Sun Cluster のシステム管理 (Solaris OS 版)

クラスタインターコネクトの管理

このセクションでは、クラスタトランスポートアダプタ、クラスタトランスポートケーブルなどのクラスタインターコネクトの再構成手順について説明します。これらの手順では、Sun Cluster ソフトウェアをインストールする必要があります。

通常、clsetup ユーティリティーを使用すると、クラスタインターコネクトのクラスタトランスポートを管理できます。詳細は、clsetup(1CL) のマニュアルページを参照してください。Solaris 10 OS を実行している場合、すべてのクラスタインターコネクトコマンドはグローバルクラスタの投票ノードで実行する必要があります。

クラスタソフトウェアをインストールする手順については、『Sun Cluster ソフトウェアのインストール (Solaris OS 版)』を参照してください。クラスタハードウェアコンポーネントをサービスする手順については、『Sun Cluster 3.1 - 3.2 Hardware Administration Manual for Solaris OS』を参照してください。


注 –

クラスタインターコネクト手順中、通常は、(適切であれば) デフォルトのポート名を選択してもかまいません。デフォルトのポート名は、ケーブルのアダプタ側が接続されているノードの内部ノード ID 番号と同じです。ただし、SCI などの特定の種類のアダプタではデフォルトのポート名は使用できません。


表 7–1 作業リスト: クラスタインターコネクトの管理

作業 

参照先 

clsetup(1CL) を使用することで、クラスタトランスポートを管理する

「クラスタ構成ユーティリティーにアクセスする」

clinterconnect status を使用することで、クラスタインターコネクトのステータスを確認する

「クラスタインターコネクトの状態を確認する」

clsetup を使用することで、クラスタトランスポートケーブル、トランスポートアダプタ、またはスイッチを追加する

「クラスタトランスポートケーブル、トランスポートアダプタ、トランスポートスイッチを追加する」

clsetup を使用することで、クラスタトランスポートケーブル、トランスポートアダプタ、またはトランスポートスイッチを削除する

「クラスタトランスポートケーブル、トランスポートアダプタ、トランスポートスイッチを削除する」

clsetup を使用することで、クラスタトランスポートケーブルを有効にする

「クラスタトランスポートケーブルを有効にする」

clsetup を使用することで、クラスタトランスポートケーブルを無効にする

「クラスタトランスポートケーブルを無効にする」

トランスポートアダプタのインスタンス番号の確認 

「トランスポートアダプタのインスタンス番号を確認する」

IP アドレスまたは既存のクラスタのアドレス範囲の変更 

「既存のクラスタのプライベートネットワークアドレスまたはアドレス範囲を変更する」

クラスタインターコネクトでの動的再構成

クラスタインターコネクト上で動的再構成 (Dynamic Reconfiguration、DR) を実行するときには、いくつかの問題を考慮する必要があります。


注意 – 注意 –

Sun Cluster ソフトウェアの個々のクラスタノードには、他のすべてのクラスタノードに対する有効なパスが、少なくとも 1 つは存在していなければなりません。したがって、個々のクラスタノードへの最後のパスをサポートするプライベートインターコネクトインタフェースを無効にしないでください。


パブリックネットワークインタフェース上で DR 操作を実行するときは、次の手順をその順番どおりに行います。

表 7–2 作業マップ: パブリックネットワークインタフェースでの動的再構成

作業 

参照先 

1. アクティブなインターコネクトからインタフェースを無効にして削除 

「パブリックネットワークインタフェースでの動的再構成」

2. パブリックネットワークインタフェース上で DR 操作を実行 

Solaris 9 on Sun Hardware」コレクションと「Solaris 10 on Sun Hardware」コレクションの『Sun Enterprise 10000 DR 構成マニュアル』と『Sun Enterprise 10000 Dynamic Reconfiguration リファレンスマニュアル

