numsecondaries プロパティーは、主ノードに障害が発生した場合にグループをマスターできる、デバイスグループ内のノード数を指定します。デバイスサービスの二次ノードのデフォルト数は 1 です。この値には、1 からデバイスグループ内で動作している主ノード以外のプロバイダノード数までの任意の整数を設定できます。
この設定は、クラスタの性能と可用性のバランスをとるための重要な要因になります。たとえば、二次ノードの希望数を増やすと、クラスタ内で同時に複数の障害が発生した場合でも、デバイスグループが生き残る可能性が増えます。しかし、二次ノード数を増やすと、通常の動作中の性能が一様に下がります。通常、二次ノード数を減らすと、性能が上がりますが、可用性が下がります。しかし、二次ノード数を増やしても、必ずしも、当該のファイルシステムまたはデバイスグループの可用性が上がるわけではありません。詳細については、『Sun Cluster Concepts Guide for Solaris OS』の第 3 章「Key Concepts for System Administrators and Application Developers」を参照してください。
numsecondaries プロパティーを変更すると、二次ノードの実際数と希望数の間に整合性がない場合、二次ノードはデバイスグループに追加されるか、またはデバイスグループから削除されます。
この手順では、clsetup ユーティリティーを使用して、すべてのタイプのデバイスグループの numsecondaries プロパティーを設定します。デバイスグループを構成する際のデバイスグループのオプションの詳細については、cldevicegroup(1CL) を参照してください。
phys-schost# プロンプトは、グローバルクラスタのプロンプトを表します。この手順は、グローバルクラスタ上で実行します。
この手順では、長形式の Sun Cluster コマンドを使用して説明します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式の長短を除き、コマンドは同一です。コマンドのリストとその短縮形については、付録 B Sun Cluster オブジェクト指向コマンドを参照してください。
クラスタの任意のノードで、スーパーユーザーになるか、RBAC の承認 solaris.cluster.read および solaris.cluster.modify を提供する役割になります。
clsetup ユーティリティーを起動します。
# clsetup |
メインメニューが表示されます。
デバイスグループを使用して作業するため、「デバイスグループとボリューム」というラベルのオプションを選択します。
「デバイスグループメニュー」が表示されます。
デバイスグループの重要なプロパティーを変更するには、「デバイスグループのキープロパティを変更」というラベルのオプションを選択します。
「デバイスグループのプロパティー変更メニュー」が表示されます。
二次ノードの希望数を変更するには、numsecondaries プロパティーを変更するためのオプションに対応する数を入力します。
指示に従って、デバイスグループに構成したい二次ノードの希望数を入力します。対応する cldevicegroup コマンドが実行され、ログが出力され、ユーティリティーは前のメニューに戻ります。
デバイスグループの構成を検証します。
# cldevicegroup show dg-schost-1 === Device Groups === Device Group Name: dg-schost-1 Type: VxVm This might also be SDS or Local_Disk. failback: yes Node List: phys-schost-1, phys-schost-2 phys-schost-3 preferenced: yes numsecondaries: 1 diskgroup names: dg-schost-1 |
VxVM ディスクグループ、または、クラスタに登録されているボリュームの構成情報を変更した場合、clsetup を使用してデバイスグループを再登録する必要があります。このような構成変更には、ボリュームの追加や削除、既存ボリュームのグループ、所有者、アクセス権の変更などがあります。構成変更後に登録を行うと、グローバルな名前空間が正しい状態になります。「グローバルデバイス名前空間を更新する」 を参照してください。
デバイスグループの属性が変更されたことを確認します。
次のコマンドを実行して、表示されるデバイスグループ情報を確認します。
# cldevicegroup show -v devicegroup |
次に、デバイスグループ (dg-schost-1) の二次ノードの希望数を構成するときに、clsetup によって生成される cldevicegroup コマンドの例を示します。この例では、ディスクグループとボリュームは以前に作成されているものと想定しています。
# cldevicegroup set -p numsecondaries=1 dg-schost-1 # cldevicegroup show -v dg-schost-1 === Device Groups === Device Group Name: dg-schost-1 Type: SVM failback: yes Node List: phys-schost-1, phys-schost-2 preferenced: yes numsecondaries: 1 diskset names: dg-schost-1 |
次に、デバイスグループ (dg-schost-1) の二次ノードの希望数を 2 に設定するときに、clsetup によって生成される cldevicegroup コマンドの例を示します。デバイスグループを作成したあとで二次ノードの希望数を変更する方法については、「デバイスグループの二次ノードの希望数を設定する」を参照してください。
# cldevicegroup set -p numsecondaries=2 dg-schost-1 # cldevicegroup show dg-schost-1 === Device Groups === Device Group Name: dg-schost-1 Type: VxVM failback: yes Node List: phys-schost-1, phys-schost-2 preferenced: yes numsecondaries: 1 diskgroup names: dg-schost-1 |
次に、ヌル文字列値を使用して、二次ノードのデフォルト数を構成する例を示します。デバイスグループは、デフォルト値が変更されても、デフォルト値を使用するように構成されます。
# cldevicegroup set -p numsecondaries= dg-schost-1 # cldevicegroup show -v dg-schost-1 === Device Groups === Device Group Name: dg-schost-1 Type: SVM failback: yes Node List: phys-schost-1, phys-schost-2 phys-schost-3 preferenced: yes numsecondaries: 1 diskset names: dg-schost-1 |