Sun Cluster ソフトウェアのインストール (Solaris OS 版)

Procedureノードまたはプライベートネットワークを追加するときにプライベートネットワーク構成を変更する

このタスクを実行してグローバルクラスタのプライベート IP アドレス範囲を変更し、次の 1 つまたは複数のクラスタコンポーネントにおける増加に対応します。

また、この手順を使用して、プライベート IP アドレスの範囲を小さくすることもできます。


注 –

この手順を実行するには、クラスタ全体をシャットダウンする必要があります。Solaris 10 OS では、ゾーンクラスタのサポートの追加など、ネットマスクだけを変更する必要がある場合、この手順は実行しないでください。その代わり、ゾーンクラスタの予想数を指定するため、クラスタモードで動作しているグローバルクラスタノードから次のコマンドを実行します。


phys-schost> cluster set-netprops num_zoneclusters=N

始める前に

すべてのクラスタノードで スーパーユーザーのリモートシェル (rsh(1M)) またはセキュアシェル (ssh(1)) が有効になっていることを確認します。

  1. 各クラスタのノードのスーパーユーザーになります。

  2. 1 つのノードから、clsetup ユーティリティーを起動します。


    # clsetup
    

    clsetup のメインメニューが表示されます。

  3. 各リソースグループをオフラインに切り替えます。

    ノードに非大域ゾーンが含まれている場合は、ゾーン内にあるリソースグループもすべてオフラインに切り替わります。

    1. リソースグループのオプションに対応する番号を入力し、Return キーを押します。

      リソースグループメニューが表示されます。

    2. リソースグループのオンライン/オフライン化、またはスイッチオーバーを行うオプションに対応する番号を入力し、Return キーを押します。

    3. プロンプトに従って、リソースグループをすべてオフラインにして、管理されていない状態にします。

    4. すべてのリソースグループがオフラインになったら、q を入力して「リソースグループメニュー」に戻ります。

  4. クラスタ内のすべてのリソースを無効にします。

    1. 「リソースを有効化または無効化」というオプションに対応する番号を入力し、Return キーを押します。

    2. 無効にするリソースを選択し、プロンプトの指示に従います。

    3. 無効にするリソースごとに上記の手順を繰り返します。

    4. すべてのリソースが無効になったら、q を入力して「リソースグループメニュー」に戻ります。

  5. clsetup ユーティリティーを終了します。

  6. すべてのノード上のすべてのリソースが Offline になっており、そのすべてのリソースグループが Unmanaged 状態であることを確認します。


    # cluster status -t resource,resourcegroup
    
    -t

    指定したクラスタオブジェクトへの出力を制限します

    resource

    リソースを指定します

    resourcegroup

    リソースグループを指定します

  7. ノードのどれか 1 つでクラスタを停止します。


    # cluster shutdown -g0 -y
    
    -g

    待機時間を秒単位で指定します。

    -y

    シャットダウンの確認を促すプロンプトを発生させないようにします。

  8. 各ノードを非クラスタモードで起動します。

    • SPARC ベースのシステム上で、以下のコマンドを実行します。


      ok boot -x
      
    • x86 ベースのシステム上で、次のコマンドを実行します。

      1. GRUB メニューで矢印キーを使用して該当する Solaris エントリを選択し、e と入力してコマンドを編集します。

        GRUB メニューは次のようになっています。


        GNU GRUB version 0.95 (631K lower / 2095488K upper memory)
        +----------------------------------------------------------------------+
        | Solaris 10 /sol_10_x86                                               |
        | Solaris failsafe                                                     |
        |                                                                      |
        +----------------------------------------------------------------------+
        Use the ^ and v keys to select which entry is highlighted.
        Press enter to boot the selected OS, 'e' to edit the
        commands before booting, or 'c' for a command-line.

