ここでは、グローバルクラスタまたはゾーンクラスタ上のノードを削除する方法について説明します。グローバルクラスタから特定のゾーンクラスタを削除することもできます。次の表に、ノードを既存のクラスタから削除するときに行う作業を示します。作業は、示されている順に実行してください。
RAC 構成の場合、この手順のみを使用してノードを削除すると、再起動中のノードでパニックが発生する可能性があります。RAC 構成からノードを削除する方法については、『Sun Cluster Data Service for Oracle RAC Guide for Solaris OS』の「How to Remove Sun Cluster Support for Oracle RAC From Selected Nodes」を参照してください。このプロセスが終了したら、次の適切な手順に従ってください。
作業 |
参照先 |
---|---|
削除するノードからすべてのリソースグループとデバイスグループを移動 |
clnode evacuate node |
許可されたホストをチェックして、ノードを削除できることを確認 ノードを削除できない場合に、クラスタ構成へのアクセス権をノードに付与 |
claccess show node claccess allow -h node-to-remove |
すべてのデバイスグループからノードを削除 |
「デバイスグループからノードを削除する (Solaris Volume Manager)」
|
削除するノードに接続されているすべての定足数デバイスを削除 |
2 ノードクラスタのノードを削除する場合、この手順は省略可能です。 次の手順では、ストレージデバイスを削除する前に定足数デバイスを削除する必要がありますが、定足数デバイスはその直後に追加し直すことができます。 |
削除するノードを非クラスタモードにする | |
ゾーンクラスタからノードを削除 | |
クラスタソフトウェア構成からノードを削除 | |
(省略可能) Sun Cluster ソフトウェアをクラスタノードからアンインストール | |
ゾーンクラスタ全体の削除 |
ゾーンクラスタのノードを削除するには、ノードを停止し、アンインストールしてから、構成から削除します。あとでゾーンクラスタにノードを追加しなおす場合は、「ノードの追加」の説明に従ってください。この手順のほとんどはグローバルクラスタノードから実行されます。
グローバルクラスタのノードのスーパーユーザーになります。
ノードとそのゾーンクラスタを指定して、削除するゾーンクラスタノードを停止します。
phys-schost# clzonecluster halt -n node zoneclustername |
ゾーンクラスタ内で clnode evacuate コマンドと shutdown コマンドを使用することもできます。
ゾーンクラスタノードをアンインストールします。
phys-schost# clzonecluster uninstall -n node zoneclustername |
ゾーンクラスタノードを構成から削除します。
次のコマンドを使用します。
phys-schost# clzonecluster configure zoneclustername |
clzc:sczone> remove node physical-host=zoneclusternodename |
ノードがゾーンクラスタから削除されたことを確認します。
phys-schost# clzonecluster status |
グローバルクラスタからノードを削除するは、次の手順を実行します。
phys-schost# プロンプトは、グローバルクラスタのプロンプトを表します。この手順は、グローバルクラスタ上で実行します。
この手順では、長形式の Sun Cluster コマンドを使用して説明します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式の長短を除き、コマンドは同一です。コマンドのリストとその短縮形については、付録 B Sun Cluster オブジェクト指向コマンドを参照してください。
この手順を実行する前に、ノードをすべてのリソースグループ、デバイスグループ、および定足数デバイスの構成から削除していること、および、このノードを保守状態にしていることを確認します。
削除するノードで、スーパーユーザーになるか、RBAC の承認 solaris.cluster.modify を提供する役割になります。グローバルクラスタのノードから、次の手順のステップをすべて実行します。
削除するグローバルクラスタノードを非クラスタモードで起動します。ゾーンクラスタノードの場合は、この手順を実行する前に、「ゾーンクラスタからノードを削除する」の手順を実行します。
SPARC ベースのシステム上で、次のコマンドを実行します。
ok boot -x |
x86 ベースのシステム上で、次のコマンドを実行します。
shutdown -g -y -i0 Press any key to continue |
GRUB メニューで矢印キーを使用して該当する Solaris エントリを選択し、e と入力してコマンドを編集します。
GRUB メニューは次のようになっています。
GNU GRUB version 0.95 (631K lower / 2095488K upper memory) +-------------------------------------------------------------------------+ | Solaris 10 /sol_10_x86 | | Solaris failsafe | | | +-------------------------------------------------------------------------+ Use the ^ and v keys to select which entry is highlighted. Press enter to boot the selected OS, 'e' to edit the commands before booting, or 'c' for a command-line. |