Procedureクラスタインターコネクトの状態を確認する

この手順は、Sun Cluster Manager GUI を使用しても実行できます。詳細については、Sun Cluster Manager のオンラインヘルプを参照してください。

phys-schost# プロンプトは、グローバルクラスタのプロンプトを表します。この手順は、グローバルクラスタ上で実行します。

この手順では、長形式の Sun Cluster コマンドを使用して説明します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式の長短を除き、コマンドは同一です。コマンドのリストとその短縮形については、付録 B Sun Cluster オブジェクト指向コマンドを参照してください。

この手順を実行するためにスーパーユーザーとしてログインする必要はありません。

  1. クラスタインターコネクトの状態を確認します。


    % clinterconnect status 
  2. 一般的な状態メッセージについては、以下の表を参照してください。

    状態メッセージ 

    説明および可能な処置 

    Path online

    パスが現在正常に機能しています。処置は必要ありません。 

    Path waiting

    パスが現在初期化中です。処置は必要ありません。 

    Faulted

    パスが機能していません。これは、パスが一時的に待機状態とオンライン状態の中間にある状態の可能性があります。再び clinterconnect status を実行してもメッセージが繰り返される場合は、適切な処置を行ってください。


例 7–1 クラスタインターコネクトの状態を確認する

次に、正常に機能しているクラスタインターコネクトの状態の例を示します。


% clinterconnect status 
-- Cluster Transport Paths --
                    Endpoint             Endpoint             Status
                    --------             --------             ------
  Transport path:   phys-schost-1:qfe1   phys-schost-2:qfe1   Path online
  Transport path:   phys-schost-1:qfe0   phys-schost-2:qfe0   Path online
  Transport path:   phys-schost-1:qfe1   phys-schost-3:qfe1   Path online
  Transport path:   phys-schost-1:qfe0   phys-schost-3:qfe0   Path online
  Transport path:   phys-schost-2:qfe1   phys-schost-3:qfe1   Path online
  Transport path:   phys-schost-2:qfe0   phys-schost-3:qfe0   Path online

Procedureクラスタトランスポートケーブル、トランスポートアダプタ、トランスポートスイッチを追加する

クラスタ固有のトランスポートの要件については、『Sun Cluster 3.1 - 3.2 Hardware Administration Manual for Solaris OS』「Interconnect Requirements and Restrictions」を参照してください。

この手順は、Sun Cluster Manager GUI を使用しても実行できます。詳細については、Sun Cluster Manager のオンラインヘルプを参照してください。

phys-schost# プロンプトは、グローバルクラスタのプロンプトを表します。この手順は、グローバルクラスタ上で実行します。

この手順では、長形式の Sun Cluster コマンドを使用して説明します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式の長短を除き、コマンドは同一です。コマンドのリストとその短縮形については、付録 B Sun Cluster オブジェクト指向コマンドを参照してください。

  1. クラスタトランスポートケーブルが物理的に取り付けられていることを確認します。

    クラスタトランスポートケーブルのインストール手順については、『Sun Cluster 3.1 - 3.2 Hardware Administration Manual for Solaris OS』 を参照してください。

  2. クラスタ内にある任意のノード上でスーパーユーザーになります。

  3. clsetup ユーティリティーを起動します。


    # clsetup
    

    メインメニューが表示されます。

  4. クラスタインターコネクトメニューを表示するためのオプションに対応する番号を入力します。


    注 –

    SCI アダプタを使用する構成では、この手順の「Add (追加)」部分において表示されるアダプタ接続 (ポート名) のデフォルトを受け入れてはいけません。その代わりに、ノードに物理的に (ケーブルで) 接続されている、Dolphin スイッチ上のポート名 (0、1、2、または 3) を指定します。


