmdb に設定します。


      grub edit> kernel /platform/i86pc/multiboot kmdb
      
  27. クラスタの再起動が必要な作業を実行したら、次の手順に従って、クラスタを再起動してください。

    再起動が必要な作業には、次のものがあります。

    • 既存のクラスタへの新しいノードの追加

    • ノードまたはクラスタの再起動が必要なパッチのインストール

    • 有効にするために再起動の必要な構成の変更

    1. 1 つのノードで、スーパーユーザーになります。

    2. クラスタを停止します。


      phys-schost-1# cluster shutdown -y -g0 clustername
      

      注 –

      クラスタがシャットダウンするまで、最初にインストールしたクラスタノードを再起動しないでください。クラスタのインストールモードが無効になるまでは、最初にインストールした (つまり、クラスタを構築した) ノードだけが定足数投票権を持ちます。まだインストールモードにある確立されたクラスタで、最初にインストールしたノードを再起動する前にクラスタをシャットダウンしていない場合、残りのクラスタノードが定足数を獲得できません。クラスタ全体が停止します。

      clsetup コマンドを初めて実行するまで、クラスタノードは、インストールモードのままになります。「定足数デバイスを構成する」の手順の間にこのコマンドを実行します。


    3. クラスタ内にある各ノードを再起動します。

      • SPARC ベースのシステムでは、次の操作を実行します。


        ok boot
        
      • x86 ベースのシステムでは、次の操作を実行します。

        GRUB メニューが表示された時点で、適切な Solaris エントリを選択し Enter キーを押します。GRUB メニューは次のようになっています。


        GNU GRUB version 0.95 (631K lower / 2095488K upper memory)
        +-------------------------------------------------------------------------+
        | Solaris 10 /sol_10_x86                                                  |
        | Solaris failsafe                                                        |
        |                                                                         |
        +-------------------------------------------------------------------------+
        Use the ^ and v keys to select which entry is highlighted.
        Press enter to boot the selected OS, 'e' to edit the
        commands before booting, or 'c' for a command-line.

        GRUB ベースのブートの詳細は、『System Administration Guide: Basic Administration』の第 11 章「GRUB Based Booting (Tasks)」を参照してください。

    scinstall ユーティリティーは、すべてのクラスタノードのインストールを行い、クラスタを再起動します。クラスタ内ですべてのノードが正常に起動されると、クラスタが確立されます。Sun Cluster のインストール出力は、/var/cluster/logs/install/scinstall.log.N に記録されます。

  28. (省略可能) 手順 27 を実行してノードを再起動しなかった場合、各ノードで Sun Java Web Console Web サーバーを手動で起動します。


    phys-schost# smcwebserver start
    

    詳細については、smcwebserver (1M)のマニュアルページを参照してください。

  29. 1 つのノードで、スーパーユーザーになります。

  30. すべてのノードがクラスタに参加していることを確認します。


    phys-schost# clnode status
    

    出力は次のようになります。


    === Cluster Nodes ===
    
    --- Node Status ---
    
    Node Name                                       Status
    ---------                                       ------
    phys-schost-1                                   Online
    phys-schost-2                                   Online
    phys-schost-3                                   Online

    詳細は、clnode(1CL) のマニュアルページを参照してください。

  31. (省略可能) 監視対象のディスクパスがすべて失敗する場合は、各ノードで自動ノード再起動を有効にします。

    1. 自動リブート機能を有効にします。


      phys-schost# clnode set -p reboot_on_path_failure=enabled
      
      -p

      設定するプロパティーを指定します。

      reboot_on_path_failure=enable

      クラスタ内の異なるノードから 1 つ以上のディスクにアクセスできる場合、監視されているすべてのディスクパスで障害が発生するとノードが再起動するように指定します。

    2. ディスクパスの障害発生時の自動リブートが有効になっていることを確認します。


      phys-schost# clnode show
      === Cluster Nodes ===                          
      
      Node Name:                                      node
      …
        reboot_on_path_failure:                          enabled
      …
次の手順

2 ノードクラスタにノードを追加した場合は、「グローバルクラスタへのノード追加後に定足数デバイスを更新する」に進みます。

それ以外の場合は、次の該当する手順に進みます。

注意事項

無効な scinstall オプションscinstall コマンドの JumpStart オプションの前にアスタリスクがない場合、このオプションは無効です。これは、JumpStart の設定が完了していないか、セットアップでエラーが発生したことを意味します。この条件を修正するには、まず scinstall ユーティリティーを終了します。手順 1 から手順 16 までを繰り返して JumpStart の設定を修正し、scinstall ユーティリティーを再起動します。

存在しないノードに関するエラーメッセージ – 独自の /etc/inet/ntp.conf ファイルをインストールしていない場合、scinstall コマンドでデフォルトの ntp.conf ファイルが自動的にインストールされます。デフォルトファイルでは、最大ノード数を想定しています。したがって、xntpd(1M) デーモンは起動時にこれらのノードに関してエラーメッセージを発行することがあります。これらのメッセージは無視しても問題ありません。それ以外の通常のクラスタ条件でこれらのメッセージを表示しない方法については、「時間情報プロトコル (Network Time Protocol、NTP) を構成する」を参照してください。