Solaris for ISPs のインストール

ソフトウェアのインストール

ネットワーク計画が完了し、ネットワーク上の各マシンがそれぞれの役割に応じたハードウェア要件とソフトウェア要件を備えていることを確認できたら、ネットワーク上の各マシンで Solaris for ISPs のホスト構成ソフトウェアを実行します。


注 -

ホスト構成ソフトウェアは、Solaris for ISPs ソフトウェアをインストールする各マシンで最低一度は実行する必要があります。ホスト構成の手順を次に示します。

  1. ソフトウェアコンポーネントを選択し、そのインストールパラメータを設定します。

  2. ホスト構成ソフトウェアで無効にするか、設定をカスタマイズする Solaris サービスを確認します。

  3. オプションの構成コマンド (またはスクリプト) を指定します。この構成コマンドおよび構成スクリプトは、ホスト構成ソフトウェアがバッチ形式のインストールプロセスの最後に実行します。

  4. 手順 1 〜 3 で指定した変更事項を確認します。このとき、ブラウザの「Back」ボタンを使用して以前の画面に戻り、これまでの設定を変更することもできます。また、将来のインストール作業で利用できるように、現在の構成シナリオと各種の設定を保存しておくこともできます。

  5. 手順 1 〜 4 で指定した構成シナリオを実行します。


ホスト構成ソフトウェア (hcstartup) を起動するには

  1. ソフトウェアをインストールするマシンにログインし、スーパーユーザのアクセス権を取得します。

    リモートマシンからインストールする場合は、次のように入力します。


    % xhost +remotehostname
    % rlogin remotehostname
    Password: yourpassword
    % su
    Password: rootpassword
    # DISPLAY=localhostname:0.0
    # export DISPLAY
    
    C シェルを使用する場合は、DISPLAY 変数を設定するコマンドが異なることに注意してください。


    注 -

    DISPLAY 環境変数を設定せずに構成作業を続けるには、ブラウザで特定の URL を開く必要があります。詳細は、「ホスト構成ソフトウェアからのエラーメッセージ」を参照してください。


  2. インストール用メディアのルートディレクトリに移動します。

    電子的に配布されたデータを展開したディレクトリ、またはマウントした CD-ROM のルートディレクトリに変更します。

  3. ./hcstartup と入力します。

    スクリプトからの次の質問に答えると、ホスト構成の GUI が表示されます。

    1. Enter path to installation media (enter "none" if no media) [current working directory]

      現在の作業ディレクトリがインストール用メディアのルートになっていれば、そのまま Return キーを押します。そうでなければ、インストール用メディアへのパスを入力します。none と入力した場合は、インストール解除オプションだけが使用できます。

    2. Enter port to use [8000]

      ポート 8000 を使用できる場合はそのまま Return キーを押します。そうでなければ、ホスト構成ソフトウェアの GUI を提供する一時的 Web サーバーが使用するポートを入力します。スクリプトはそのポートが使用可能がどうかをチェックします。指定したポートが使用中であれば、別のポートを要求するプロンプトが出ます。

      次のメッセージが表示されます。

      Unwrapping archives for Host Configuration
      Setting up media database
      Starting web server
      Ready to start hotjava

    3. Please choose one of the following options:

      Return キーを押すと、デフォルトオプションの HotJava ブラウザが起動します。別のブラウザでホスト構成の URL を開く場合は 2 を入力します。また、3 を入力して、インストール作業をここで中断することもできます。

      ブラウザが起動するまでしばらく待ちます。

      ホスト構成にデフォルトの HotJava ブラウザを選択した場合は、HotJava ブラウザが起動してスプラッシュ画面が表示されます。

      2 を入力した場合は、構成作業を続行するためにブラウザを起動して、 http://hostname:8000/cgi-bin/splash という URL にアクセスします。hostname にはインストールを実行しているマシン名を指定します。また、ホスト構成ソフトウェアが使用するポートをデフォルト以外に変更した場合は、8000 の代わりにそのポート番号を指定します。

エラーメッセージが表示された場合

hcstartup の起動時にエラーメッセージが表示された場合は、「ホスト構成ソフトウェアからのエラーメッセージ」を参照してください。


注 -

この画面からオンラインヘルプで解決方法を調べ、その後インストール作業を続行できます。


手順に従って、「ホスト構成 : ソフトウェアコンポーネントを選択するには」に進みます。

ホスト構成 : ソフトウェアコンポーネントを選択するには

「ホスト構成ソフトウェア (hcstartup) を起動するには」で示した手順が終わって、ホスト構成のスプラッシュ画面がブラウザに表示されています。

一覧表示されている各コンポーネントの概要については、『Solaris for ISPs 管理ガイド』の第 1 章「Solaris for ISPs の概要」を参照してください。