GRUB ベースの起動についての詳細は、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の「GRUB を使用して x86 システムをブートする (作業マップ)」を参照してください。
ブートパラメータの画面で、矢印キーを使用してカーネルエントリを選択し、e を入力してエントリを編集します。
GRUB ブートパラメータの画面は、次のような画面です。
GNU GRUB version 0.95 (615K lower / 2095552K upper memory) +----------------------------------------------------------------------+ | root (hd0,0,a) | | kernel /platform/i86pc/multiboot | | module /platform/i86pc/boot_archive | +----------------------------------------------------------------------+ Use the ^ and v keys to select which entry is highlighted. Press 'b' to boot, 'e' to edit the selected command in the boot sequence, 'c' for a command-line, 'o' to open a new line after ('O' for before) the selected line, 'd' to remove the selected line, or escape to go back to the main menu. |
コマンドに -x を追加して、システムを非クラスタモードで起動するように指定します。
[ Minimal BASH-like line editing is supported. For the first word, TAB lists possible command completions. Anywhere else TAB lists the possible completions of a device/filename. ESC at any time exits. ] grub edit> kernel /platform/i86pc/multiboot -x |
Enter キーを押して変更を受け入れ、ブートパラメータの画面に戻ります。
画面には編集されたコマンドが表示されます。
GNU GRUB version 0.95 (615K lower / 2095552K upper memory) +----------------------------------------------------------------------+ | root (hd0,0,a) | | kernel /platform/i86pc/multiboot -x | | module /platform/i86pc/boot_archive | +----------------------------------------------------------------------+ Use the ^ and v keys to select which entry is highlighted. Press 'b' to boot, 'e' to edit the selected command in the boot sequence, 'c' for a command-line, 'o' to open a new line after ('O' for before) the selected line, 'd' to remove the selected line, or escape to go back to the main menu.- |
b と入力して、ノードを非クラスタモードで起動します。
カーネル起動パラメータコマンドへのこの変更は、システムを起動すると無効になります。次にノードを再起動する際には、ノードはクラスタモードで起動します。クラスタモードではなく、非クラスタモードで起動するには、これらの手順を再度実行して、カーネル起動パラメータコマンドに -x オプションを追加します。
削除するノードが使用できない場合や、起動できなくなっている場合は、アクティブな任意のクラスタノードで clnode clear -F <node-to-be-removed> コマンドを実行します。clnode status <nodename> を実行して、ノードが削除されていることを確認します。
削除するノードで、ノードをクラスタから削除します。
phys-schost# clnode remove -F |
clnode remove コマンドが失敗し、無効なノード参照が存在したままになっている場合は、アクティブなノードで clnode clear -F nodename を実行します。
クラスタ内の最後のノードを削除する場合は、そのノードがクラスタモードモードでないこと、およびクラスタ内にアクティブなノードがないことが必要です。
別のクラスタノードから、ノードの削除を確認します。
phys-schost# clnode status nodename |
ノードの削除を完了します。
削除するノードから Sun Cluster ソフトウェアをアンインストールする場合は、「Sun Cluster ソフトウェアをクラスタノードからアンインストールする」 に進んでください。
削除するノードから Sun Cluster ソフトウェアをアンインストールしない場合は、『Sun Cluster 3.1 - 3.2 Hardware Administration Manual for Solaris OS』 で説明されているように、ハードウェア接続を削除することにより、クラスタからノードを物理的に削除できます。
次に、ノード phys-schost-2 をクラスタから削除する例を示します。clnode remove コマンドは、クラスタから削除するノード (phys-schost-2) から非クラスタモードで実行されます。