        GRUB ベースのブートの詳細は、 『System Administration Guide: Basic Administration』の第 11 章「GRUB Based Booting (Tasks)」を参照してください。

      2. ブートパラメータ画面で矢印キーを使用して kernel エントリを選択し、e と入力してエントリを編集します。

        GRUB ブートパラメータの画面は、次のような画面です。


        GNU GRUB version 0.95 (615K lower / 2095552K upper memory)
        +----------------------------------------------------------------------+
        | root (hd0,0,a)                                                       |
        | kernel /platform/i86pc/multiboot                                     |
        | module /platform/i86pc/boot_archive                                  |
        +----------------------------------------------------------------------+
        Use the ^ and v keys to select which entry is highlighted.
        Press 'b' to boot, 'e' to edit the selected command in the
        boot sequence, 'c' for a command-line, 'o' to open a new line
        after ('O' for before) the selected line, 'd' to remove the
        selected line, or escape to go back to the main menu.
      3. コマンドに -x を追加して、システムが非クラスタモードで起動するように指定します。


        [ Minimal BASH-like line editing is supported. For the first word, TAB
        lists possible command completions. Anywhere else TAB lists the possible
        completions of a device/filename. ESC at any time exits. ]
        
        grub edit> kernel /platform/i86pc/multiboot -x
        
      4. Enter キーを押して変更を承諾し、ブートパラメータ画面に戻ります。

        画面には編集されたコマンドが表示されます。


        GNU GRUB version 0.95 (615K lower / 2095552K upper memory)
        +----------------------------------------------------------------------+
        | root (hd0,0,a)                                                       |
        | kernel /platform/i86pc/multiboot -x                                  |
        | module /platform/i86pc/boot_archive                                  |
        +----------------------------------------------------------------------+
        Use the ^ and v keys to select which entry is highlighted.
        Press 'b' to boot, 'e' to edit the selected command in the
        boot sequence, 'c' for a command-line, 'o' to open a new line
        after ('O' for before) the selected line, 'd' to remove the
        selected line, or escape to go back to the main menu.-
      5. b と入力して、ノードを非クラスタモードで起動します。


        注 –

        カーネル起動パラメータコマンドへのこの変更は、システムを起動すると無効になります。次にノードを再起動する際には、ノードはクラスタモードで起動します。非クラスタモードで起動するには、上記の手順を実行してもう一度カーネルのブートパラメータに -x オプションを追加してください。


  9. 1 つのノードから、clsetup ユーティリティーを起動します。

    非クラスタモードで動作している場合、clsetup ユーティリティーは非クラスタモード動作用のメインメニューを表示します。

  10. IP アドレス範囲を変更するためのオプションに対応する番号を入力し、Return キーを押します。

    clsetup ユーティリティーは現在のプライベートネットワーク構成を表示し、この構成を変更するかどうかを尋ねます。

  11. プライベートネットワーク IP アドレスか IP アドレス範囲のいずれかを変更するには、「yes」と入力し、Return キーを押します。

    clsetup ユーティリティーはデフォルトのプライベートネットワーク IP アドレスである 172.16.0.0 を表示し、このデフォルトをそのまま使用してもよいかどうかを尋ねます。

  12. プライベートネットワーク IP アドレスを変更するか、そのまま使用します。

    • デフォルトのプライベートネットワーク IP アドレスをそのまま使用し、IP アドレス範囲の変更に進むには、「yes」と入力し、Return キーを押します。

      clsetup ユーティリティーは、デフォルトのネットマスクをそのまま使用してもよいかどうかを尋ねます。次の手順に進み、応答を入力します。

    • デフォルトのプライベートネットワーク IP アドレスを変更するには、次のサブステップを実行します。

      1. clsetup ユーティリティーの、デフォルトのアドレスをそのまま使用してもよいかどうかに関する質問に対しては「no」と入力し、Return キーを押します。

        clsetup ユーティリティーは、新しいプライベートネットワーク IP アドレスを入力するプロンプトを表示します。

      2. 新しい IP アドレスを入力し、Return キーを押します。

        clsetup ユーティリティーはデフォルトのネットマスクを表示し、デフォルトのネットマスクをそのまま使用してもよいかどうかを尋ねます。

  13. デフォルトのプライベートネットワーク IP アドレス範囲を変更するか、そのまま使用します。

    Solaris 9 OS では、デフォルトのネットマスクは 255.255.248.0 です。 このデフォルトの IP アドレス範囲は、クラスタ内で最大 64 のノードと最大 10 のプライベートネットワークをサポートします。Solaris 10 OS では、デフォルトのネットマスクは 255.255.240.0 です。このデフォルトの IP アドレス範囲は、クラスタ内で最大 64 のノード、最大 12 のゾーンクラスタ、最大 10 のプライベートネットワークをサポートします。

