Sun GlassFish Enterprise Server 2.1 高可用性 (HA) 管理ガイド

クラスタの概要

クラスタは、同じアプリケーション、リソース、および設定情報を共有するサーバーインスタンスの集まりに名前を付けたものです。異なるマシン上のサーバーインスタンスを 1 つの論理クラスタにまとめ、それらのインスタンスを 1 つの単位として管理できます。マルチマシンクラスタのライフサイクルは、DAS を使用して容易に制御できます。

インスタンスはクラスタにグループ化できます。アプリケーションを単一配備のクラスタのすべてのインスタンスに分散できます。クラスタは動的です。インスタンスが追加または削除されると、変更は自動的に処理されます。

クラスタにより、水平方向のスケーラビリティー、負荷分散、およびフェイルオーバー保護が使用可能になります。定義により、クラスタ内のすべてのインスタンスに対してリソースとアプリケーションの設定は同じになります。あるサーバーインスタンスまたはクラスタ内のあるマシンに障害が起きると、ロードバランサは障害を検出し、障害の起きたインスタンスからクラスタ内のほかのインスタンスにトラフィックをリダイレクトし、ユーザーセッションの状態を回復します。クラスタ内のすべてのインスタンス上には同一のアプリケーションとリソースがあるため、インスタンスはクラスタ内のほかのどのインスタンスにも処理を継続させることができます。

クラスタインスタンスはリングトポロジの形式に構成されています。リング内の各メンバーは、リング内の次のメンバー (レプリカパートナー) にインメモリー状態データを送信し、前のメンバーから状態データを受信します。いずれかのメンバーで状態データが更新されると、リング全体でレプリケートされます。リングトポロジでメンバーに障害が発生すると、リングは切断されます。グループ管理サービス (GMS) で、メンバーの障害を認識できます。その場合、レプリケーションフレームワークはクラスタのトポロジを作り直して、メンバーにその変更を通知します。メンバーはそのレプリカパートナーが消えたことを認識すると、稼働中のメンバーから新しいパートナーを選択します。