  5. トランスポートケーブルを追加するためのオプションに対応する番号を入力します。

    指示に従い、必要な情報を入力します。

  6. トランスポートアダプタをノードに追加するためのオプションに対応する番号を入力します。

    指示に従い、必要な情報を入力します。

  7. トランスポートスイッチを追加するためのオプションに対応する番号を入力します。

    指示に従い、必要な情報を入力します。

  8. クラスタトランスポートケーブル、トランスポートアダプタ、トランスポートスイッチが追加されたことを確認します。


    # clinterconnect show node:adapter,adapternode
    # clinterconnect show node:adapter
    # clinterconnect show node:switch
    

例 7–2 クラスタトランスポートケーブル、トランスポートアダプタ、トランスポートスイッチの追加

次の例に、clsetup ユーティリティーを使用し、トランスポートケーブル、トランスポートアダプタ、トランスポートスイッチをノードに追加する方法を示します。


[Ensure that the physical cable is installed.]
[Start the clsetup utility:]
# clsetup
[Select Cluster interconnect]

[Select either Add a transport cable, 
Add a transport adapter to a node, 
or Add a transport switch.}
[Answer the questions when prompted.]
   [You Will Need:  ]       
[Information:       Example:[
   node names             phys-schost-1
   adapter names          qfe2
   switch names         hub2
   transport type         dlpi
[Verify that the clinterconnect
 command completed successfully:]Command completed successfully.
Quit the clsetup Cluster Interconnect Menu and Main Menu. 
[Verify that the cable, adapter, and switch are added:]
# clinterconnect show phys-schost-1:qfe2,hub2
  ===Transport Cables ===
Transport Cable:                  phys-schost-1:qfe2@0,hub2
  Endpoint1:                  phys-schost-2:qfe0@0
  Endpoint2:                  ethernet-1@2 ???? Should this be hub2?
  State:                      Enabled

# clinterconnect show phys-schost-1:qfe2
=== Transport Adepters for qfe2
Transport Adapter:                             qfe2
  Adapter State:                                 Enabled
  Adapter Transport Type:                        dlpi
  Adapter Property (device_name):                ce
  Adapter Property (device_instance):            0
  Adapter Property (lazy_free):                  1
  Adapter Property (dlpi_heartbeat_timeout):     10000
  Adpater Property (dlpi_heartbeat_quantum):     1000
  Adapter Property (nw_bandwidth):               80
  Adapter Property (bandwidth):                  70
  Adapter Property (ip_address):                 172.16.0.129
  Adapter Property (netmask):                    255.255.255.128
  Adapter Port Names:                            0
  Adapter Port STate (0):                        Enabled

# clinterconnect show phys-schost-1:hub2

=== Transport Switches ===
Transport Switch:                              hub2
  Switch State:                                  Enabled
  Switch Type:                                   switch
  Switch Port Names:                             1 2
  Switch Port State(1):                          Enabled
  Switch Port State(2):                          Enabled

次の手順

クラスタトランスポートケーブルのインターコネクトのステータスを確認するには、「クラスタインターコネクトの状態を確認する」を参照してください。

Procedureクラスタトランスポートケーブル、トランスポートアダプタ、トランスポートスイッチを削除する

この手順は、Sun Cluster Manager GUI を使用しても実行できます。詳細については、Sun Cluster Manager のオンラインヘルプを参照してください。

次の手順を使用して、クラスタトランスポートケーブル、クラスタトランスポートアダプタ、およびトランスポートスイッチをノード構成から削除します。ケーブルを無効にした場合、このケーブルの 2 つのエンドポイントは構成されたままになります。トランスポートケーブルの終端として使用されているアダプタは削除できません。