[Remove the node from the cluster:] phys-schost-2# clnode remove phys-schost-1# clnode clear -F phys-schost-2 [Verify node removal:] phys-schost-1# clnode status -- Cluster Nodes -- Node name Status --------- ------ Cluster node: phys-schost-1 Online |
削除するノードから Sun Cluster ソフトウェアをアンインストールする方法については、「Sun Cluster ソフトウェアをクラスタノードからアンインストールする」を参照してください。
ハードウェア手順については、『Sun Cluster 3.1 - 3.2 Hardware Administration Manual for Solaris OS』を参照してください。
クラスタノードを削除する作業の概要については、表 8–4 を参照してください。
ノードを既存のクラスタに追加する方法については、「ノードを認証ノードリストに追加する」を参照してください。
3 ノードまたは 4 ノード接続のクラスタでストレージアレイを単一クラスタノードから取り外すには、次の手順を使用します。
phys-schost# プロンプトは、グローバルクラスタのプロンプトを表します。この手順は、グローバルクラスタ上で実行します。
この手順では、長形式の Sun Cluster コマンドを使用して説明します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式の長短を除き、コマンドは同一です。コマンドのリストとその短縮形については、付録 B Sun Cluster オブジェクト指向コマンドを参照してください。
取り外す予定のストレージアレイに関連付けられているすべてのデータベーステーブル、データサービス、ボリュームのバックアップを作成します。
切断する予定のノードで動作しているリソースグループとデバイスグループを判別します。
phys-schost# clresourcegroup status phys-schost# cldevicegroup status |
必要であれば、切断する予定のノードからすべてのリソースグループとデバイスグループを移動します。
Oracle RAC ソフトウェアをクラスタで実行している場合、グループをノードから移動する前に、動作している Oracle RAC データベースのインスタンスを停止します。手順については、『Oracle Database Administration Guide』を参照してください。
phys-schost# clnode evacuate node |
clnode evacuate コマンドは、すべてのデバイスグループを、指定ノードから次に優先されるノードに切り替えます。またこのコマンドは、指定ノード上の投票ノードまたは非投票ノードから、次に優先される投票ノードまたは非投票ノードへ、すべてのリソースグループを切り替えます。
デバイスグループを保守状態にします。
Veritas 共有ディスクグループへの入出力活動を休止させる手順については、VxVM のマニュアルを参照してください。
デバイスグループを保守状態にする手順については、「ノードを保守状態にする」を参照してください。
デバイスグループからノードを削除します。
VxVM または raw ディスクを使用している場合は、cldevicegroup(1CL) コマンドを使用して、デバイスグループを削除します。
Solstice DiskSuite を使用している場合は、metaset コマンドを使用して、デバイスグループを削除します。
HAStoragePlus リソースが含まれる各リソースグループで、リソースグループのノードリストからノードを削除します。
phys-schost# clresourcegroup remove-node -z zone -n node + | resourcegroup |
ノードの名前。
リソースグループをマスターできる非投票ノードの名前。リソースグループを作成した際に非投票ノードを指定した場合にのみ、zone を指定します。
リソースグループのノードリストを変更する方法の詳細は、『Sun Cluster データサービスの計画と管理 (Solaris OS 版)』を参照してください。
clresourcegroup を実行するときには、リソースタイプ、リソースグループ、およびリソースのプロパティー名には大文字と小文字の区別があります。
削除する予定のストレージアレイがノードに接続されている最後のストレージアレイである場合、当該ストレージアレイに接続されているハブまたはスイッチとノードの間にある光ケーブルを取り外します (そうでない場合、この手順は省略します)。
切断するノードからホストアダプタを削除する場合、ノードの電源を切ります。切断するノードからホストアダプタを削除する場合は、手順 11 に進みます。
ノードからホストアダプタを削除します。
ホストアダプタの削除手順については、ノード用ドキュメントを参照してください。
起動が行われないようにして、ノードに電源を入れます。
Oracle RAC ソフトウェアがインストールされている場合、切断する予定のノードからそのパッケージを削除します。
phys-schost# pkgrm SUNWscucm |
切断したノードから Oracle RAC ソフトウェアを削除しない場合、そのノードをクラスタに導入し直すときにノードでパニックが発生し、データの可用性が失われる可能性があります。
クラスタモードでノードを起動します。
SPARC ベースのシステム上で、次のコマンドを実行します。
ok boot |
x86 ベースのシステム上で、次のコマンドを実行します。
GRUB メニューが表示された時点で、適切な Solaris エントリを選択し Enter キーを押します。GRUB メニューは次のようになっています。
