Sun ONE Application Server 7 インストールガイド |
第 1 章
インストールの準備SunTM Open Net Environment (Sun ONE) Application Server Upgrade ソフトウェアは、システムやロール、サイトのニーズに応じてさまざまな方法で配布、インストールされます。この章では、製品のソフトウェアコンポーネント、選択できる範囲と制限事項、および Sun ONE Application Server 環境のシステム要件について説明します。
ここでは次の項目について説明します。
インストールに関する最新情報については、『Sun ONE Application Server リリースノート』を参照してください。
インストール後に Sun ONE Application Server ソフトウェアを設定する方法については、『Sun ONE Application Server 管理者ガイド』を参照してください。
次の Web ページには、技術情報、ディスカッションフォーラム、ツールとユーティリティ、製品のダウンロードなど、役に立つ情報が用意されています。
http://wwws.sun.com/software/products/appsrvr/home_appsrvr.html
http://wwws.sun.com/software/download/app_servers.html
Sun ONE Application Server のインストールについてSun ONE Application Server 製品は多くのソフトウェアコンポーネントで構成され、これらのコンポーネントが連動して Sun ONE Application Server の機能を生み出します。インストールには、次のようにさまざまな選択肢があります。
この節では次の項目について説明します。
インストールコンポーネント
Sun ONE Application Server のインストールコンポーネントについては、次の各節で簡単に説明します。
サポートされているコンポーネントバージョンについては、『Sun ONE Application Server リリースノート』を参照してください。
Sun ONE Application Server
この節で説明するとおり、Sun ONE Application Server ソフトウェア製品のコアコンポーネントが含まれています。Sun ONE Application Server の機能の詳細は、『Sun ONE Application Server の新機能』を参照してください。
エディション
UNIX 環境と Microsoft Windows 環境のさまざまなニーズに対応できるように、次の 2 種類の Sun ONE Application Server が用意されています。
Platform Edition および Standard Edition では、単一マシンおよび複数のマシンの複数層への配備がサポートされます。Platform Edition では、管理ドメインごとにアプリケーションサーバーインスタンス (単一の JVM プロセス) を 1 つしかサポートできません。これに対して、Standard Edition では、複数のアプリケーションサーバーインスタンスを構成できます。
Standard Edition では、同一の Web サーバーインスタンスで受信した HTTP/HTTPS トラフィックを中間層の複数のアプリケーションサーバーに分割できるように、Web 層のサポートが拡張されています。これらのエディションでは、プラグインによるロードバランスはサポートされません。Standard Edition の評価版には 60 日の試用期間があり、その後は完全なライセンスを備えた開発版として使用することができます。
管理
管理インタフェースとコマンド行インタフェースは、Sun ONE Application Server コンポーネントのインストール時に自動的にインストールされます。管理インタフェース (管理コンソール) が起動すると、Sun ONE Application Server グラフィカルインタフェースの初期ページが表示されます。
グラフィカルインタフェースでもコマンド行インタフェース (ブラウザ) でも、サーバーとその管理下に置かれるアプリケーションを管理および設定できます。アプリケーションを配備することもできます。
『Sun ONE Application Server 管理者ガイド』に記載されている管理ツールの詳細な使用方法については、管理インタフェースのオンラインヘルプと、asadmin のマニュアルページを参照してください。
管理クライアント
管理クライアントは、Sun ONE Application Server の独立したコマンド行コンポーネントです。Sun ONE Application Server コンポーネントのインストール時に自動的にインストールされます。
Sun ONE Application Server がインストールされていない場合でも、このクライアントのコマンド行バージョンを別途インストールすることもできます。そのためには、インストール時に Sun ONE Application Server コンポーネントではなく Sun ONE 管理クライアントコンポーネントだけを選択してください。
Sun ONE Message Queue
Sun ONE Message Queue ソフトウェアは、JMS (Java Message Service) 仕様の製品版実装です。Sun ONE Application Server ソフトウェアのインストール時に自動的にインストールされます。
Sun ONE Message Queue は次の 3 つの主要コンポーネントで構成されています。
