Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.1 管理ガイド

マスターレプリカ上でのレプリケーションの有効化

マスターレプリカにはデータのマスターコピーが含まれ、更新を他のすべてのレプリカに配信する前に、すべての変更を集中的に管理します。マスターはすべての変更を記録し、関連する各コンシューマの状態を確認して、必要に応じて更新を送信します。マルチマスターレプリケーションでは、マスターレプリカが他のマスターから更新を受け取ることもあります。

マスターサーバーを設定するときは、マスターレプリカを含むサフィックスを決定し、マスターレプリカを有効にします。また、必要に応じてレプリケーションの詳細設定を行います。

次の節では、1 つのマスターサーバーを設定する方法を説明します。特定のマスターのレプリカサフィックスを含むすべてのサーバーで、同じ手順を繰り返してください。

Procedureマスターレプリカのサフィックスを作成する

  1. レプリケートするエントリを保存するマスターサーバー上でサフィックスを選択、または作成します。

    手順については、「サフィックスの作成」を参照してください。

    マルチマスター設定と初期化を正しく実行するため、データを含む 1 つのマスターのみを読み込みます。他のレプリケートされたサフィックスのデータは上書きされます。

Procedureマスターレプリカを有効にする

マスターのレプリケーションを有効にする場合は、レプリケーション ID を割り当てる必要があります。レプリケーション ID は、更新ステートメントの所有者を区別し、マルチマスターレプリケーションで発生する可能性のある競合を解決するために使用します。そのため、このサフィックスのすべてのマスターレプリカで、レプリケーション ID が一意である必要があります。レプリケーション ID は設定すると変更できません。

DSCC を使用してこの作業を実行できます。詳細は、「Directory Service Control Center のインタフェース」と DSCC のオンラインヘルプを参照してください。

  1. マスターのレプリカサフィックスを有効にします。


    $ dsconf enable-repl -h host -p port -d ReplicaID master suffix-DN
    

    ReplicaID は 1 から 65534 までの整数です。

    たとえば、レプリカ ID 1 でマスターのレプリカサフィックスを作成するには、次のコマンドを使用します。


    $ dsconf enable-repl -h host1 -p 1389 -d 1 master dc=example,dc=com

Procedureマスターレプリカの更新履歴ログ設定を変更する

マスターの詳細設定では、更新履歴ログ設定を変更する場合があります。

DSCC を使用してこの作業を実行できます。詳細は、「Directory Service Control Center のインタフェース」と DSCC のオンラインヘルプを参照してください。

  1. マスターの更新履歴ログ設定を変更する場合は、次のいずれかのコマンドを使用します。


    $ dsconf set-server-prop -h host -p port suffix-DN repl-cl-max-age:value
    

    $ dsconf set-server-prop -h host -p port suffix-DN repl-cl-max-entry-count:value