Sun Cluster 3.1 4/04、Sun Cluster 3.1 8/05、Sun Cluster 3.2、および Sun Cluster 3.2 2/08 は、パブリックネットワークの IP (Internet Protocol) ネットワークマルチパスの Solaris ソフトウェア実装をサポートします。IP ネットワークマルチパスの基本的な管理は、クラスタ環境でも非クラスタ環境でも同じです。マルチパスの管理については、適切な Solaris OS のマニュアルを参照してください。ただし、Sun Cluster 環境で IP ネットワークマルチパスを管理する前には、以下のガイドラインを熟読してください。
IP ネットワークマルチパス手順をクラスタ上で実行する前に、次のガイドラインについて考慮してください。
各パブリックネットワークアダプタは、マルチパスグループに属している必要があります。
local-mac-address? 変数には、Ethernet アダプタの値として true が指定されていなければなりません。
次に示すタイプのマルチパスグループ内に存在するアダプタごとにテスト IP アドレスを設定する必要があります。
Solaris 9 または Solaris 10 OS で稼働しているクラスタ内のすべてのマルチアダプタマルチパスグループSolaris 9 または Solaris 10 OS 上のシングルアダプタマルチパスグループは、テスト IP アドレスを必要としません。
同一マルチパスグループ内のすべてのアダプタ用のテスト IP アドレスは、単一の IP サブネットに属する必要があります。
テスト IP アドレスは高可用性でないため、通常のアプリケーションが使用しないようにします。
マルチパスグループの命名に制限はありません。しかし、リソースグループを構成するとき、netiflist には、任意のマルチパス名にノード ID 番号またはノード名が続くものを指定します。たとえば、マルチパスグループの名前が sc_ipmp0 であるとき、ノード ID が 1 である phys-schost-1 というノード上にアダプタが存在する場合、netiflist には sc_ipmp0@1 または sc_ipmp0@phys-schost-1 のどちらを指定してもかまいません。
あらかじめ IP アドレスをグループ内の削除する予定のアダプタから代替アダプタにスイッチオーバーせずに、IP ネットワークマルチパスグループのアダプタを構成解除 (unplumb する) または停止しないようにします (つまり、if_mpadm(1M) コマンドを使用)。
個々のマルチパスグループから削除する前に、アダプタを別のサブネットに配線しないようにします。
論理アダプタ操作は、マルチパスグループで監視中の場合でもアダプタに対して行うことができます。
クラスタ内の各ノードについて、最低 1 つのパブリックネットワーク接続を維持しなければなりません。クラスタは、パブリックネットワーク接続がないとアクセスできません。
クラスタ上の IP ネットワークマルチパスグループの状態を表示するには、clinterconnect status コマンドを使用します。
IP ネットワークマルチパスの詳細については、Solaris OS システム管理マニュアルセットの適切なマニュアルを参照してください。
表 7–3 作業リスト : パブリックネットワークの管理
Solaris オペレーティングシステムリリース |
参照先 |
---|---|
SPARC: Solaris 9 オペレーティングシステム |
『Solaris のシステム管理 (IP サービス)』の「IP ネットワークマルチパス (トピック)」 |
Solaris 10 オペレーティングシステム |
『Solaris のシステム管理 (IP サービス)』の「IP ネットワークマルチパス (トピック)」 |
クラスタソフトウェアをインストールする手順については、『Sun Cluster ソフトウェアのインストール (Solaris OS 版)』を参照してください。パブリックネットワークハードウェアコンポーネントをサービスする手順については、『Sun Cluster 3.1 - 3.2 Hardware Administration Manual for Solaris OS』 を参照してください。
クラスタ内のパブリックネットワークインタフェース上で動的再構成 (DR) を実行するときには、いくつかの問題を考える必要があります。
Sun Cluster の DR 機能の説明で述べられているすべての必要条件、手順、制限は Sun Cluster の DR サポートにも適用されます (オペレーティングシステムでの休止操作をしない場合を除く)。したがって、Sun Cluster ソフトウェアで DR 機能を使用する前に、必ず、Solaris の DR 機能についての説明を参照してください。特に、DR の切り離し操作中に、ネットワークに接続されていない入出力デバイスに影響する問題について確認してください。
DR ボード削除操作は、パブリックネットワークインタフェースがアクティブでないときだけ成功します。アクティブなパブリックネットワークインタフェースを削除する前に、if_mpadm(1M) コマンドを使用して、削除するアダプタからマルチパスグループ内の別のアダプタに IP アドレスを切り替えます。
アクティブなネットワークインタフェースを適切に無効にせずにパブリックネットワークインタフェースカードを削除しようとした場合、Sun Cluster はその操作を拒否して、その操作から影響を受けるインタフェースを識別します。
2 つのアダプタを持つマルチパスグループの場合、無効にしたネットワークアダプタ上で DR 削除操作を実行している間に残りのネットワークアダプタに障害が発生すると、可用性に影響が生じます。これは、DR 操作の間は、残りのネットワークアダプタのフェイルオーバー先が存在しないためです。
パブリックネットワークインタフェース上で DR 操作を実行するときは、次の手順をその順番どおりに行います。
表 7–4 作業マップ: パブリックネットワークインタフェースでの動的再構成
作業 |
参照先 |
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1. if_mpadm を使用して、IP アドレスをマルチパスグループ内の削除する予定のアダプタから代替アダプタへの切り換えを実行 |
if_mpadm(1M) のマニュアルページ 適切な SolarisOS のマニュアル: Solaris 9: 『Solaris のシステム管理 (IP サービス)』 の「IP ネットワークマルチパス (トピック)」 Solaris 10: 『Solaris のシステム管理 (IP サービス)』のパート VI「IPMP」 |
2. ifconfig コマンドを使用して、マルチパスグループからアダプタを削除 |
適切な Solaris のマニュアル: Solaris 9: 『Solaris のシステム管理 (IP サービス)』の「IP ネットワークマルチパス (トピック)」 ifconfig(1m) のマニュアルページ Solaris 10: 『Solaris のシステム管理 (IP サービス)』のパート VI「IPMP」 |
3. パブリックネットワークインタフェース上で DR 操作を実行 |
「Solaris 9 on Sun Hardware」コレクションと「Solaris 10 on Sun Hardware」コレクションの『Sun Enterprise 10000 DR Configuration Guide』と『Sun Enterprise 10000 Dynamic Reconfiguration リファレンスマニュアル』 |