Communications Services の配備アーキテクチャーを設計する場合、配備に使用するさまざまなコンポーネントの要件を考慮する必要があります。たとえば、Communications Services をほかの Java システム製品に統合するための技術要件がある場合は、対応するスキーマを選択する必要があります。同様に、たとえば、Communication Service が Directory Server にアクセスし、負荷を配置する方法などの製品間の依存性によって配備を選択する必要があります。
各製品の個々のコンポーネントを理解することにより、要件に最適なアーキテクチャーの種類を計画することができます。配備に応じて、次のコンポーネントの基本を理解し、計画する必要があります。
LDAP ディレクトリの情報ツリー
スキーマ (Schema)
Directory Server (Access Manager)
Messaging Server
メッセージ転送エージェント (MTA)
メッセージストア
Messaging マルチプレクサ (MMP)
Messaging Express マルチプレクサ (MEM)
Calendar Server
フロントエンド (Front End)
カレンダストア (Calendar Store)
Instant Messaging
Instant Messaging プロキシ
Instant Messaging バックエンド
Portal Server
Connector for Microsoft Outlook
Communications Express
複数のコンポーネント製品またはサービスを利用する Communications Services の配備を計画する場合、各コンポーネント製品 (またはサービス) 自体の構成を理解する必要があります。
図 3–1 は、別個のホストに配備できるコンポーネントに各サービスを分割する方法と、各コンポーネントが占める特定の層を示しています。単一のホストにすべてのコンポーネントを配備したり、同一のホストに特定のサービスのコンポーネントを配備したりすることもできますが、Tier (層) アーキテクチャーに移行することを検討してください。Tier (層) アーキテクチャーには、単一層の場合でも 2 層の場合でも多くの利点があります。詳細については、「単一層アーキテクチャーの利点」および 「2 層アーキテクチャーの利点」を参照してください。
この図では、クライアントコンポーネントは Outlook Connector プラグイン、Evolution などの thick クライアント、ブラウザ、および標準電子メールアプリケーションで構成されます。これらのコンポーネントは、エンドユーザーのクライアントコンピュータに配置されます。アクセス層のコンポーネントは、Messaging Server (MMP、MTA、MEM) 、Calendar Server、Communications Express (MEM と連結する必要がある)、Instant Messaging (Instant Messaging Proxy)、Portal Server (SRA および Core)、認証用の Access Manager、およびアドレス帳の検索を提供するコーポレートディレクトリのフロントエンドサービスで構成されます。データ層のコンポーネントは、Directory Server (本来はフロントエンドおよびバックエンドのコンポーネントから構成できる)、Messaging Server (メッセージストア)、Calendar Server (カレンダストア)、および Instant Messaging のバックエンドサービスで構成されます。SAN (Storage Area Network) の「雲形模様」は物理データストレージを表します。
この図で示されるコーポレートディレクトリは、コンポーネント製品そのものではありません。これは、クライアントがアドレス帳形式の検索を行うために、企業が通常アクセス層に配備するコーポレートディレクトリの「コピー」を表しています。
次の節では、これらのさまざまなコンポーネントを詳細に説明します。