注意 – 注意 –

各クラスタノードには、他のすべてのクラスタノードに対する (機能している) トランスポートパスが少なくとも 1 つずつ必要です。2 つのノードは必ず接続されており、お互いに分離されているノードは存在しません。ケーブルを無効にする前には、必ず、ノードのクラスタインターコネクトの状態を確認してください。状態が冗長な場合、つまり別の接続が使用できる場合だけ、ケーブル接続を無効にします。ノードの最後の機能しているケーブルを無効にすると、そのノードはクラスタメンバーシップから外れます。


phys-schost# プロンプトは、グローバルクラスタのプロンプトを表します。この手順は、グローバルクラスタ上で実行します。

この手順では、長形式の Sun Cluster コマンドを使用して説明します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式の長短を除き、コマンドは同一です。コマンドのリストとその短縮形については、付録 B Sun Cluster オブジェクト指向コマンドを参照してください。

  1. クラスタ内にある任意のノード上でスーパーユーザーになります。

  2. 残りのクラスタトランスポートパスの状態を確認します。


    # clinterconnect status
    

    注意 – 注意 –

    2 ノードクラスタのいずれかのノードを削除しようとして「パス障害 (Path faulted)」などのエラーメッセージが表示された場合、この手順を続ける前に問題を調査してください。このような問題は、ノードパスが利用できないことを示しています。残りの動作中のパスを削除すると、このノードはクラスタメンバーシップから外れ、クラスタが再構成されます。


  3. clsetup ユーティリティーを起動します。


    # clsetup
    

    メインメニューが表示されます。

  4. クラスタインターコネクトメニューにアクセスするためのオプションに対応する番号を入力します。

  5. トランスポートケーブルを無効にするためのオプションに対応する番号を入力します。

    指示に従い、必要な情報を入力します。アプリケーションのノード名、アダプタ名、およびスイッチ名を知っておく必要があります。

  6. トランスポートケーブルを削除するためのオプションに対応する番号を入力します。

    指示に従い、必要な情報を入力します。アプリケーションのノード名、アダプタ名、およびスイッチ名を知っておく必要があります。


    注 –

    物理的にケーブル接続を解除する場合は、ポートと宛先デバイスをつないでいるケーブルを切り離します。


  7. トランスポートアダプタをノードから削除するためのオプションに対応する番号を入力します。

    指示に従い、必要な情報を入力します。アプリケーションのノード名、アダプタ名、およびスイッチ名を知っておく必要があります。


    注 –

    アダプタをノードから物理的に取り外す場合のハードウェアサービス手順については、『Sun Cluster 3.1 - 3.2 Hardware Administration Manual for Solaris OS』 を参照してください。


  8. トランスポートスイッチを削除するためのオプションに対応する番号を入力します。

    指示に従い、必要な情報を入力します。アプリケーションのノード名、アダプタ名、およびスイッチ名を知っておく必要があります。


    注 –

    ポートがトランスポートケーブルの終端として使用されている場合、スイッチは削除できません。


  9. ケーブル、アダプタ、またはスイッチが削除されたことを確認します。


    # clinterconnect show node:adapter,adapternode
    # clinterconnect show  node:adapter
    # clinterconnect show  node:switch
    

    ノードからトランスポートケーブルやトランスポートアダプタが削除された場合は、このコマンドの出力には表示されません。


例 7–3 トランスポートケーブル、トランスポートアダプタ、トランスポートスイッチの削除

次の例に、clsetup コマンドを使用して、トランスポートケーブル、トランスポートアダプタ、またはトランスポートスイッチを削除する方法を示します。


[Become superuser on any node in the cluster.]
[Start the utility:]
# clsetup
[Select Cluster interconnect.[
[Select either Remove a transport cable, 
Remove a transport adapter to a node, 
or Remove a transport switch.[
[Answer the questions when prompted.[
   You Will Need:         
   Information            Example:
   node names             phys-schost-1
   adapter names          qfe1
   switch names           hub1
[Verify that the clinterconnect
 command was completed successfully:]
Command completed successfully.
[Quit the clsetup utility Cluster Interconnect Menu and Main Menu.]
[Verify that the cable, adapter, or switch is removed:]
# clinterconnect show phys-schost-1:qfe2,hub2
 ===Transport Cables ===
Transport Cable:                  phys-schost-2:qfe2@0,hub2
  Cable Endpoint1:                  phys-schost-2:qfe0@0
  Cable Endpoint2:                  ethernet-1@2 ??? Should this be hub2???
  Cable State:                      Enabled

