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Sun Java System Application Server Enterprise Edition 8.1 2005Q1 管理ガイド

第 12 章
名前付き設定の管理

この章では、Application Server における名前付きサーバー設定の追加、変更、および使用について説明します。この章には次の節が含まれています。


名前付き設定について

名前付き設定

名前付き設定とは、一連のサーバー設定情報です。この情報には、HTTP リスナー、ORB/IIOP リスナー、JMS ブローカ、EJB コンテナ、セキュリティ、ロギング、および監視などの設定情報が含まれます。アプリケーションやリソースは、名前付き設定では定義されません。

設定は管理ドメインに作成されます。ドメイン内の複数のサーバーインスタンスが同じ設定を参照したり、別個の設定を使用したりできます。

クラスタでは、クラスタのインスタンスで均質の環境が確保されるように、クラスタ内のすべてのサーバーインスタンスがクラスタの設定を継承します。

名前付き設定には数多くの必須設定情報が含まれるため、既存の名前付き設定をコピーして新しい設定を作成します。設定情報を変更しないかぎり、新規に作成された設定はコピーした設定と同じです。

クラスタとインスタンスには、クラスタまたはインスタンスが設定を使用する方法に応じて次の 3 つのタイプがあります。

default-config 設定

default-config 設定は、スタンドアロンサーバーインスタンスまたはスタンドアロンクラスタの設定を作成するテンプレートとして機能する特殊な設定です。クラスタ化されていないサーバーインスタンスまたはクラスタは、default-config 設定を参照できません。この設定は、新しい設定を作成するためにコピーできるだけです。デフォルト設定を編集して、コピーした新しい設定が正しく初期設定されているかどうか確認します。

インスタンスまたはクラスタの作成時に作成された設定

新しいサーバーインスタンスまたは新しいクラスタを作成する場合は、次のどちらかを実行します。

デフォルトでは、default-config 設定からコピーした設定を使用して新しいクラスタまたはインスタンスが作成されます。別の設定からコピーするには、新規インスタンスまたはクラスタの作成時に設定を指定します。

サーバーインスタンスの場合、新しい設定には instance_name-config という名前が付けられます。クラスタの場合、新しい設定には cluster-name-config という名前が付けられます。

一意のポート番号と設定

同じホストマシン上の複数のインスタンスが同じ設定を参照する場合、各インスタンスは独自のポート番号を待機する必要があります。たとえば、ポート 80 の HTTP リスナーを使用する名前付き設定を 2 つのサーバーインスタンスが参照する場合、ポートの競合により、どちらかのサーバーインスタンスが起動できなくなります。一意のポートが使用されるように、個々のサーバーインスタンスが待機するポート番号を定義するプロパティを変更します。

ポート番号に次の原則を適用します。


名前付き設定に関する管理コンソールタスク

名前付き設定の作成

名前付き設定を作成するには、次の手順に従います。

  1. ツリーコンポーネントで、「設定」ノードを選択します。
  2. 「設定」ページで、「新規」をクリックします。
  3. 「設定の作成」ページで、一意の設定の名前を入力します。
  4. 設定を選択して、コピーします。
  5. default-config 設定は、スタンドアロンサーバーインスタンスまたはスタンドアロンクラスタを作成するときに使用するデフォルトの設定です。

同機能を持つ asadmin コマンド: copy-config

名前付き設定のプロパティの編集

名前付き設定を編集するには、次の手順に従います。

  1. ツリーコンポーネントで、「設定」ノードを開きます。
  2. 名前付き設定のノードを選択します。
  3. 「システムプロパティの設定」ページで、動的再設定を有効にするかどうかを選択します。
  4. 有効な場合は、設定に対する変更は、サーバーを再起動することなくサーバーインスタンスに適用されます。

  5. プロパティの追加、プロパティの現在の値の変更、またはプロパティの削除を実行します。
  6. すでに定義されているプロパティはポートです。複数のサーバーインスタンスがある場合、ポート番号は一意にする必要があります。

表 12-1 に、あらかじめ定義されたプロパティとその説明のリストを示します。

表 12-1 名前付き設定のプロパティ 

プロパティ名

説明

HTTP_LISTENER_PORT

このプロパティは、http-listener-1 のポート番号を指定します。有効な値は 1 〜 65535。UNIX で、ポート 1 〜 1024 を待機するソケットを作成する場合はスーパーユーザー権限が必要です。

HTTP_SSL_LISTENER_PORT

このプロパティは、http-listener-2 のポート番号を指定します。有効な値は 1 〜 65535。UNIX で、ポート 1 〜 1024 を待機するソケットを作成する場合はスーパーユーザー権限が必要です。

IIOP_SSL_LISTENER_PORT

このプロパティは、SSL と呼ばれる IIOP リスナーが待機する IIOP 接続の ORB リスナーポートを指定します。

IIOP_LISTENER_PORT

このプロパティは、orb-listener-1 が待機する IIOP 接続の ORB リスナーポートを指定します。

JMX_SYSTEM_CONNECTOR_PORT

このプロパティは、JMX コネクタが待機するポート番号を指定します。有効な値は 1 〜 65535。UNIX で、ポート 1 〜 1024 を待機するソケットを作成する場合はスーパーユーザー権限が必要です。

IIOP_SSL_MUTUALAUTH_PORT

このプロパティは、SSL_MUTUALAUTH と呼ばれる IIOP リスナーが待機する IIOP 接続の ORB リスナーポートを指定します。

  1. 設定に関連するすべてのインスタンスの現在のプロパティの値を編集するには、「インスタンス値」をクリックします。

同機能を持つ asadmin コマンド: set

設定を参照するインスタンスのポート番号の編集

名前付き設定を参照する各インスタンスは、最初にその設定からポート番号を継承します。ポート番号はシステムで一意である必要があるため、継承されたポート番号をオーバーライドする必要があります。

  1. ツリーコンポーネントで、「設定」ノードを開きます。
  2. 名前付き設定のノードを選択します。
  3. 「システムプロパティの設定」ページで、編集するポート番号の横にある「インスタンス値」をクリックします。
  4. たとえば、SSL-port プロパティの横にある「インスタンス値」をクリックすると、設定を参照するすべてのサーバーインスタンスの SSL-port の値が表示されます。

  5. ポートの値を変更して、「保存」をクリックします。

同機能を持つ asadmin コマンド: set

名前付き設定のターゲットの表示

名前付き設定のターゲットを表示するには、次の手順に従います。

  1. ツリーコンポーネントで、「設定」ノードを開きます。
  2. 名前付き設定のノードを選択します。
  3. 「システムプロパティの設定」ページに、設定を使用するすべてのターゲットのリストが表示されます。クラスタ設定の場合、これらのターゲットはクラスタです。インスタンス設定の場合、これらのターゲットはインスタンスです。

名前付き設定の削除

名前付き設定を削除するには、次の手順に従います。

  1. ツリーコンポーネントで、「設定」ノードを選択します。
  2. 「設定」ページで、削除する名前付き設定のチェックボックスにチェックマークを付けます。
  3. default-config 設定は削除できません。

  4. 「削除」をクリックします。

同機能を持つ asadmin コマンド: delete-config



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