GNU GRUB version 0.95 (631K lower / 2095488K upper memory) +-------------------------------------------------------------------------+ | Solaris 10 /sol_10_x86 | | Solaris failsafe | | | +-------------------------------------------------------------------------+ Use the ^ and v keys to select which entry is highlighted. Press enter to boot the selected OS, 'e' to edit the commands before booting, or 'c' for a command-line. |
ノードの /devices と /dev エントリを更新して、デバイスの名前空間を更新します。
phys-schost# devfsadm -C cldevice refresh |
デバイスグループをオンラインに戻します。
Veritas 共有ディスクグループをオンラインにする手順については、Veritas Volume Manager のマニュアルを参照してください。
デバイスグループをオンラインにする方法については、「ノードを保守状態から戻す」を参照してください。
グローバルクラスタ上に構成されているゾーンクラスタは、特定の 1 つのゾーンクラスタを削除することも、ワイルドカードを使用してすべてのゾーンクラスタを削除することもできます。構成されていないゾーンクラスタは、削除できません。
グローバルクラスタのノードで、スーパーユーザーになるか、RBAC の承認 solaris.cluster.modify を提供する役割になりますグローバルクラスタのノードから、次の手順のステップをすべて実行します。
ゾーンクラスタからすべてのリソースグループとそのリソースを削除します。
phys-schost# clresourcegroup delete -F -Z zoneclustername + |
この手順は、グローバルクラスタノードから実行されます。この手順をゾーンクラスタのノードから実行するには、ゾーンクラスタノードにログインし、コマンドの「-Z zonecluster」を省略します。
ゾーンクラスタを停止します。
phys-schost# clzonecluster halt zoneclustername |
ゾーンクラスタをアンインストールします。
phys-schost# clzonecluster uninstall zoneclustername |
ゾーンクラスタを構成解除します。
phys-schost# clzonecluster delete zoneclustername |
phys-schost# clresourcegroup delete -F -Z sczone + |
phys-schost# clzonecluster halt sczone |
phys-schost# clzonecluster uninstall sczone |
phys-schost# clzonecluster delete sczone |
この手順は、ゾーンクラスタからファイルシステムを削除する場合に実行します。ゾーンクラスタでサポートされるファイルシステムには、UFS、Vxfs、スタンドアロン QFS、共有 QFS、ZFS (データセットとしてエクスポートされたもの)、およびループバックファイルシステムがあります。ファイルシステムをゾーンクラスタに追加する手順は、『Sun Cluster ソフトウェアのインストール (Solaris OS 版)』の「ゾーンクラスタにファイルシステムを追加する」を参照してください。
phys-schost# プロンプトは、グローバルクラスタのプロンプトを表します。この手順では、長形式の Sun Cluster コマンドを使用して説明します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式の長短を除き、コマンドは同一です。コマンドのリストとその短縮形については、付録 B Sun Cluster オブジェクト指向コマンドを参照してください。
ゾーンクラスタをホストするグローバルクラスタのノードで、スーパーユーザーになります。グローバルクラスタのノードから、このプロシージャの一部のステップが実行されます。他のステップは、ゾーンクラスタのノードから実行されます。
削除するファイルシステムに関連するリソースを削除します。
削除するゾーンクラスタのファイルシステム用に構成されている Sun Cluster のリソースタイプ (HAStoragePlus、SUNW.ScalMountPoint など) を特定し、削除します。
phys-schost# clresource delete -F -Z zoneclustername fs_zone_resources |
削除するファイルシステム用のグローバルクラスタ内に構成されている SUNW.qfs タイプの Sun Cluster リソースがあれば、そのリソースを特定し、削除します。
phys-schost# clresource delete -F fs_global_resouces |
-F オプションを指定すると、前もって無効にしていないリソースも含め、指定したリソースがすべて強制的に削除されるため、このオプションは注意して使用してください。すべての指定リソースが、ほかのリソースのリソース関係設定から削除されるため、クラスタ内のサービスが失われることがあります。削除されていない依存リソースは、無効な状態やエラー状態になる可能性があります。詳細は、clresource(1CL) のマニュアルページを参照してください。
削除したリソースのリソースグループがあとで空になると、そのリソースグループを安全に削除できます。
ファイルシステムのマウントポイントディレクトリのパスを調べます。たとえば、次のように使用します。
phys-schost# clzonecluster configure zoneclustername |
ファイルシステムをゾーンクラスタの構成から削除します。
