Sun GlassFish Enterprise Server 2.1 高可用性 (HA) 管理ガイド

HTTP ロードバランサの配備

ロードバランサは、目標や環境に応じて、以下の節で説明している各種の方法で設定できます。

クラスタ化されたサーバーインスタンスの使用

ロードバランサを配備するためのもっとも一般的な方法は、サーバーインスタンスのクラスタ (1 つまたは複数) を使用する方法です。デフォルトでは、クラスタ内のすべてのインスタンスは同じ設定を持ち、同じアプリケーションが配備されています。ロードバランサは、サーバーインスタンスの間でワークロードを分散させ、正常でないインスタンスから正常なインスタンスへのフェイルオーバーを要求します。HTTP セッション持続性を設定している場合は、要求が処理を引き継がれるとセッション情報は保持されます。

複数のクラスタがある場合、要求はクラスタ間で負荷分散されますが、要求のフェイルオーバーは単一クラスタ内のインスタンス間でのみ行われます。ロードバランサで複数のクラスタを使用すると、アプリケーションの順次アップグレードが容易に可能になります。詳細については、「可用性を低下させないアプリケーションのアップグレード」を参照してください。


注 –

クラスタ間およびスタンドアロンインスタンス間で要求を負荷分散することはできません。


複数のスタンドアロンインスタンスの使用

複数のスタンドアロンインスタンスを使用するようにロードバランサを設定し、要求をそれらのインスタンス間で負荷分散したりフェイルオーバーしたりすることも可能です。ただし、この設定では、それぞれのスタンドアロンインスタンスに同種の環境が確保され、同じアプリケーションが配備されていることを手動で確認する必要があります。クラスタでは自動的に同種の環境が維持されるため、ほとんどの状況では、クラスタの使用がより適切で、より容易な方法です。