# clinterconnect show phys-schost-1:qfe2
=== Transport Adepters for qfe2
Transport Adapter:                             qfe2
  Adapter State:                                 Enabled
  Adapter Transport Type:                        dlpi
  Adapter Property (device_name):                ce
  Adapter Property (device_instance):            0
  Adapter Property (lazy_free):                  1
  Adapter Property (dlpi_heartbeat_timeout):     10000
  Adpater Property (dlpi_heartbeat_quantum):     1000
  Adapter Property (nw_bandwidth):               80
  Adapter Property (bandwidth):                  70
  Adapter Property (ip_address):                 172.16.0.129
  Adapter Property (netmask):                    255.255.255.128
  Adapter Port Names:                            0
  Adapter Port STate (0):                        Enabled

# clinterconnect show phys-schost-1:hub2
=== Transport Switches ===
Transport Switch:                              hub2
  Switch State:                                  Enabled
  Switch Type:                                   switch
  Switch Port Names:                             1 2
  Switch Port State(1):                          Enabled
  Switch Port State(2):                          Enabled

Procedureクラスタトランスポートケーブルを有効にする

この手順は、Sun Cluster Manager GUI を使用しても実行できます。詳細については、Sun Cluster Manager のオンラインヘルプを参照してください。

このオプションを使用し、既存のクラスタトランスポートケーブルを有効にします。

phys-schost# プロンプトは、グローバルクラスタのプロンプトを表します。この手順は、グローバルクラスタ上で実行します。

この手順では、長形式の Sun Cluster コマンドを使用して説明します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式の長短を除き、コマンドは同一です。コマンドのリストとその短縮形については、付録 B Sun Cluster オブジェクト指向コマンドを参照してください。

  1. クラスタ内にある任意のノード上でスーパーユーザーになります。

  2. clsetup ユーティリティーを起動します。


    # clsetup
    

    メインメニューが表示されます。

  3. クラスタインターコネクトメニューにアクセスするためのオプションに対応する番号を入力し、Return キーを押します。

  4. トランスポートケーブルを有効にするためのオプションに対応する番号を入力し、Return キーを押します。

    プロンプトが表示されたなら、指示に従います。ケーブルのいずれかの終端のノード名およびアダプタ名の両方を入力する必要があります。

  5. ケーブルが有効になっていることを確認します。


    # clinterconnect show  node:adapter,adapternode
    

例 7–4 クラスタトランスポートケーブルを有効にする

次の例に、ノード phys-schost-2 にあるアダプタ qfe-1 のクラスタトランスポートケーブルを有効にする方法を示します。


[Become superuser on any node.]
[Start the clsetup utility:]
# clsetup
[Select Cluster interconnect>Enable a transport cable.[

[Answer the questions when prompted.[
[You will need the following information.[
   You Will Need:         
Information:                        Example:
   node names             phys-schost-2
   adapter names          qfe1
   switch names           hub1
[Verify that the scinterconnect
 command was completed successfully:]
 
clinterconnect  enable phys-schost-2:qfe1
 
Command completed successfully.
[Quit the clsetup Cluster Interconnect Menu and Main Menu.]
[Verify that the cable is enabled:]
# clinterconnect show  phys-schost-1:qfe2,hub2
  Transport cable:   phys-schost-2:qfe1@0 ethernet-1@2    Enabled
  Transport cable:   phys-schost-3:qfe0@1 ethernet-1@3    Enabled
  Transport cable:   phys-schost-1:qfe0@0 ethernet-1@1    Enabled

Procedureクラスタトランスポートケーブルを無効にする

この手順は、Sun Cluster Manager GUI を使用しても実行できます。詳細については、Sun Cluster Manager のオンラインヘルプを参照してください。