UNIX 用のパッケージベースでないバージョンと、Microsoft Windows 用のすべてのバージョンで、Sun ONE Message Queue は Sun ONE Application Server とともに自動的にインストールされます。インストール先は install_dir/imq です。
サポートされている Message Queue のコンポーネントバージョンについては、『Sun ONE Application Server リリースノート』を参照してください。
PointBase
PointBase は、Sun ONE Application Server プラットフォームがサポートするデータベースです。また、クライアントサーバーネットワークのアプリケーションを対象とした pure Java RDBMS (Relational Database Management System) です。電子商取引やアプリケーションサーバー向けの信頼性の高いスケーラブルなデータベースとして使用できます。
PointBase のインストール先は install_dir/pointbase です。
サポートされている PointBase のコンポーネントバージョンについては、『Sun ONE Application Server リリースノート』を参照してください。
サンプルアプリケーション
Sun ONE Application Server ソフトウェアのインストール時に、60 以上のサンプルアプリケーションがインストールされます。すべてのサンプルには、ソース、スキーマ、Ant ビルドスクリプト、EAR ファイルが付属しています。データベース関連サンプルの既存のデータは、PointBase で使用できます。これらのサンプルアプリケーションは、次のように分類できます。
サンプルアプリケーションのインストール先は、install_dir/samples です。
サンプルの詳細については、次のファイルを参照してください。
Sun ONE Studio
Sun ONE Studio (旧称 Forte for Java) では、Java ベースの Web サービスを作成し、配備することができます。
Sun ONE Application Server プラットフォームは Sun ONE Studio をサポートしているため、ユーザーは Sun ONE Application Server ソフトウェアを既存の Sun ONE Studio で使用できます。必要に応じて、Sun ONE Application Server のインストール時に既存の Sun ONE Studio のパスを指定するように要求されます。
サポートされている Studio のコンポーネントバージョンについては、『Sun ONE Application Server リリースノート』を参照してください。
Sun ONE Studio ファイルのインストール先は install_dir/studio4 です。
Java 2 Software Development Kit (J2SE)
Sun ONE Application Server 製品には、J2SE が必要です。これにより、J2SE プラットフォームで改良されたパフォーマンスおよび機能を利用できます。
開発版のインストール時に、システムにインストールされている J2SE のバージョンが適切であれば、その J2SE を使用するように指定することもできます。
注
Sun ONE Application Server は、Sun Microsystems 製の J2SE でのみ動作することが保証されています。サードパーティの J2SE 開発キットはバージョンに関係なくサポート対象外です。
UNIX 用の評価版と、Microsoft Windows 用の全てのバージョンでは、J2SE のインストール先は install_dir/jdk です。
Solaris にバンドルされていない評価版以外のバージョンと、Solaris 9 のバンドル版では、J2SE のインストール先は /usr/j2se です。
サポートされている Java 2 Software Development Kit のコンポーネントバージョンについては、『Sun ONE Application Server リリースノート』を参照してください。
インストール方法
Sun ONE Application Server ソフトウェアは 3 通りの方法でインストールできます。
グラフィカルインタフェース方式
グラフィカルインタフェースを使ってインストールを行う場合は、対話形式のグラフィカルなダイアログボックスが表示されます。オプションを指定せずにインストールプログラムを起動すると、デフォルトでこの動作モードになります。
グラフィカルインタフェースの詳細な使用方法については、「評価用インストール」および「製品の開発版のインストール」を参照してください。
コマンド行インタフェース方式
コマンド行インタフェースを使ってインストールを行う場合、グラフィカルインタフェースによるインストールと手順は同じですが、グラフィック対応の表示は行われません。対話形式のコマンド行モードを有効にするには、-console オプションを指定してインストールプログラムを起動します。
Telnet でリモートサーバーにアクセスしている場合は、コマンド行インタフェースを使って対話形式で製品をインストールできます。
サイレントモード
サイレントモードを使用すると、パラメータファイルに基づいてスクリプトによるインストールを実行できます。パラメータファイルは、グラフィカルインタフェースまたはコマンド行インタフェースによる標準の対話形式インストール時に作成されたものです。サイレントモードでは、Sun ONE Application Server は、ユーザーが何も操作を行わずにインストールされます。パラメータファイルを参照することで、対話形式でインストールされたコンポーネントは自動的にインストールされます。
