Sun ONE Instant Messaging 6.1 インストールガイド |
第 1 章
インストールの準備この章では、Sun ONE Instant Messaging のインストールと設定の計画について簡単に説明します。この章には、次の節が含まれます。
製品の概要Instant Messaging は、次のコンポーネントで構成されます。
インストールの概要Solaris で Sun ONE Instant Messaging をインストールするには、Java Enterprise System インストーラを使用します。Linux および Windows では、それらのメディアキットの CD に含まれている setup プログラムを使用します。オプションとして、次のサイトからソフトウェアをダウンロードすることもできます。
http://www.sun.com/software/download/
Instant Messaging の製品とドキュメントには、インストールの実行とアップグレード、サーバーの設定、クライアントの設定などのための手順とツールが含まれています。ソフトウェアをインストールする前に、これらのインストールや設定の手順についても、本書をよくお読みください。
インストールの前に、ソフトウェアをインストールする予定のシステムが製品の最低要件を満たしているかどうか確認する必要があります。さらに、Instant Messaging のコンポーネントや配備オプションに関する一般的な知識も必要です。また、インストールプロセスを開始する前に、ソフトウェアコンポーネントをどのように配備し、設定するかを計画しておくことをお勧めします。ハードウェアやソフトウェアの要件およびサポートされているバージョンについては、『Sun ONE Instant Messaging リリースノート』を参照してください。
Instant Messaging をインストールする前に、ディレクトリサーバー、Web サーバー、およびメッセージングサーバー (オプション) をインストールする必要があります。Solaris では、Sun ONE Identity Server と Sun ONE Portal Server もインストールする必要があります (Instant Messaging でそれらのサーバーが提供する機能を使用する場合)。他のサーバーとの相互運用については、「他のサーバーへの依存性」に説明してあります。また、「配備の例」には Instant Messaging の各種機能を有効にする際に参考となるインストール例がいくつか紹介してあります。
他のサーバーへの依存性配備や使用する Instant Messaging の機能に応じて、場合によっては Instant Messaging コンポーネントのほかに追加のソフトウェアをインストールする必要があります。Instant Messaging には、次の依存性があります。
Web サーバーは、Instant Messaging リソース (クライアントファイルや、クライアントとサーバーのオンラインヘルプなど) のホストとして動作します。
これらのリソースは、Web サーバーの doc ルートにインストールします。doc ルート内のリソースの格納場所によって、リソースの URL が定義されます。この URL は、コードベース (codebase) とも呼ばれます。たとえば、Web サーバー www.example.com がポート 89 で待機しており、この Web サーバーの doc ルートが /opt/web/ であり、Messenger リソースを /opt/web/im にインストールするとします。この場合、Messenger リソースのコードベースは、http://www.example.com:89/im/ となります。
Web サーバーのインストールと設定の手順については、Web サーバーのマニュアルを参照してください。Sun ONE Web Server Enterprise Edition のインストールと設定の方法については、次のサイトにあるマニュアルを参照してください。
http://docs.sun.com/db/prod/s1websrv?l=ja
Solaris で Sun ONE Portal Server を使用する場合は、Web サーバーのインストールを個別に実行する必要はありません。代わりに、Portal Server のインストール中に、Sun ONE Web Server をインストールするよう要求されます。
Sun ONE Web Server のインストール手順については、『Sun ONE Web Server インストールガイド』および『Java Enterprise System インストールガイド』を参照してください。
- LDAP ディレクトリサーバー (必須)
ディレクトリサーバーは、Instant Messaging のユーザー認証を行い、Instant Messaging によって使用される、ユーザー、グループ、および組織に関するすべての情報を含んでいます。
Instant Messaging をインストールする前に、Sun ONE Directory Server などの LDAP ディレクトリサーバーをインストールして設定しておく必要があります。Solaris で Sun ONE Identity Server を使用してユーザーを認証する場合は、ディレクトリサーバーのインストールを個別に実行する必要はありません。代わりに、Identity Server のインストール中に、Sun ONE Directory Server をインストールするよう要求されます。
Sun ONE Directory Server のインストール手順については、『Sun ONE Directory Server インストールガイド』および『Java Enterprise System インストールガイド』を参照してください。
Sun ONE Directory Server のインストールと設定の方法については、次のサイトにあるマニュアルを参照してください。
http://docs.sun.com/prod/s1dirsrv?l=ja
- SMTP メッセージングサーバー (オプション)
メッセージングサーバーは、オフラインのユーザー用の電子メール通知を有効にするために使用します。