phys-schost# clzonecluster configure zoneclustername |
clzc:zoneclustername> remove fs dir=filesystemdirectory |
clzc:zoneclustername> commit |
ファイルシステムのマウントポイントは、dir= で指定します。
ファイルシステムが削除されたことを確認します。
phys-schost# clzonecluster show -v zoneclustername |
この例は、sczone というゾーンクラスタ内に構成された、マウントポイントディレクトリ ( /local/ufs-1) のあるファイルシステムを削除する方法を示しています。リソースは hasp-rs で、そのタイプは HAStoragePlus です。
phys-schost# clzonecluster show -v sczone ... Resource Name: fs dir: /local/ufs-1 special: /dev/md/ds1/dsk/d0 raw: /dev/md/ds1/rdsk/d0 type: ufs options: [logging] ... phys-schost# clresource delete -F -Z sczone hasp-rs phys-schost# clzonecluster configure sczone clzc:sczone> remove fs dir=/local/ufs-1 clzc:sczone> commit phys-schost# clzonecluster show -v sczone |
この例は、HAzpool という ZFS プール内の ZFS ファイルシステムを削除する方法を示しています。このファイルシステムは、sczone ゾーンクラスタ内に構成されており、リソースは hasp-rs で、そのタイプは SUNW.HAStoragePlus です。
phys-schost# clzonecluster show -v sczone ... Resource Name: dataset name: HAzpool ... phys-schost# clresource delete -F -Z sczone hasp-rs phys-schost# clzonecluster configure sczone clzc:sczone> remove dataset name=HAzpool clzc:sczone> commit phys-schost# clzonecluster show -v sczone |
この例は、マウントポイントディレクトリが /db_qfs/Data の構成済み共有ファイルシステムを削除する方法を示しています。このファイルシステムには、次の特徴があります。
この共有 QFS ファイルシステムは、タイプが SUNW.qfs の Data-rs リソースで構成されている。このファイルシステムは、QFSFileSystem 拡張プロパティーが /<sczone_root_path>/db_qfs/Data に設定されているゾーンクラスタのグローバルクラスタ内に構成されている。
この共有 QFS ファイルシステムは、ゾーンクラスタ内に構成された、タイプが SUNW.ScalMountPoint の scal-Data-rs によって監視されている。
phys-schost# clzonecluster show -v sczone ... Resource Name: fs dir: /db_qfs/Data special: Data type: samfs ... phys-schost# clresource delete -F -Z sczone scal-Data-rs phys-schost# clresource delete -F Data-rs phys-schost# clzonecluster configure sczone clzc:sczone> remove fs dir=/db_qfs/Data clzc:sczone> commit phys-schost# clzonecluster show -v sczone |
ストレージデバイス (SVM ディスクセット、DID デバイスなど) をゾーンクラスタから削除することが可能です。この手順は、ゾーンクラスタからストレージデバイスを削除する場合に実行します。
ゾーンクラスタをホストするグローバルクラスタのノードで、スーパーユーザーになります。グローバルクラスタのノードから、このプロシージャーの一部のステップが実行されます。ほかのステップは、ゾーンクラスタのノードから実行することが可能です。
削除するデバイスに関連するリソースを削除します。削除するゾーンクラスタのデバイス用に構成されている Sun Cluster のリソースタイプ (SUNW.HAStoragePlus、SUNW.ScalDeviceGroup など) を特定し、削除します。
phys-schost# clresource delete -F -Z zoneclustername dev_zone_resources |
削除するデバイスに対して一致するエントリを調べます。
phys-schost# clzonecluster show -v zoneclustername ... Resource Name: device match: <device_match> ... |
デバイスをゾーンクラスタの構成から削除します。
phys-schost# clzonecluster configure zoneclustername clzc:zoneclustername> remove device match=<devices_match> clzc:zoneclustername> commit clzc:zoneclustername> end |
ゾーンクラスタを再起動します。
phys-schost# clzonecluster reboot zoneclustername |
デバイスの削除を確認します。
phys-schost# clzonecluster show -v zoneclustername |