サイレントモードの詳細な使用方法については、「サイレントモードでのインストール (非対話型)」を参照してください。
製品のインストールバージョン
用途に応じて、Sun ONE Application Server には評価用と開発用の 2 種類のバージョンが用意されています。
この節では次の項目について説明します。
製品の CD から、または Web サイトからダウンロードして、製品をインストールできます。Sun ONE Application Server 製品は、次の URL からダウンロードできます。
評価版
Sun ONE Application Server ソフトウェアを評価したり、購入前に製品を試用したい場合は、Sun ONE Application Server ソフトウェアの評価版をインストールします。評価版では、インストールするコンポーネントを選択することはできません。
製品の評価版をインストールする時、デフォルトでは、次のコンポーネントが自動的にインストールルートディレクトリにインストールされます。
評価用ライセンスは 60 日で自動的に失効します。Microsoft Windows では、このライセンスを開発用ライセンスにアップグレードできます。手順については、「ライセンス情報」を参照してください。
開発版 (評価版以外)
通常、開発者や管理者が使用するのは、評価用ではない開発用のインストールです。このインストールプログラムは、ダウンロードか、UNIX および Microsoft Windows 用の CD-ROM から入手できます。
Sun ONE Application Server 製品には、次のインストールコンポーネントが含まれています。
- Sun ONE Application Server とその管理ツール (グラフィカルツールとコマンド行ツール)
- Sun ONE Application Server 管理クライアント (コマンド行ツールのみ)
- Sun ONE Message Queue
- Java 2 Software Development Kit (J2SE), Standard Edition
- PointBase データベースサーバーと Type 4 JDBC ドライバ (Solaris 9 にバンドルされている Sun ONE Application Server では使用不可)
- サンプルアプリケーション
- Sun ONE Studio Enterprise Edition for Java サポート
このライセンスに有効期限はありません。ライセンスの詳細は、「ライセンス情報」を参照してください。
UNIX では、評価用ではないインストールは常にパッケージベースとなります。Sun ONE Application Server ソフトウェアの各種の配布方法については、「パッケージ化モデルとディレクトリ構造」を参照してください。
インストールバージョンのまとめ
次の表は、製品の評価版および開発版の機能についてまとめたものです。
パッケージ化モデルとディレクトリ構造
Sun ONE Application Server ソフトウェアが 1 つのルートディレクトリパスにインストールされるか、あるいは複数のルートディレクトリパスにまたがってインストールされるかは、インストールする製品の形態によって異なります。
Solaris 9 でのバンドル版のインストール
Solaris 環境で Solaris 9 のインストール時にパッケージベースの Sun ONE Application Server を同時にインストールすると、複数のルートディレクトリにまたがって Sun ONE Application Server ソフトウェアがインストールされます。
- /usr/appserver には、インストールイメージの静的な要素が保存されます。アプリケーションサーバーを構成するユーティリティ、実行可能ファイル、およびライブラリは、すべてここに保存されます。パッチのインストールや、製品のアップグレードを行なった場合を除き、この領域に保存された内容が変化することはありません。このディレクトリには次のサブディレクトリがあります。
- /etc/appserver/ には、ライセンスやそのインストール用に設定した管理ドメインのマスターリストなど、インストール全体に適用される設定情報が保存されます。
- /var/appserver/domains は、作成した管理ドメインが保存されるデフォルト領域です。
UNIX でのパッケージベースのインストール
UNIX でのパッケージベースのモデルによるインストールでは、コンポーネントがパッケージとしてインストールされます。
デフォルトの設定では、パッケージベースで Sun ONE Application Server 製品をインストールすると、一括インストールの場合と同様に 3 つのルートディレクトリにまたがって製品がインストールされます。
Microsoft Windows 環境でのインストールと評価版のインストール
Microsoft Windows 環境での、パッケージベースでない評価版のインストールでは、Sun ONE Application Server は 1 つのディレクトリパスにインストールされます。デフォルトのディレクトリは次のとおりです。
いずれの場合も、ルートのインストールディレクトリの下に /config ディレクトリと /domains ディレクトリが作成されます。
マニュアルの参照方法Sun ONE Application Server のマニュアルは、様々な方法で入手できます。