  1. 「Begin」をクリックします。

    「Component Configuration」画面が表示されます。

  2. このホストにインストールする ISP コンポーネントごとに、手順 a 〜 f を実行します。

    1. 「Installed?」欄でインストール状態を確認します。

      この欄に no と表示されているコンポーネントは、まだこのホストにインストールされていません。yes と表示されているコンポーネントは、このホストに既にインストールされているので、もう一度インストールすることはできません。

    2. 「Action」欄のオプションメニューから「Install」を選択します。

      この欄のデフォルトは「No Action」で、操作は何も行われません。


      注 -

      Solaris for ISPs プラットフォームソフトウェアは、必ずインストールしなければなりません。


    3. このコンポーネントが必要とする他のすべてのコンポーネントを一覧から選択して、インストール対象とします。


      注 -

      インストールするコンポーネントをカスタマイズするときは、インストールしたいコンポーネントだけではなく、そのコンポーネントで必要な他のコンポーネントもすべて選択してインストールする必要があります。


    4. 「Customize Installation」欄で「Configure」が選択可能な場合は、クリックしてそのコンポーネントのインストールパラメータを設定します。

      選択したコンポーネントに対する「Configure Installation」画面が表示されます。


      注 -

      インストール対象として選択したコンポーネントについては、デフォルトパラメータをそのまま使用せずに、必ず自分で適切なインストールパラメータを設定してください。


    5. 選択したコンポーネントのインストールパラメータを調べて、使用環境に合うように設定します。


      注 -

      インストールパラメータ設定の詳細は、オンラインヘルプを参照してください。


    6. 設定が終わったら「Done」を選択します。

      「Component Configuration」画面が表示されます。


    注 -

    インストール対象として選択したすべてのコンポーネントに対して、インストールパラメータが正しく設定されていることを確認します。


  3. インストールするコンポーネントの選択と「Configure Installation」画面でのインストールパラメータの設定が終わったら、「Next」をクリックします。

    「Solaris Service Configuration」画面が表示されます。

手順に従って、「ホスト構成 : Solaris サービスを設定するには」に進みます。

ホスト構成 : Solaris サービスを設定するには

インストールするコンポーネントの選択が終わって、「Solaris Service Configuration」画面が表示されています。

画面に表示されている各 Solaris サービスの有効/無効の設定を切り替えることにより、システムのセキュリティとパフォーマンスを向上させることができます。ただし設定を変更するのは、特定のシステムでその変更がどうしても必要な場合だけにしてください。

画面に表示されている各 Solaris サービスの詳細は、ホスト構成ソフトウェアのオンラインヘルプ、または『Solaris for ISPs 管理ガイド』の第 3 章の「再構成可能な設定」の節を参照してください。

  1. (省略可能) システム計画に応じて、「Desired State」欄のオプションメニューでサービスの有効/無効を切り替えます。

    ホスト構成ソフトウェアによる推奨設定をそのまま使用するのが最も効果的です。

  2. Solaris サービスの設定が終わったら、「Next」をクリックします。

    「Post-Configuration Command」画面が表示されます。

手順に従って、「ホスト構成 : 構成プロセスの最後にコマンドを実行するには」に進みます。

ホスト構成 : 構成プロセスの最後にコマンドを実行するには

インストールするコンポーネントの選択と Solaris サービスの設定が終わって、「Post-Configuration Command」画面が表示されています。

構成プロセスの最後に実行するコマンドは、ユーザーが自由に定義でき、実行するかどうかもユーザーの自由です。このオプションを選択して、使用環境に対する標準的な構成作業を追加しておくと、ホスト構成ソフトウェアが自動的に実行します。

