Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.1 管理ガイド

ディレクトリデータのみのバックアップ

バイナリデータのバックアップでは、あとでデータベースファイルが破損したり削除されたりする場合に使用できる、ディレクトリデータのコピーを保存できます。この操作では、設定データはバックアップされません。障害回復のために Directory Server 全体をバックアップする場合は、「障害からの回復」を参照してください。


注意 – 注意 –

バックアップの処理中には、サーバーを停止しないでください。

バックアップは、「削除の遅延」よりも頻繁に実行する必要があります。nsDS5ReplicaPurgeDelay 属性によって指定される削除の遅延は、更新履歴ログに対して内部削除操作を開始するまでの期間 (秒単位) です。デフォルトの削除の遅延は 604800 秒 (1 週間) です。更新履歴ログは、レプリケートが完了している、またはレプリケートが完了していない更新の記録を保持しています。

更新の頻度が削除の遅延より低い場合、バックアップを行う前に更新履歴ログの内容がクリアされてしまう可能性があります。この場合、バックアップからデータを復元しようとしても、バックアップ前にクリアされた更新記録は失われています。


この節で説明するバックアップ手順では、サーバーファイルのコピーがデフォルトで同じホスト上に格納されます。セキュリティー強化のために、このバックアップを別のマシンや別のファイルシステムにコピーして格納してください。

Procedureディレクトリデータをバックアップする

Directory Server を停止して dsadm backup コマンドを実行する必要があります。

DSCC を使用してこの作業を実行できます。詳細は、「Directory Service Control Center のインタフェース」と DSCC のオンラインヘルプを参照してください。

  1. ディレクトリデータをバックアップします。


    $ dsadm backup instance-path archive-dir
    

    次に例を示します。


    $ dsadm backup /local/ds /local/tmp/20051205

    注 –

    サーバーの稼働中は、dsconf backup コマンドを使用してディレクトリデータをバックアップできます。ただし、バックアップの実行中にディレクトリデータに変更を加えると、適切に復旧することが難しくなります。dsconf backup の使用時にこの問題を回避するには、レプリケーションのリフェラルを設定するか、サーバーを読み取り専用にします。


    dsadm コマンドと dsconf コマンドの詳細については、dsadm(1M) および dsconf(1M) のマニュアルページを参照してください。

Proceduredse.ldif ファイルをバックアップする

サーバーを復元する場合、dse.ldif 設定ファイルに、サーバーのバックアップ時と同じ設定情報を指定する必要があります。

  1. dse.ldif 設定ファイルをバックアップします。


    $ cp instance-path/config/dse.ldif archive-dir
    

    次の操作を実行すると、Directory Server は自動的に dse.ldif 設定ファイルのバックアップをディレクトリ instance-path/config に作成します。

    • Directory Server を起動すると、dse.ldif ファイルのバックアップが、dse.ldif.startOK というファイルに作成されます。

    • cn=config ブランチの内容を変更する場合は、サーバーが dse.ldif ファイルに変更を書き込む前に、ファイルが onfigディレクトリの dse.ldif.bak ファイルにバックアップされます。