Sun Java System Web Server 6.1 SP10 リリースノート

機能および拡張機能

Sun Java System Web Server 6.1 では、以下の機能および機能拡張が提供されています。

Java Servlet 2.3 および JavaServer Pages (JSP) 1.2 のサポート

Sun Java Sytem Web Server 6.1 では、Java 2 Platform, Enterprise Edition (J2EETM) 準拠の Java Servlet 2.3 および JavaServer PagesTM (JSPTM) 1.2 技術仕様が実装されています。J2EE 準拠の Web コンテナにより、Java テクノロジ標準準拠の Web アプリケーションの設計と配備に必要な柔軟性と信頼性が提供されます。Web アプリケーションは、仮想サーバーごとに配備できます。

これらのテクノロジについては、次のリソースを参照してください。

サーブレットおよび JavaServer Pages の開発については、『Sun Java System Web Server 6.1 SP10 Programmer’s Guide to Web Applications』を参照してください。

J2SE プラットフォーム 1.5 JDK のサポート

Java 2 Platform Standard Edition (J2SETM) 1.5 は Sun Java System Web Server 6.1 SP10 とともにパッケージされています。J2SE 1.4 はサービス終了 (End of Service Life、EOSL) となり、推奨されません。このため、Web Server 6.1 SP10 をアップグレードまたはインストールすると、Java Development Kit JDKTM は Solaris、Linux、および Windows プラットフォーム向けに自動的にアップグレードまたはインストールされます。HP-UX および AIX プラットフォームの場合、Web サーバーにインストールする前に、それぞれのプラットフォームベンダーの Web サイトから JDK をダウンロードしてください。

Sun Java System Web Server の 64 ビット Solaris SPARC リリースには 64 ビット用 JDK が必要です。その他のすべてのプラットフォームでは、32 ビット用 JDK が必要です。

Web サーバーは、次の JDK バージョンについて実証済みです。

J2SE プラットフォーム 1.6 JDK のサポート

Sun Java System Web Server 6.1 は、Java 2 Platform, Standard Edition (J2SE) 1.6 をサポートしており、次の JDK バージョンについて実証済みです。

WebDAV のサポート

Sun Java System Web Server 6.1 は、WebDAV (Web-based Distributed Authoring and Versioning) プロトコルをサポートしています。以下の機能を利用した協調的 Web パブリッシングが可能です。

WebDAV は、コンテンツのメタデータ、ネームスペース管理、および上書き保護を統合的にサポートします。これらのテクノロジは、WebDAV をサポートする多くのオーサリングツールに組み込まれ、協同作業環境のための理想的な開発プラットフォームを提供します。

NSAPI フィルタのサポート

Sun Java System Web Server 6.1 では、NSAPI (NetscapeTM Server Application Programmer's Interface) フィルタをサポートするために、NSAPI が拡張されています。

NSAPI フィルタの利用により、HTTP 要求および応答ストリームをカスタム処理できます。この処理により、ある機能で、別の機能に提示されたコンテンツ、または別の機能によって生成されたコンテンツを遮断して、変更することが可能になります。たとえば、あるプラグインで、別の SAF (Server Application Function) によって生成された XML ページを遮断する NSAPI フィルタをインストールして、その XML ページをクライアントにとって適切な HTML、XHTML、または WAP ページに変換することができます。あるいは、NSAPI フィルタが、クライアントから受信したデータを、別のプラグインに提示する前に解凍することもできます。

NSAPI フィルタの詳細は、『Sun Java System Web Server 6.1 SP10 NSAPI Programmer’s Guide』を参照してください。

HTTP 圧縮のサポート

Sun Java System Web Server 6.1 は、コンテンツ圧縮をサポートしています。この機能により、コンテンツ量に合わせてハードウェアコストを増加させることなく、クライアントへの配信スピードを速め、より多くのコンテンツを提供できるようになります。コンテンツ圧縮により、コンテンツのダウンロード時間が減少します。これは、ダイアルアップ接続やトラフィックの多い接続を使用するユーザーにとって非常に重要な利点です。

