Sun GlassFish Enterprise Server 2.1 高可用性 (HA) 管理ガイド

HTTP ロードバランサプラグインの機能

ロードバランサの次の機能により、柔軟性と使いやすさが向上します。

自動適用

Enterprise Server では、管理コンソールで行なったロードバランサ設定の変更を、ネットワーク経由で自動的に Web サーバーの構成ディレクトリに送信できます。Enterprise Server の以前のバージョンでは、ロードバランサ設定をエクスポートしてから、Web サーバーの構成ディレクトリにコピーする必要がありました。

重み付きラウンドロビン

ロードバランサでは、HTTP 要求の配信の改良を実現しています。管理者は「重み」と呼ばれる属性を使用して、重みに比例した形で要求をインスタンスにルーティングする方式を指定できます。たとえば、クラスタに 2 つのインスタンスがあり、管理者はインスタンス x に対して 100、インスタンス y に対して 400 の重みをそれぞれ設定しているとします。この場合、100 の要求があると、20 の要求がインスタンス x に、80 の要求がインスタンス y に送られます。

ユーザー–定義の負荷分散

Enterprise Server では、HTTP 要求の分散に関するカスタムポリシーを管理者が定義できます。カスタムポリシーでは、ロードバランサプラグインが使用しなければならない負荷分散アルゴリズムを定義します。言い換えると、どのインスタンスが HTTP 要求を処理するかを管理者が定義できます。この機能を使用するには、管理者は共有ライブラリを作成する必要があります。共有ライブラリでは、loadbalancer.h というインタフェースを実装する必要があります。たとえば、共有ライブラリを使用すると、受け取った着信要求のヘッダーを評価し、その要求を処理できるインスタンスを何らかの基準に従って選択することができます。この共有ライブラリはロードバランサによって読み込まれます。

インタフェース loadbalancer.h は、webserver_install_dir/plugins/lib/install にあります。Enterprise Server には、共有ライブラリの roundrobin.c も付属しています。管理者はこのライブラリをテンプレートに使用して、共有ライブラリを構築できます。