クラスタトランスポートケーブルを無効にし、クラスタインターコネクトパスを一時的に停止する必要があることがあります。一時的な停止は、クラスタインターコネクトで発生する問題の解決や、クラスタインターコネクトのハードウェアの交換に便利です。

ケーブルを無効にした場合、このケーブルの 2 つのエンドポイントは構成されたままになります。トランスポートケーブルの終端として使用されているアダプタは削除できません。


注意 – 注意 –

各クラスタノードには、他のすべてのクラスタノードに対する (機能している) トランスポートパスが少なくとも 1 つずつ必要です。2 つのノードは必ず接続されており、お互いに分離されているノードは存在しません。ケーブルを無効にする前には、必ず、ノードのクラスタインターコネクトの状態を確認してください。状態が冗長な場合、つまり別の接続が使用できる場合だけ、ケーブル接続を無効にします。ノードの最後の機能しているケーブルを無効にすると、そのノードはクラスタメンバーシップから外れます。


phys-schost# プロンプトは、グローバルクラスタのプロンプトを表します。この手順は、グローバルクラスタ上で実行します。

この手順では、長形式の Sun Cluster コマンドを使用して説明します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式の長短を除き、コマンドは同一です。コマンドのリストとその短縮形については、付録 B Sun Cluster オブジェクト指向コマンドを参照してください。

  1. クラスタ内にある任意のノード上でスーパーユーザーになります。

  2. ケーブルを無効にする前に、クラスタインターコネクトの状態を確認します。


    # clinterconnect status
    

    注意 – 注意 –

    2 ノードクラスタのいずれかのノードを削除しようとして「パス障害 (Path faulted)」などのエラーメッセージが表示された場合、この手順を続ける前に問題を調査してください。このような問題は、ノードパスが利用できないことを示しています。残りの動作中のパスを削除すると、このノードはクラスタメンバーシップから外れ、クラスタが再構成されます。


  3. clsetup ユーティリティーを起動します。


    # clsetup
    

    メインメニューが表示されます。

  4. クラスタインターコネクトメニューにアクセスするためのオプションに対応する番号を入力し、Return キーを押します。

  5. トランスポートケーブルを無効にするためのオプションに対応する番号を入力し、Return キーを押します。

    指示に従い、必要な情報を入力します。このクラスタインターコネクトのすべてのコンポーネントは無効になります。ケーブルのいずれかの終端のノード名およびアダプタ名の両方を入力する必要があります。

  6. ケーブルが無効になっていることを確認します。


    # clinterconnect show  node:adapter,adapternode
    

例 7–5 クラスタトランスポートケーブルを無効にする

次の例に、ノード phys-schost-2 にあるアダプタ qfe-1 のクラスタトランスポートケーブルを無効にする方法を示します。


[Become superuser on any node.]
[Start the clsetup utility:]
# clsetup
[Select Cluster interconnect>Disable a transport cable.]

[Answer the questions when prompted.]
[You will need the following information.]
  [ You Will Need:]
Information:               Example:
   node names             phys-schost-2
   adapter names          qfe1
   switch names           hub1
[Verify that the clinterconnect
 command was completed successfully:]
 Command completed successfully.
[Quit the scsetup Cluster Interconnect Menu and Main Menu.]
[Verify that the cable is disabled:]
# clinterconnect show  -p phys-schost-1:qfe2,hub2
  Transport cable:   phys-schost-2:qfe1@0 ethernet-1@2    Disabled
  Transport cable:   phys-schost-3:qfe0@1 ethernet-1@3    Enabled
  Transport cable:   phys-schost-1:qfe0@0 ethernet-1@1    Enabled

Procedureトランスポートアダプタのインスタンス番号を確認する

clsetup コマンドを使用して正しいトランスポートアダプタの追加と削除を行うには、トランスポートアダプタのインスタンス番号を確認する必要があります。アダプタ名は、アダプタの種類とアダプタのインスタンス番号を組み合わせたものです。この作業では、SCI-PCI アダプタを例として使用しています。

