この節では、Oracle ソフトウェアのインストールに必要な手順を説明します。
クラスタのメンバーでスーパーユーザーになります。
クラスタファイルシステムでの Oracle ソフトウェアのインストールを計画している場合は、Sun Cluster ソフトウェアを起動し、デバイスグループの所有者になります。
Oracle ソフトウェアをほかの場所にインストールする計画の場合は、この手順は省略します。
インストール場所については、「ノードとディスクの準備」を参照してください。
Oracle ソフトウェアをインストールします。
Oracle のインストールを開始する前に、Oracle に必要なシステムリソースが構成されていることを確認します。oracle としてログインし、この手順を実行する前に、ディレクトリ全体の所有権を確認します。Oracle ソフトウェアのインストール方法に関する注意点は、該当する Oracle のインストールおよび構成ガイドを参照してください。
Solaris 9 OS を使用している場合、各ノードの /etc/system ファイルを標準的な Oracle インストール手順に適合するように変更します。変更が有効になるように各ノードを再起動します。
Solaris 10 OS を使用している場合は、Solaris Resource Management (SRM) を使用して、カーネルパラメータが Oracle の必要最小値以上に設定されていることを確認できます。Oracle カーネルパラメータ設定の詳細については、「Oracle カーネルパラメータの設定方法」を参照してください。Oracle 用にシステムリソースを構成したら、インストール自体を開始できます。
(省略可能) Sun Cluster HA for Oracle を Oracle 10g R1 とともに使用している場合、Oracle の cssd デーモンが起動しないようにします。Sun Cluster HA for Oracle を Oracle 10g R2 とともに使用している場合は、この手順は省略します。
Oracle の cssd デーモンのエントリを、Oracle ソフトウェアがインストールされているノードの /etc/inittab ファイルから削除します。このエントリを削除するには、 /etc/inittab ファイルから次の行を削除します。
h1:23:respawn:/etc/init.d/init.cssd run >/dev/null 2>&1 > </dev/null
Sun Cluster HA for Oracle は、Oracle の cssd デーモンを必要としません。したがって、このエントリを削除しても Oracle 10g R1 と Sun Cluster HA for Oracle の動作には影響しません。Oracle のインストールが変わり、Oracle の cssd デーモンが必要になった場合は、/etc/inittab ファイルのこのデーモンに対するエントリを復元します。
Oracle 10g R1Real Application Clusters を使用している場合は、/etc/inittab ファイルから cssd デーモンのエントリを削除しないでください。
Oracle の cssd デーモンのエントリを /etc/inittab ファイルから削除する場合は、不要なエラーメッセージを表示しないように設定しておきます。そのように設定しておかないと、init(1M) コマンドが Oracle の cssd デーモンを起動しようとすることによって不要なエラーメッセージが表示されることがあります。Oracle バイナリファイルを高可用性ローカルファイルシステムまたはクラスタファイルシステムにインストールすると、これらのエラーメッセージが表示されます。Oracle バイナリファイルをインストールしたファイルシステムがマウントされるまで、メッセージは繰り返して表示されます。
エラーメッセージは次のとおりです。
INIT: Command is respawning too rapidly. Check for possible errors. id: h1 "/etc/init.d/init.cssd run >/dev/null 2>&1 >/dev/null" |
Waiting for filesystem containing $CRSCTL. |
x86 プラットフォームで Sun Cluster HA for Oracle を使用している場合は、UNIX Distributed Lock Manager (Oracle UDLM) が使用できないことに関する不要なエラーメッセージも表示されることがあります。
次のイベントが発生すると、これらのメッセージが表示されます。
ノードが非クラスタモードで実行されている。この場合、Sun Cluster が制御するファイルシステムがマウントされることはありません。
ノードをブートしている。この場合、Oracle バイナリファイルがインストールされているファイルシステムを Sun Cluster がマウントするまで、メッセージが繰返し表示されます。
Oracle のインストールが実行されていなかったノードまたはゾーンで、Oracleが起動されたか、あるいは失敗した。このような構成では、Oracle バイナリファイルは高可用性ローカルファイルシステムにインストールされます。この場合、Oracle のインストールが実行されたノードまたはゾーンのコンソールにメッセージが表示されます。
defaultプロジェクトは RGM がデータサービスを実行するためにを使用します。そのため default プロジェクトは Oracle に必要なリソースが含まれるように変更されます。Oracle を実行するために特定の SRM プロジェクトを使用したい場合は、プロジェクトを作成し、そのプロジェクトのシステムリソースを同じ手順で構成する必要があります。default に代わるプロジェクトの名前を指定します。リソースグループまたは Oracle サーバーのリソースを構成する場合、リソースグループまたはリソースの対応するプロパティーにそのプロジェクトの名前を指定します。
default プロジェクトの設定を表示します。
phys-X# prctl -i project default |
カーネルパラメータがまったく設定されていない場合や、いずれかのカーネルパラメータが Oracle に必要な最小値 (次の表を参照) に設定されていない場合は、パラメータを設定します。
phys-X# projmod -s -K "parameter=(priv,value,deny)" default |
Oracle のカーネルパラメータ |
必要な最小値 |
---|---|
process.max-sem-nsems |
256 |
project.max-sem-ids |
100 |
project.max-shm-ids |
100 |
project.max-shm-memory |
4294967295 |
これらのパラメータの詳細については、Oracle10g インストールガイドを参照してください。
新しい設定を確認します。
phys-X# prctl -i project default |