Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.1 配備計画ガイド

冗長性の利点と欠点

高可用性ディレクトリサービスを提供するためのより一般的なアプローチは、冗長性のあるサーバーコンポーネントとレプリケーションの使用です。冗長ソリューションは通常、クラスタリングソリューションより安価であり、実装もより簡単です。また、これらのソリューションは一般に、管理も容易です。冗長ソリューションの一部としてのレプリケーションには、可用性以外にも多くの機能があることに注意してください。レプリケーションの主な利点は読み取り負荷を複数のサーバーにわたって分割できることですが、サーバー管理の点から見ると、この利点のためにオーバーヘッドが増えます。レプリケーションではまた、読み取り操作に関するスケーラビリティーと、正しく設計されている場合は、一定の制限内で書き込み操作に関するスケーラビリティーも提供されます。レプリケーションの概念の概要については、『Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.1 Reference』の第 4 章「Directory Server Replication」を参照してください。

障害の間に冗長システムが提供する可用性は、クラスタリングソリューションより劣る可能性があります。たとえば、負荷が 2 つの冗長性のあるサーバーコンポーネント間で共有されている環境を考えてみます。1 つのサーバーコンポーネントの障害によってもう一方のサーバーに過剰な負荷がかかり、それによって、クライアント要求へのこのサーバーの応答が遅くなることがあります。応答の遅さは、すばやい応答時間に依存しているクライアントには障害と見られる場合があります。つまり、サービスの可用性が (そのサービスが運用に入っているにもかかわらず)、クライアントの可用性の要件を満足しない可能性があります。