Solaris for ISPs 管理ガイド

Solaris for ISPs の属性

この項では、Solaris for ISPs の基本スキーマに追加されたオブジェクトクラスで使用する属性について説明します。その中には、基本スキーマに含まれる属性を使いやすくするものもあります。Solaris for ISPs のスキーマ拡張で追加された属性は名前が「isp」で始まります。

スキーマで定義されている属性は、次のいずれかの構文を持っています。

以下に、Solaris for ISPs で拡張された属性をアルファベット順に説明します。

associatedDomain 属性

要約: cis、複数値、基本スキーマ

目的: このエントリで記述するオブジェクトを関連付けるドメインを指定します。OSI ツリーにドメインエントリを作成するときに、それに対応する DC ツリー内のエントリ名をドット区切り形式 (たとえば、eng.sun.com) で指定する必要があります。

associatedName 属性

要約: dn、基本スキーマ

目的: このエントリに関連付けるエントリの識別名を指定します。DC ツリーにドメインエントリを作成するときに、それに対応する OSI ツリー内のエントリ識別名を指定する必要があります。

commonName 属性

代替名: cn

要約: cis、複数値、基本スキーマ

目的: このエントリで記述するオブジェクトの完全名を指定します。

加入者と管理者のエントリの場合は、Firstname Lastname (ユーザー ID) の形式で指定します。たとえば、jsmith というログイン名を使用する John Smith のエントリをディレクトリに作成するときは、commonName 属性値として John Smith (jsmith) を指定します。

ispManagedService オブジェクトクラスでこの属性を使用する場合は、Sun Internet Administrator の GUI に表示するわかりやすいサービス名を指定します。

description 属性

要約: cis、複数値、基本スキーマ

目的: エントリオブジェクトの説明を自由に記述します。

gidNumber 属性

要約: long、単一値、基本スキーマ

目的: UNIX のグループ ID を指定します。仮想ホストで FTP サービスを提供する加入者の場合は、その仮想ドメインに指定されたグループ ID でなければなりません。

homeDirectory 属性

要約: ces、単一値、基本スキーマ

目的: このエントリで記述するユーザーのホームディレクトリが存在するファイルシステムの位置を指定します。Solaris for ISPs ではこの属性を使用しませんが、顧客が必要とする一般情報の 1 つとして提供されています。

host 属性

要約: cis、複数値、基本スキーマ

目的: このエントリで記述するオブジェクトに関連付けられるマシン名、またはオブジェクトによって管理されるマシン名を指定します。Solaris for ISPs のオブジェクトエントリで使用する場合は、完全指定のホスト名でなければなりません。

ispAdministeredService 属性

要約: dn、複数値、Solaris for ISPs のスキーマ拡張

目的: 管理対象とするサービスを、トップレベルのサービスエントリの識別名で指定します。サービスのトップレベルエントリは、ルートドメインエントリの下の ispService オブジェクトです。たとえば、sun.com がルートドメインエントリの場合は、ou=services、o=sun、c=us の下にあります。

ispAuthorizedServices 属性

要約: dn、複数値、Solaris for ISPs のスキーマ拡張

目的: ispSubscriber が使用権を持つサービスを識別名で指定します。

ispCategory 属性

要約: cis、単一値、Solaris for ISPs のスキーマ拡張

目的: このエントリで記述するサービスがサポートする GUI のカテゴリを指定します。この属性で指定できる値を次に示します。

ispContentDirectory 属性

要約: ces、単一値、Solaris for ISPs のスキーマ拡張

目的: ユーザーに所属するコンテンツが格納されているディレクトリを指定します (homeDirectory 属性とは異なるディレクトリを指定できます)。この属性は、ispAdministrator クラスと ispSubscriber クラスで使用します。仮想ホストによる FTP サービスを使用するユーザーの場合は、そのユーザーの FTP コンテンツのパス (ドメインの ispDirectoryRoot からの相対パス) を指定する必要があります。

ispDirectoryRoot 属性

要約: ces、単一値、Solaris for ISPs のスキーマ拡張

目的: ISP サービスのルートディレクトリを指定します。通常はドメインごとに指定します。

ispImageFile 属性

要約: cis、単一値、Solaris for ISPs のスキーマ拡張

目的: このエントリで記述するイメージを含むファイル名を指定します。 ispManagedService オブジェクトクラスではこの属性を使用して、GIF 形式のアイコンファイルを指定します。

ispPrivateData 属性

要約: ces、単一値、Solaris for ISPs のスキーマ拡張

目的: Sun Internet Administrator が使用するソフトウェアコンポーネントのパスワード情報を指定します。この属性は、Sun Directory Services の root 管理者以外のユーザーがアクセスできないように、ACL で保護されています。