詳細は、『Sun Java System Web Server 6.1 SP10 Administrator’s Guide』を参照してください。

HTTP PUT および DELETE の無効化

この節では、PUT および DELETE オプションを無効にする方法について説明します。

ProcedureHTTP PUT および DELETE の無効化

  1. 管理コンソールにアクセスします。

  2. サーバーのリストからサーバーを選択して、「Manage」ボタンをクリックします。

  3. Preferences」タブ内の「Restrict Access 」リンクをクリックします。

  4. ドロップダウンリストから「Edit」オプションを選択して、「OK」ボタンをクリックします。

  5. 「A method」テーブルから「The entire server」オプションを選択して、「Edit Access Control」ボタンをクリックします。

  6. 「Rights」列のアクセス権限 (r-x--i) リンクをクリックします。

    画面下部に「Access Rights」テーブルが表示されます。

  7. 「WRITE」および「DELETE」オプションの選択を解除します。

  8. Update」ボタンをクリックします。

  9. Submit」ボタンをクリックします。

  10. 画面右側の「Apply」リンクをクリックしてから「Apply Changes」ボタンをクリックして、変更を永続的にします。

  11. 変更内容を有効にするために、サーバーを再起動します。

検索エンジンのサポート

Sun Java System Web Server 6.1 は、フルテキストの検索インデックス作成と検索を提供する Java 検索エンジンをサポートしています。検索機能を使用すると、ユーザーはサーバー上のドキュメントを検索して、結果を Web ページに表示できます。サーバー管理者は、ユーザーが検索対象とするドキュメントのインデックスを作成し、固有のニーズに合わせて検索インタフェースをカスタマイズできます。

検索機能にアクセスするためのデフォルトのURL は、http:// server-instance:port number/search です。

次に例を示します。

http://plaza:8080/search

ユーザーがこの URL にアクセスすると、Java Web アプリケーションである「検索」ページが開きます。

基本および高度な検索機能の詳細な手順については、検索エンジンに付属のオンラインヘルプを参照してください。オンラインヘルプにアクセスするには、「検索」ページの「ヘルプ」リンクをクリックしてください。詳細は、『Sun Java System Web Server 6.1 SP10 Administrator’s Guide』を参照してください。

強化されたセキュリティー

Sun Java System Web Server 6.1 では、Java セキュリティーマネージャーによってフラットファイル認証を使用し、アクセスを制限できます。セキュリティーマネージャー機能を有効にすると、J2EE Web アプリケーションに与える権限を制限することにより、セキュリティーを向上させることができます。セキュリティーマネージャーは、製品のインストール時にはデフォルトで無効になっています。セキュリティーマネージャーを有効にするには、server.xml ファイル内のエントリのコメントを外します

<JVMOPTIONS>-Djava.security.manager</JVMOPTIONS>

<JVMOPTIONS>-Djava.security.policy=instance-dir/config/server.policy</JVMOPTIONS>

ここで、instance-dir は、このサーバーインスタンスのインストールディレクトリへのパスです。

server.xml の詳細については、『Sun Java System Web Server 6.1 SP10 Administrator’s Configuration File Reference 』を参照してください。

JNDI のサポート

Sun Java System Web Server 6.1 は、JNDI (Java Naming and Directory InterfaceTM) API をサポートします。JNDI により、多種多様なエンタープライズのネーミングサービスおよびディレクトリサービスへのシームレスな接続が可能になります。

JDBC のサポート

Sun Java System Web Server 6.1 には、JDBCTM (Java DataBase Connectivity) ソフトウェアが含まれ、業界標準の JDBC ドライバからカスタマイズされた JDBC ドライバまで幅広くサポートしています。

Sun Java Studio Enterprise のサポート

Sun Java System Web Server 6.1 は、Sun Java Studio Enterprise 8 をサポートします。Sun Java Studio テクノロジは、Java テクノロジ開発者のために Sun が提供する、強力で拡張可能な統合開発環境 (IDE) です。Sun Java Studio 5 は NetBeansTM ソフトウェアをベースにしており、Sun Java プラットフォームと統合されています。

Sun Java Studio は、Sun Java System Web Server 6.1 でサポートされるすべてのプラットフォームで利用できます。Web サーバー用のプラグインは、次の方法で入手できます。


注 –

Sun Java System Web Server 6.1 SP10 の Sun Java Studio 8 プラグインは、ローカルの Web サーバーでのみ動作します。つまり、IDE と Web サーバーは同じマシン上にインストールする必要があります。