  1. スロット番号にもとづき、アダプタの名前を確認してください。

    次の画面は例であり、個々のハードウェアと一致しない可能性があります。


    # prtdiag
    ...
    ========================= IO Cards =========================                     
    						 Bus  Max  
     IO  Port Bus      Freq Bus  Dev, 
    Type  ID  Side Slot MHz  Freq Func State Name Model
    ---- ---- ---- ---- ---- ---- ---- ----- --------------------------------
    PCI   8    B    2    33   33  2,0  ok    pci11c8,0-pci11c8,d665.11c8.0.0 
    PCI   8    B    3    33   33  3,0  ok    pci11c8,0-pci11c8,d665.11c8.0.0 
    ...
  2. アダプタのパスを使用して、アダプタのインスタンス番号を確認してください。

    次の画面は例であり、個々のハードウェアと一致しない可能性があります。


    # grep sci /etc/path_to_inst
    "/pci@1f,400/pci11c8,o@2" 0 "sci"
    "/pci@1f,4000.pci11c8,0@4 "sci"
  3. アダプタの名前とスロット番号を使用してアダプタのインスタンス番号を確認してください。

    次の画面は例であり、個々のハードウェアと一致しない可能性があります。


    # prtconf
    ...
     pci, instance #0
     			pci11c8,0, instance #0
    			pci11c8,0, instance #1
    ...

Procedure既存のクラスタのプライベートネットワークアドレスまたはアドレス範囲を変更する

プライベートネットワークアドレスまたは使用されるネットワークアドレスの範囲、またはその両方を変更するには、次の手順に従います。

始める前に

スーパーユーザーのリモートシェル (rsh(1M)) または Secure Shell (ssh(1)) アクセスが、すべてのクラスタノードで有効になっていることを確認します。

  1. 各クラスタノード上で次のサブステップを実行することで、すべてのクラスタノードを再起動し、非クラスタモードにします。

    1. 非クラスタモードで起動するクラスタノード上で、スーパーユーザーになるか、RBAC の承認 solaris.cluster.admin を提供する役割になります。

    2. clnode evacuate および cluster shutdown コマンドを使用してノードを停止します。

      clnode evacuate コマンドは、すべてのデバイスグループを、指定ノードから次に優先されるノードに切り替えます。またこのコマンドは、指定ノード上の投票ノードまたは非投票ノードから、次に優先される投票ノードまたは非投票ノードへ、すべてのリソースグループを切り替えます。


      # clnode evacuate  node
      # cluster shutdown -g0 -y
      
  2. 1 つのノードから、clsetup ユーティリティーを起動します。

    非クラスタモードで動作している場合、clsetup ユーティリティーは非クラスタモード動作用のメインメニューを表示します。

  3. IP アドレス範囲を変更するためのオプションに対応する番号を入力し、Return キーを押します。

    clsetup ユーティリティーは現在のプライベートネットワーク構成を表示し、この構成を変更するかどうかを尋ねます。

  4. プライベートネットワーク IP アドレスか IP アドレス範囲のいずれかを変更するには、「yes」と入力し、Return キーを押します。

    clsetup ユーティリティーはデフォルトのプライベートネットワーク IP アドレスである 172.16.0.0 を表示し、このデフォルトをそのまま使用してもよいかどうかを尋ねます。

