Sun Directory Services 3.1 管理ガイド

NIS サーバー

ネットワーク情報サービス (NIS) は、ネットワーク内のユーザーやリソースを識別したり、その位置を確認したりするためのネーミングサービスです。

Sun Directory Services の NIS サーバーでは、従来の NIS ネーミングサービスが持ついくつかの制限が除かれています。

Sun Directory Services の NIS サーバー構成要素は、既存の NIS サーバーを置き換えることで既存の NIS ネットワークに容易に統合できます。そのためには、NIS サーバーの NIS テーブルに格納されている情報を LDAP ディレクトリデータベースに移動する必要があります。そうすることで、ユーザーとホストの情報をいくつかのデータベースに重複して持たなくてすみます。

NIS テーブルのすべての情報は、LDAP のオブジェクトクラスと属性にマップされます。このマッピングは、特定の環境に合わせて構成できます。

Sun Directory Services の NIS サーバー機能は dsservd デーモンにより実行されます。この構成要素は、ユーザーアプリケーションからの NIS 要求に応答します。たとえば rlogin の際、この構成要素はホスト名をリモートマシンの IP アドレスに変換します。

標準の NIS 環境と同じように、ユーザーは passwd コマンドでパスワードを変更できます。

dsservd デーモンは NIS マスターまたは NIS スレーブとして動作します。マスターの場合は、NIS テーブルをスレーブ NIS サーバーに伝播します。スレーブの場合は、NIS サーバーからの伝播要求を受け取ります。

LDAP/NIS サーバーと従来の NIS サーバーとの間の複製は、dsypxfrd デーモンを使って行います。NIS 複製が Sun Directory Services でどのように行われるかについては、「NIS テーブルの伝達」を参照してください。

Sun Directory Services を既存の NIS ネットワークに統合する方法と NIS から LDAP への情報のマッピングについては、第 6 章「ディレクトリを NIS サーバーとして使用する」で説明します。