Sun Java Studio 8 での Web アプリケーション機能の使用については、http://developers.sun.com/prodtech/javatools/jsenterprise/learning/tutorials/index.html を参照してください。 Sun Java System Web Server 6.1 SP10 インスタンスをデフォルトに設定してから、チュートリアルで説明されている操作を実行してください。

http://www.netbeans.org/kb/ にある NetBeans のチュートリアルも参照してください。

Sun Java Studio 8 の詳細は、http://www.sun.com/software/sundev/jde/ を参照してください。

開発者向けの追加リソースについては、「その他の情報」を参照してください。

デバッグのための Sun Java Studio Enterprise 8 の使用

デバッグモードで起動したリモート Web サーバーに IDE を手動で接続すると、Sun Java Studio Enterprise 8 をリモートデバッグ用に使用できます。

  1. Sun Java System Web Server 管理インタフェースを使用して、デバッグモードでサーバーインスタンスを再起動します (「Server Manager」>「JVM General」>「Debug Enabled」)。

  2. JPDA ポート番号を控えておきます。

  3. IDE を起動します。

  4. 「Debug」>「Start」を選択します。

  5. dt_socket メソッドを選択します。

  6. リモートマシン名および JPDA ポート番号を入力します。

    配備されたアプリケーションのサーブレットソースコード上で、IDE に作成されたブレークポイントがアクティブになります。

Active Server Pages のサポート

Sun Java System Web Server 6.1 SP10 は、Sun Java System Active Server Pages version 4.0.1 (以前の Sun ChiliSoft ASP) および version 4.0.2 を通じて Active Server Pages (ASP) 仕様をサポートします。Active Server Pages ソフトウェアは、Sun Java System Web Server にセキュリティー保護された企業レベルの ASP エンジンを追加します。Sun Java System Web Server 6.1 は、次のプラットフォームで Sun Java System Active Server Pages 4.0.2 および 4.0.3 をサポートします。

Sun Java System Web Server にインストールする場合は、Sun Java System Active Server Pages のライセンスは必要ありません。Sun Java System Active Server Pages インストーラは、Sun Java System Web Server メディアキットを購入した場合は付属 CD に含まれています。http://www.sun.com/software/chilisoft/index.html からダウンロードすることもできます。

次の事項に注意してください。

PHP 互換性

PHP: PHP (Hypertext Preprocessor) は、サポート対象の 3 つの API (CGI、NSAPI、および FastCGI) のいずれかを使用することで、Sun Java System Web Server で使用できます。PHP は、PHP グループから入手可能なページスクリプト言語です。サポート対象の 3 つの API のいずれかを使用して PHP ソフトウェアを設定する方法は、PHP グループの Web サイト (http://www.php.net) で詳細に説明されています。


注 –

PHP_FCGI_CHILDREN を使用する代わりに FastCGI アドオンの設定パラメータ min-procs で PHP プロセスの最小数を制御することをお勧めします。


NSS および NSPR のサポート

Sun Java System Web Server 6.1 では、NSS をサポートしています。このバージョンの Web サーバーに付属する NSS のバージョンは、32 ビットと 64 ビットいずれも 3.11.9.0 です。NSS は、セキュリティー対応サーバーアプリケーションのクロスプラットフォーム開発をサポートする一連のライブラリです。Sun Java System Web Server 6.1 SP10 には NSPR 4.7 も含まれています。

Web サーバーのパッチをインストールする前に、JES 共有コンポーネントパッチおよび NSS パッチをインストールしてください。

6.1 SP5 から SP10 など、Web サーバーの JES バージョンをアップグレードするとき、Web サーバーパッチは累積的なので、Web サーバーの SP10 パッチのインストールのみで十分です。

以前のパッケージベースのバージョンの Java Enterprise System (Java ES) から Sun Java System Web Server 6.1 SP10 にアップグレードする場合は、次の NSS パッチをインストールしてください。


注 –

この場合、Solaris SPARC 8/9/10 用の NSS パッチ 125358-xx は適用しないでください。このパッチは、Sun Java System Web Server 6.1 Service Pack をバンドルする Java Enterprise System (Java ES) を対象としないためです。


強化されたハードウェアアクセラレータ暗号化のサポート

Sun Java System Web Server 6.1 は、Web サーバーでの SSL のパフォーマンスを向上させる SunTM Crypto Accelerator 500、1000、4000、6000 のハードウェアアクセラレータボードをサポートしています。