  5. プライベートネットワーク IP アドレスを変更するか、そのまま使用します。

    • デフォルトのプライベートネットワーク IP アドレスをそのまま使用し、IP アドレス範囲の変更に進むには、「yes」と入力し、Return キーを押します。

      clsetup ユーティリティーは、デフォルトのネットマスクをそのまま使用してもよいかどうかを尋ねます。次の手順に進み、応答を入力します。

    • デフォルトのプライベートネットワーク IP アドレスを変更するには、次のサブステップを実行します。

      1. clsetup ユーティリティーの、デフォルトのアドレスをそのまま使用してもよいかどうかに関する質問に対しては「no」と入力し、Return キーを押します。

        clsetup ユーティリティーは、新しいプライベートネットワーク IP アドレスを入力するプロンプトを表示します。

      2. 新しい IP アドレスを入力し、Return キーを押します。

        clsetup ユーティリティーはデフォルトのネットマスクを表示し、デフォルトのネットマスクをそのまま使用してもよいかどうかを尋ねます。

  6. デフォルトのプライベートネットワーク IP アドレス範囲を変更するか、そのまま使用します。

    Solaris 9 OS では、デフォルトのネットマスクは 255.255.248.0 です。 このデフォルトの IP アドレス範囲は、クラスタ内で最大 64 のノードと最大 10 のプライベートネットワークをサポートします。Solaris 10 OS では、デフォルトのネットマスクは 255.255.240.0 です。このデフォルトの IP アドレス範囲は、クラスタ内で最大 64 のノード、最大 12 のゾーンクラスタ、最大 10 のプライベートネットワークをサポートします。

    • デフォルトの IP アドレス範囲をそのまま使用するには、「yes」と入力して、Return キーを押します。

      続いて、次の手順に進みます。

    • IP アドレス範囲を変更するには、次のサブステップを実行します。

      1. clsetup ユーティリティーの、デフォルトのアドレス範囲をそのまま使用してもよいかどうかに関する質問に対しては「no」と入力し、Return キーを押します。

        デフォルトのネットマスクを拒否する場合、clsetup ユーティリティーは、ユーザーがクラスタ内で構成する予定のノードとプライベートネットワークの数、および Solaris 10 OS 上のゾーンクラスタの数を入力するプロンプトを出します。

      2. ユーザーがクラスタ内で構成する予定のノードとプライベートネットワークの数、および Solaris 10 OS 上のゾーンクラスタの数を入力します。

        これらの数から、clsetup ユーティリティーは 2 つの推奨ネットマスクを計算します。

        • 最初のネットマスクは、指定したノードとプライベートネットワークの数、および Solaris 10 OS 上のゾーンクラスタの数をサポートする最小限のネットマスクです。

        • 2 番目のネットマスクは、将来の成長を見越して、指定したノードとプライベートネットワークの数、および Solaris 10 OS 上のゾーンクラスタの数の 2 倍の数をサポートします。

      3. 計算されたネットマスクのいずれかを指定するか、ノードとプライベートネットワークの予定数、および Solaris 10 OS 上のゾーンクラスタの予定数をサポートする別のネットマスクを指定します。

  7. 更新の継続に関する clsetup ユーティリティーの質問に対しては、「yes」と入力します。

  8. 完了後 clsetup ユーティリティーを終了します。

  9. 各クラスタノードに対して次のサブステップを実行することで、各クラスタノードを再起動し、クラスタモードに戻します。

    1. ノードを起動します。

      • SPARC ベースのシステム上で、次のコマンドを実行します。


        ok boot
        
      • x86 ベースのシステム上で、次のコマンドを実行します。

        GRUB メニューが表示された時点で、適切な Solaris エントリを選択し Enter キーを押します。GRUB メニューは次のようになっています。


        GNU GRUB version 0.95 (631K lower / 2095488K upper memory)
        +-------------------------------------------------------------------------+
        | Solaris 10 /sol_10_x86                                                  |
        | Solaris failsafe                                                        |
        |                                                                         |
        +-------------------------------------------------------------------------+
        Use the ^ and v keys to select which entry is highlighted.
        Press enter to boot the selected OS, 'e' to edit the
        commands before booting, or 'c' for a command-line.
  10. ノードが問題なく起動し、オンラインであることを確認します。


    # cluster status -t node