Sun Directory Services 3.1 管理ガイド

ディレクトリ構造

汎用ディレクトリの場合は、どのような情報を格納し、情報をどのように編成するか決めなければなりません。広域ディレクトリの情報は物理的にはいくつものサーバーに分かれることがありますが、全体的には 1 つのツリー構造になります。

ディレクトリ情報ツリー

ディレクトリの情報は、「ディレクトリ情報ツリー (DIT)」と呼ぶツリー構造に編成されます。ディレクトリ情報ツリーの構造は、通常、そこに含まれる情報の構造を密接に反映しています。たとえば、会社の従業員のエントリを持つディレクトリは、部門や場所別に編成されます。一般に、ディレクトリ情報ツリーの構造は、組織や地理に基づいて編成したり、組織と地理の要素を加味して編成したりします。もう 1 つの方法として、ディレクトリ情報ツリーの構造をインターネットドメインに従って編成することがあります。ディレクトリ情報ツリーを名前付きコンテキストに論理的に編成する方法については、第 3 章「ディレクトリサービスの計画」で説明します。

データ格納と名前付きコンテキスト

ディレクトリ情報は名前付きコンテキストに分割されます。「名前付きコンテキスト」とはディレクトリのサブツリーであり、サブツリーの一番上にあるエントリの識別名で識別されます。名前付きコンテキストは物理的な「データ格納」に格納されます。データ格納には複数の名前付きコンテキストを持つことができ、ディレクトリサーバーには複数のデータ格納を持つことができます。

同じデータ格納を指定する名前付きコンテキストを Sun Directory Services 管理コンソールではデータ格納接尾辞と呼びます。

ディレクトリ情報ツリーを名前付きコンテキストとデータ格納に分割して個別のサーバーに入れるときには、次の点を考慮する必要があります。

Sun Directory Services のデータ格納には、最高 4 つのデータ格納接尾辞と 100 万のエントリを収容できます。これ以上のエントリを格納する必要がある場合には、いくつかのデータ格納を 1 つまたは複数のサーバーにインストールし、それらの間に照会を作成します。Sun Directory Services で 100 万以上のエントリを格納する場合は、「照会」を参照してください。