注 –

Web サーバーの使用時に Sun Crypto Accelerator カードを初期化します。 SunTM Crypto Accelerator の詳細については、http://docs.sun.com/source/820-4144-11/1_overview.html の『Sun Crypto Accelerator 6000 Board Version 1.1 User's Guide』を参照してください。


64 ビットのサポート

32 ビット Solaris SPARC に対する既存のサポートを補完するために、Sun Java System Web Server 6.1 SP10 では 64 ビット Solaris SPARC もサポートしています。

64 ビットリリースは、メモリーを大量に消費する配備環境でも利用できるため、管理者は 32 ビットリリースの場合よりも大きいファイルキャッシュや Java ヒープを設定できます。ただし既存のプラグインは 64 ビットリリースと互換性がありません。これらのプラグインは、プラグインベンダーによって 64 ビットリリース用に再コンパイルされる必要があります。ネイティブの非 Java ライブラリを使用する Java Web アプリケーションも再コンパイルする必要があります。このため、32 ビットリリースの Sun Java System Web Server を配備するほうがよい場合もあります。

Sun Java System Web Server 6.1 SP10 では、FastCGI、Reverse Proxy、および Java Web Services Developer Pack (JWSDP) プラグインの 64 ビットサポートも提供しています。

64 ビットリリースは、UltraSPARC® プロセッサ上の 64 ビット Solaris カーネルと互換性があります。64 ビットリリースは x86 プロセッサ上で使用したり、32 ビット Solaris カーネルとともに使用したりすることはできません。32 ビットリリースは、32 ビットと 64 ビットの両方の Solaris カーネルとの互換性が継続されます。


注 –

64 ビットおよび 32 ビットリリースの Sun Java System Web Server は、別々にパッケージされて配布されます。既存の 32 ビット Sun Java System Web Server インストール環境を 64 ビットインストール環境にアップグレードすることはできません。32 ビットと 64 ビットのリリースは、インストーラ、サーバー起動時、およびサーバーエラーログに表示される次のバージョン文字列で区別できます。


予約解除 

バージョン文字列 

32 ビット 

Sun ONE Web Server 6.1SP10 

64 ビット 

Sun ONE Web Server 6.1SP10 (64 ビット) 

Solaris PKCS #11 のサポート

外部の PKCS#11 トークンを Web サーバーの SSL サブシステム (NSS) で使用するには、modutil コマンドを使用して、トークンを認識するように NSS を設定する必要があります。Solaris libpkcs11 ソフトトークンは、PKCS#11 準拠のトークンで、NSS で使用できます。UltraSPARC-T1 による追加の利点として、Solaris 10 の libpkcs11 タスクを使用するシステムでは、プラットフォームの暗号化アクセラレーションサポートを利用します。

使用方法の情報を得るには、引数なしで modutil コマンドを実行します。たとえば NSS で Solaris 10 libpkcs11 タスクを PKCS11 トークンとして追加するには、次の手順に従います。

  1. Web サーバーインスタンスの SSL サポートが初期化されたことを確認します。

  2. 次のコマンドを実行します。

    % modutil -dbdir $ALIASDIR -dbprefix $PREFIX -add libpkcs -libfile /usr/lib/libpkcs11.so -mechanisms RSA

    次に、各引数について説明します。

    • $ALIASDIR は、NSS データベースファイルが存在する、インストールルートに対する alias ディレクトリのパスです。

    • $PREFIX は、エイリアスディレクトリの key3 および cer8 データベースファイルで使用されるプレフィックスで、https-$INSTANCENAME- という形式です。

    -mechanisms フラグは、このトークンを指定されたアルゴリズムの優先初期プロバイダにします。

  3. すべての機構のリストを得るには、引数なしで modutil コマンドを実行します。

  4. pktool を使用して libpkcs11 プロバイダのパスワードを初期化します。

    % pktool setpin

    NSS の設定の詳細については、libpkcs11(3LIB)、pkcs11_softtoken(5)、および pktool(1) のマニュアルページを参照してください。modutil の詳細については、http://www.mozilla.org/projects/security/pki/nss/tools/modutil.html を参照してください。

ローカライズされたバージョンのサポート

Sun Java System Web Server 6.1x のローカライズバージョンを使用している場合は、既存のサーバーに Sun Java System Web Server 6.1 SP10 をインストールすることで、既存のローカリゼーション機能を利用できます。Sun Java System Web Server 6.1 SP10 は、日本語、簡体字中国語、繁体字中国語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、韓国語で利用できます。