Solaris for ISPs 管理ガイド』の第 3 章の「ユーザー定義スクリプト」の節には、構成プロセスの最後に実行するコマンドの例が記載されています。

指定できるのは対話型でないコマンド (複数コマンドも可) です。特に実行したいコマンドがなければ、「Next」をクリックします。

  1. (省略可能) インストールと構成プロセスの最後に実行したいコマンドまたはスクリプトがあれば、その完全パスを入力します。

  2. 「Next」をクリックします。

    「Confirm Configuration」画面が表示されます。

手順に従って、「ホスト構成 : 構成要約と構成シナリオを保存するには」に進みます。

ホスト構成 : 構成要約と構成シナリオを保存するには

構成シナリオの保存については、『Solaris for ISPs 管理ガイド』の第 1 章「Solaris for ISPs の概要」を参照してください。

  1. 画面のさまざまなセクションを表示して、これまでの設定内容を確認します。

    必要があれば、ブラウザの「Back」ボタンで目的の画面に戻り、設定を変更します。

  2. (省略可能) 現在設定されているインストールと構成のシナリオを再利用できるように保存するには、次の手順を実行します。

    1. シナリオファイルを保存するディレクトリを入力します。


      注 -

      シナリオファイルを保存するディレクトリは新規ディレクトリでなければなりません。ただし、その親ディレクトリは存在していなければなりません。たとえば、シナリオファイルを /usr/foo/bar ディレクトリに保存する場合、bar ディレクトリは新規でなくてはなりませんが、/usr/foo は存在している必要があります。

      シナリオファイルを保存する前に、保存先ディレクトリを自分で作成してはいけません。構成シナリオを既存ディレクトリに保存しようとすると、エラーメッセージが出てシナリオは保存されません。


    2. 「Save」をクリックします。

  3. 次のいずれかのオプションを選択してインストールと構成プロセスを完了します。

    1. インストールと構成を実行してからマシンを再起動するには、「Execute (with reboot)」をクリックします。このオプションを選択することをお勧めします。

    2. インストールと構成の実行後、マシンを再起動する前に行わなければならない作業があれば、「Execute (no reboot)」をクリックします。


      注 -

      必要な作業が終わったら、必ずマシンを再起動してください。構成設定の中には、再起動しないと有効にならないものがあります。


    3. インストールと構成を実行しない場合 (たとえば、将来使用できるように構成シナリオだけを保存しておきたい場合) は、「Exit」をクリックします。

インストールを実行すると、次のメッセージが表示されます。

The batch installation process has started. You can 
find the log file for this process in /var/opt/SUNWisp/hc/logs. 
No more interaction with the browser will occur. You may shut
the browser down at any time. If this is a local browser, it
will automatically be shut down when the batch installation
process has completed.

数分後にブラウザが終了します。システムが再起動するか、最後の Cleaning up メッセージがログファイルに書き込まれるとホスト構成プロセスが完了します。ホスト構成プロセスの完了を確認する方法については、「インストールとホスト構成の完了を確認するには」を参照してください。

インストールとホスト構成の完了を確認するには

  1. /var/opt/SUNWisp/hc/logs ディレクトリに移動します。

  2. 名前に現在の日付を持つログファイルを探します。たとえば、1998 年 4 月 1 日ならば、config.1998-04-01.1845 という名前のログファイルを探します。

  3. ログファイルを読み込んで、最後に「Cleaning up /tmp/hcpid」というメッセージが入っていることを確認します。pid はホスト構成プロセスのプロセス ID です。

ログファイルの最後に「Cleaning up /tmp/hcpid」というメッセージが書き込まれていれば、ホスト構成バッチプロセスが最後まで実行されて終了したことがわかります。

「Execute (no reboot)」をクリックした場合は、インストール完了後に必要な作業を行なってから必ずマシンを再起動してください。構成情報の中には、再起動しなければ有効にならないものがあります。

インストールとホスト構成の正常終了を確認するには

  1. /var/opt/SUNWisp/hc/logs ディレクトリに移動します。

  2. 名前に現在の日付を持つログファイルを探します。たとえば、1998 年 4 月 1 日ならば、config.1998-04-01.1845 という名前のログファイルを探します。

  3. ログファイルを読み込みます。インストールしたソフトウェアコンポーネントごとに、4 つ連続した「大なり」記号 (>>>>) とコンポーネント ID を含むメッセージで開始するセクションがあります。セクションの最後に「Installation successful」というメッセージが入っていれば、そのコンポーネントが正しくインストールされています。

    ログファイルの中に「Installation successful」というメッセージで終わっていないセクションがあれば、そのコンポーネントのインストールは失敗したことがわかります。インストールはそこで中断し、それ以降のコンポーネントのインストールは行われていません。その場合は、そのソフトウェアコンポーネントのログメッセージとシステム要件を詳しくチェックしてください。