この例は、sczone というゾーンクラスタに構成された apachedg という SVM ディスクセットを削除する方法を示しています。apachedg ディスクセットのセット番号は 3 です。このデバイスは、クラスタに構成された zc_rs のリソースにより使用されます。
phys-schost# clzonecluster show -v sczone ... Resource Name: device match: /dev/md/apachedg/*dsk/* Resource Name: device match: /dev/md/shared/3/*dsk/* ... phys-schost# clresource delete -F -Z sczone zc_rs phys-schost# ls -l /dev/md/apachedg lrwxrwxrwx 1 root root 8 Jul 22 23:11 /dev/md/apachedg -> shared/3 phys-schost# clzonecluster configure sczone clzc:sczone> remove device match=/dev/md/apachedg/*dsk/* clzc:sczone> remove device match=/dev/md/shared/3/*dsk/* clzc:sczone> commit clzc:sczone> end phys-schost# clzonecluster reboot sczone phys-schost# clzonecluster show -v sczone |
この例は、DID デバイス d10 および d11 を削除する方法を示しています。このデバイスは、sczone というゾーンクラスタに構成されています。このデバイスは、クラスタに構成された zc_rs のリソースにより使用されます。
phys-schost# clzonecluster show -v sczone ... Resource Name: device match: /dev/did/*dsk/d10* Resource Name: device match: /dev/did/*dsk/d11* ... phys-schost# clresource delete -F -Z sczone zc_rs phys-schost# clzonecluster configure sczone clzc:sczone> remove device match=/dev/did/*dsk/d10* clzc:sczone> remove device match=/dev/did/*dsk/d11* clzc:sczone> commit clzc:sczone> end phys-schost# clzonecluster reboot sczone phys-schost# clzonecluster show -v sczone |
完全に確立されたクラスタ構成からグローバルクラスタノードを切り離す前に、そのノードから Sun Cluster ソフトウェアをアンインストールするには、この手順を使用します。この手順では、クラスタに存在する最後のノードからソフトウェアをアンインストールできます。
クラスタにまだ結合されていない、あるいはまだインストールモードであるノードから Sun Cluster ソフトウェアをアンインストールする場合、この手順を使用してはいけません。その代わりに、『Sun Cluster ソフトウェアのインストール (Solaris OS 版)』 の「Sun Cluster ソフトウェアをアンインストールしてインストール問題を解決する」に進みます。
phys-schost# プロンプトは、グローバルクラスタのプロンプトを表します。この手順は、グローバルクラスタ上で実行します。
この手順では、長形式の Sun Cluster コマンドを使用して説明します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式の長短を除き、コマンドは同一です。コマンドのリストとその短縮形については、付録 B Sun Cluster オブジェクト指向コマンドを参照してください。
クラスタノードを削除するための前提作業 (作業マップを参照) がすべて完了していることを確認します。
表 8–4 を参照してください。
この手順を続ける前に、clnode remove を使用してクラスタ構成からノードを削除します。
アンインストールするグローバルクラスタノード以外の、アクティブなグローバルクラスタメンバー上で、スーパーユーザーになります。この手順は、グローバルクラスタノードから実行します。
アクティブなクラスタメンバーから、アンインストールを行うノードをクラスタ のノード認証リストに追加します。
phys-schost# claccess allow -h hostname |
ノードの認証リストに追加するノードの名前を指定します。
または、clsetup(1CL) ユーティリティーを使用できます。手順については、「ノードを認証ノードリストに追加する」を参照してください。
アンインストールするノードでスーパーユーザーになります。
ゾーンクラスタがある場合は、アンインストールします。
phys-schost# clzonecluster uninstall -F zoneclustername |
具体的な手順は、「ゾーンクラスタを削除する」を参照してください。
グローバルクラスタノードを非クラスタモードで再起動します。
SPARC ベースのシステム上で、次のコマンドを実行します。
# shutdown -g0 -y -i0ok boot -x |
x86 ベースのシステム上で、次のコマンドを実行します。