メッセージングサーバーは、メッセージの電子メール通知をオフラインのユーザーに送信する場合にのみインストールする必要があります。ユーザーは、オフラインのときにインスタントメッセージが指定の電子メールアドレスに送信されるように選択することができます。メッセージングサーバーは、メッセージをユーザーの電子メールアドレスに送信するために必要です。Instant Messaging 用のメッセージングサーバーを個別にインストールする必要はなく、既存のメッセージングサーバーを使用するように Instant Messaging を設定できます。
Sun ONE Messaging Server のインストールと設定の方法については、次のサイトにあるマニュアルを参照してください。
http://docs.sun.com/prod/s1msgsrv?l=ja
Sun ONE Messaging Server のインストール手順については、『Sun ONE Messaging Server インストールガイド』および『Java Enterprise System インストールガイド』を参照してください。
Identity Server を使用すると、次の機能が有効になります。
シングルサインオンを使用する場合は、Identity Server をインストールする必要があります。このためには、さらに Identity Server によって使用されるディレクトリを使用するように認証を設定する必要もあります。この場合は、Instant Messaging に対して別のディレクトリサーバーをインストールするのではなく、このディレクトリを使用してください。
Identity Server をインストールする場合は、ディレクトリサーバーや Web サーバーを個別にインストールする必要はありません。代わりに、Identity Server のインストール中に、これらのサーバーをインストールするよう要求されます。
Sun ONE Identity Server のインストールと設定の方法については、次のサイトにあるマニュアルを参照してください。
配備の例配備内に実装する機能に応じて、異なるサーバーをインストールする必要があります。たとえば、電子メール通知に対応させる場合は SMTP サーバーをインストールする必要がありますが、電子メール通知に対応させない場合は、SMTP サーバーは不要です。ここでは、機能セットに基づいたいくつかの配備オプションについて説明します。サポートされているソフトウェアやバージョンについては、『Sun ONE Instant Messaging リリースノート』を参照してください。Instant Messaging と相互に運用されるサーバーの詳細については、「他のサーバーへの依存性」を参照してください。
基本的な Instant Messaging のインストール
このオプションでは、インスタントのチャット、ニュース、アラート、会議など、Instant Messaging の基本的な機能を提供します。この基本的な機能を使用するには、次のコンポーネントをインストールする必要があります。
電子メール通知付きの Instant Messaging
このオプションでは、基本的な Instant Messaging のインストールと同じ機能を提供しますが、そのほかにオフラインのユーザーへの電子メール通知もサポートしています。この機能を使用するには、配備内に基本的な Instant Messaging のインストールに示したサーバーのほかに、Sun ONE Messaging Server などの SMTP サーバーもインストールする必要があります。この機能を有効にするために、インストール中に Instant Messaging で使用する SMTP サーバーを特定するよう要求されます。SMTP サーバーをインストールしていない場合は、Instant Messaging ソフトウェアをインストールする前にインストールする必要があります。
ID ベースサーバーのポリシー管理またはシングルサインオン付きの Instant Messaging (Solaris のみ)
このオプションでは、基本的な Instant Messaging のインストールと同じ機能を提供しますが、そのほかに Sun ONE Identity Server のポリシー機能とシングルサインオンも利用できます。この機能を使用するには、配備内に基本的な Instant Messaging のインストールに示したサーバーのほかに、Sun ONE Identity Server もインストールする必要があります。さらに、Instant Messaging サーバーのホストに Sun ONE Identity Server SDK をインストールする必要もあります。
この場合、Instant Messaging ではそのディレクトリを使ってユーザーを検索しますが、ユーザーの認証や承認は行いません。ユーザーの認証と承認は、Sun ONE Identity Server で行われます。
Portal ベースのセキュアモードまたはアーカイブ付きの Instant Messaging (Solaris のみ)
このオプションでは、基本的な Instant Messaging のインストールと同じ機能を提供しますが、そのほかにメッセージのアーカイブもサポートしており、セキュアモードで Instant Messaging を実行することもできます。この機能を使用するには、配備内に基本的な Instant Messaging のインストールに示したサーバーのほかに、Sun ONE Portal Server と Sun ONE Identity Server もインストールする必要があります。
必要に応じて、Identity Server によって使用されたディレクトリサーバーと Web サーバーを使用することもできます。その場合は、それらのサーバーのインスタンスを新たにインストールする必要はありません。
すべての機能が有効になっている Instant Messaging (Solaris のみ)
Instant Messaging をインストールし、この節で示したすべての機能を有効にすることができます。このためには、次のことを行う必要があります。