    • デフォルトの IP アドレス範囲をそのまま使用するには、「yes」と入力して、Return キーを押します。

      続いて、次の手順に進みます。

    • IP アドレス範囲を変更するには、次のサブステップを実行します。

      1. clsetup ユーティリティーの、デフォルトのアドレス範囲をそのまま使用してもよいかどうかに関する質問に対しては「no」と入力し、Return キーを押します。

        デフォルトのネットマスクを拒否する場合、clsetup ユーティリティーは、ユーザーがクラスタ内で構成する予定のノードとプライベートネットワークの数、および Solaris 10 OS 上のゾーンクラスタの数を入力するプロンプトを出します。

      2. ユーザーがクラスタ内で構成する予定のノードとプライベートネットワークの数、および Solaris 10 OS 上のゾーンクラスタの数を入力します。

        これらの数から、clsetup ユーティリティーは 2 つの推奨ネットマスクを計算します。

        • 最初のネットマスクは、指定したノードとプライベートネットワークの数、および Solaris 10 OS 上のゾーンクラスタの数をサポートする最小限のネットマスクです。

        • 2 番目のネットマスクは、将来の成長を見越して、指定したノードとプライベートネットワークの数、および Solaris 10 OS 上のゾーンクラスタの数の 2 倍の数をサポートします。

      3. 計算されたネットマスクのいずれかを指定するか、ノードとプライベートネットワークの予定数、および Solaris 10 OS 上のゾーンクラスタの予定数をサポートする別のネットマスクを指定します。

  14. 更新の継続に関する clsetup ユーティリティーの質問に対しては、「yes」と入力します。

  15. 完了後 clsetup ユーティリティーを終了します。

  16. 各ノードを再起動してクラスタに戻します。

    1. 各ノードを停止します。


      # shutdown -g0 -y
      
    2. 各ノードをクラスタモードで起動します。

      • SPARC ベースのシステムでは、次の操作を実行します。


        ok boot
        
      • x86 ベースのシステムでは、次の操作を実行します。

        GRUB メニューが表示された時点で、適切な Solaris エントリを選択し Enter キーを押します。GRUB メニューは次のようになっています。


        GNU GRUB version 0.95 (631K lower / 2095488K upper memory)
        +-------------------------------------------------------------------------+
        | Solaris 10 /sol_10_x86                                                  |
        | Solaris failsafe                                                        |
        |                                                                         |
        +-------------------------------------------------------------------------+
        Use the ^ and v keys to select which entry is highlighted.
        Press enter to boot the selected OS, 'e' to edit the
        commands before booting, or 'c' for a command-line.

        GRUB ベースのブートの詳細は、『System Administration Guide: Basic Administration』の第 11 章「GRUB Based Booting (Tasks)」を参照してください。

  17. 1 つのノードから、clsetup ユーティリティーを起動します。


    # clsetup
    

    clsetup のメインメニューが表示されます。

  18. すべての無効リソースを再度有効にします。

    1. リソースグループのオプションに対応する番号を入力し、Return キーを押します。

      リソースグループメニューが表示されます。

    2. 「リソースを有効化または無効化」というオプションに対応する番号を入力し、Return キーを押します。

    3. 有効にするリソースを選択し、プロンプトの指示に従います。

    4. 無効になっている各リソースに対して、この手順を繰り返します。

    5. すべてのリソースが再び有効になったら、 q を入力して「リソースグループメニュー」に戻ります。

  19. 各リソースグループをオンラインに戻します。

    ノードに非大域ゾーンが含まれる場合は、それらのゾーン内にあるリソースグループもすべてオンラインにします。

    1. リソースグループのオンライン/オフライン化、またはスイッチオーバーを行うオプションに対応する番号を入力し、Return キーを押します。

    2. プロンプトに従って、各リソースグループを管理状態におき、リソースグループをオンラインに戻します。

  20. すべてのリソースグループがオンラインに戻ったら、clsetup ユーティリティーを終了します。

    q を入力して各サブメニューを取り消すか、Ctrl-C を押してください。

次の手順

既存のクラスタにノードを追加するには、次のいずれかの手順に進みます。

クラスタノード上に非大域ゾーンを作成するには、「グローバルクラスタノード上での非大域ゾーンの設定」に進みます。