ispServiceContext 属性

要約: ces、単一値、Solaris for ISPs のスキーマ拡張

目的: ISP サービスで使用するサービスコンテキストを指定します。Sun Internet FTP Server と Sun Internet News Server の場合は、CORBA 名前コンテキストになります。

ispServiceLocation 属性

要約: ces、単一値、Solaris for ISPs のスキーマ拡張

目的: このエントリで記述する ispService オブジェクトの場所を指定します。

Sun Internet FTP Server と Sun Internet News Server は、ispService オブジェクトのこの属性を使用して、CORBA オブジェクトリファレンスを管理サーバーに保存します。Sun Internet Administrator は ispManagedService オブジェクトのこの属性を使用して、X ベースのユーザーインタフェースアプリケーションへのパスを保存します。

ispServlets 属性

要約: ces、複数値、Solaris for ISPs のスキーマ拡張

目的: ispManagedService の管理ユーザーインタフェースで使用する Servlet の Java クラス名を完全指定します。使用する Servlet ごとに、ispServlets 属性で次の値を指定します。

  1. Servlet のパス (Sun Internet Administrator の 1 つである管理 Web サーバー のドキュメントルートからの相対パス)

  2. Servlet の完全な Java クラス名

  3. Servlet が必要とする引き数の名前と値のリスト

ispServletClasspath 属性

要約: ces、単一値、Solaris for ISPs のスキーマ拡張

目的: ispManagedService の管理ユーザーインタフェースで必要となるクラスの Java クラスパスを指定します。複数パスを持つ Java クラスパスの場合は、各パスをコロン (:) で区切って指定します。

ispParameterizedOperation 属性

要約: ces、複数値、Solaris for ISPs のスキーマ拡張

目的: パラメータを取るコマンド行ユーティリティに関する情報を指定します。 ispManagedService オブジェクトの場合は、次の 3 つのフィールドを空白で区切って指定します。

  1. コマンド行ユーティリティへの完全パス

  2. ユーティリティのヘルプファイルへの完全パス。ヘルプ情報を持たないユーティリティの場合は NONE

  3. ユーティリティが必要とするパラメータを空白で区切って並べた文字列。パラメータをコマンド行から受け取る場合は、このフィールドに SOME という文字列を入れる

ispSupplementaryInformation 属性

要約: cis、複数値、基本スキーマ

目的: このエントリで記述するオブジェクトに関する追加情報を指定します。基本スキーマを拡張したオブジェクトクラスで使用する場合は、この属性が Solaris for ISPs サービスに予約されています。

ispSupportedOperation 属性

要約: ces、複数値、Solaris for ISPs のスキーマ拡張

目的: パラメータを取らないコマンド行ユーティリティに関する情報を指定します。 ispManagedService オブジェクトの場合は、次の 3 つのフィールドを空白で区切って指定します。

  1. コマンド行ユーティリティへの完全パス

  2. ユーティリティのヘルプファイルへの完全パス。ヘルプ情報を持たないユーティリティの場合は NONE

  3. NONE という文字列

ispVersion 属性

要約: ces、単一値、Solaris for ISPs のスキーマ拡張

目的: このエントリで記述する ispService オブジェクトのバージョンを指定します。Solaris for ISPs では、major.minor という形式のバージョン属性を使用します。

labeledURI 属性

代替名: laleledURL

要約: ces、複数値、基本スキーマ

目的: このエントリで記述するオブジェクトに関連付けられた URI とラベルを指定します。

mail 属性

代替名: preferredRfc822Originator

要約: cis、複数値、基本スキーマ

目的: このエントリで記述するオブジェクトの公開電子メールアドレスを RFC822 形式で指定します。Sun Internet FTP Server は、この属性をエラー通知アドレスとして使用します。

objectClass 属性

要約: cis、複数値、基本スキーマ

目的: エントリの種類をオブジェクトクラスで指定します。

ou 属性

代替名: organizationUnitName

要約: cis、基本スキーマ

目的: このエントリで記述するオブジェクトが所属する組織ユニット名を指定します。

surname 属性

代替名: sn

要約: cis、基本スキーマ

目的: このエントリで記述するユーザーの姓を指定します。

uidNumber 属性

要約: long、単数値、基本スキーマ

目的: UNIX のユーザー ID を指定します。仮想ホストによる FTP サービスを使用する加入者の場合は、仮想ドメインに指定されたユーザー ID を指定する必要があります。

userCertificate 属性

要約: bin、基本スキーマ

目的: このエントリで記述するユーザーの公開鍵を含む証明書を指定します。

userid 属性

代替名: uid

要約: cis、複数値、基本スキーマ

目的: このエントリで記述するユーザーのログイン名を指定します。

userPassword 属性

要約: protected、複数値、基本スキーマ

目的: このエントリで記述するエンティティのパスワードを指定します。