# shutdown -g0 -y -i0 ... <<< Current Boot Parameters >>> Boot path: /pci@0,0/pci8086,2545@3/pci8086,1460@1d/pci8086,341a@7,1/ sd@0,0:a Boot args: Type b [file-name] [boot-flags] <ENTER> to boot with options or i <ENTER> to enter boot interpreter or <ENTER> to boot with defaults <<< timeout in 5 seconds >>> Select (b)oot or (i)nterpreter: b -x |
/etc/vfstab ファイルから、グローバルにマウントされるすべてのファイルシステムエントリを削除します。ただし、/global/.devices グローバルマウントを除きます。
このノード上で Sun Cluster ソフトウェアを再インストールする場合は、Sun Java Enterprise System (Java ES) 製品のレジストリから Sun Cluster のエントリを削除します。
Java ES 製品のレジストリに Sun Cluster ソフトウェアがインストールされたという記録が含まれていると、Java ES のインストーラは Sun Cluster のコンポーネントを灰色で表示し、再インストールを許可しません。
Java ES のアンインストーラを起動します。
次のコマンドを実行します。ver は Sun Cluster ソフトウェアのインストール元である Java ES ディストリビューションのバージョンです。
# /var/sadm/prod/SUNWentsysver/uninstall |
プロンプトに従い、アンインストールする Sun Cluster を選択します。
uninstall コマンドの使い方の詳細は、『Sun Java Enterprise System 5 インストールガイド (UNIX 版)』の第 8 章「アンインストール」を参照してください。
このクラスタ上で Sun Cluster ソフトウェアを再インストールしない場合は、ほかのクラスタデバイスからトランスポートケーブルとトランスポートスイッチを切断します (存在する場合)。
クラスタノードの削除手順のいずれかを実行中に発生したエラーメッセージを修正するには、次の手順を実行します。
グローバルクラスタへのノードの再結合を試みます。この手順は、グローバルクラスタ上のみで実行します。
phys-schost# boot |
ノードがクラスタに正常に再結合されているかどうかを確認します。
再結合されていない場合は、手順 3 に進みます。
再結合されている場合は、次の各手順を行なってノードをデバイスグループから削除します。
ノードが正常にクラスタに再結合された場合は、残っているデバイスグループからノードを削除します。
「すべてのデバイスグループからノードを削除する」 の作業を行います。
すべてのデバイスグループからノードを削除したあと、「Sun Cluster ソフトウェアをクラスタノードからアンインストールする」 に戻り、その手順を繰り返します。
ノードがクラスタに再結合されなかった場合は、ノードの /etc/cluster/ccr ファイルを他の名前に変更します (たとえば、ccr.old)。
# mv /etc/cluster/ccr /etc/cluster/ccr.old |
「Sun Cluster ソフトウェアをクラスタノードからアンインストールする」に戻り、その手順を繰り返します。
ここでは、scinstall -r コマンドを実行したときに出力される可能性があるエラーメッセージとその対処方法について説明します。
次のエラーメッセージは、削除したグローバルクラスタノードに、vfstab ファイルから参照されているクラスタファイルシステムがまだあることを示しています。
Verifying that no unexpected global mounts remain in /etc/vfstab ... failed scinstall: global-mount1 is still configured as a global mount. scinstall: global-mount1 is still configured as a global mount. scinstall: /global/dg1 is still configured as a global mount. scinstall: It is not safe to uninstall with these outstanding errors. scinstall: Refer to the documentation for complete uninstall instructions. scinstall: Uninstall failed. |
このエラーを修正するためには、「Sun Cluster ソフトウェアをクラスタノードからアンインストールする」に戻って、その手順を繰り返す必要があります。手順 7 コマンドを再度実行する前に、このStep 7が正しく行われているか確認してください。
次のエラーメッセージは、削除したノードが依然としてデバイスグループにリストされていることを示しています。
Verifying that no device services still reference this node ... failed scinstall: This node is still configured to host device service " service". scinstall: This node is still configured to host device service " service2". scinstall: This node is still configured to host device service " service3". scinstall: This node is still configured to host device service " dg1". scinstall: It is not safe to uninstall with these outstanding errors. scinstall: Refer to the documentation for complete uninstall instructions. scinstall: Uninstall failed. |