Sun Directory Services の複製は、LDAP プロトコルに基づいて行われます。ただし、Sun Directory Services のサーバーで NIS サービスが使用できるようになっていると、このサーバーと従来の NIS サーバーの間で NIS 複製を行うことができます。
Sun Directory Services の NIS 複製機能を使うと、従来の NIS ネーミングサービスから、統合されたネーミングおよびディレクトリサービスに容易に移行できます。
LDAP 複製には、NIS 複製に比べ次の利点があります。
部分的な複製が可能である。ディレクトリ情報ツリーの一部を選んで複製したり、変更したエントリの変更した属性だけを複製したりできます。
スケーラビリティが高い。複製するエントリの数が 50,000 を超えると、NIS 複製は対応できなくなる可能性があります。
したがって、NIS サーバーとして使用しているいくつかのサーバーに Sun Directory Services 製品をインストールする場合は、NIS 複製の代わりに LDAP 複製を使用してください。詳細は、「NIS サービスの構成」を参照してください。
マスターサーバーとスレーブサーバーの間で変更を伝播するための複製モードには、次の 2 つがあります。
マスターベースの複製。マスターサーバーが同期スケジュールを持ち、変更をスレーブに配信します。
クライアントベースの複製。スレーブサーバーが同期スケジュールを持ち、変更をマスターサーバーから受信します。
同じ環境に LDAP v2 サーバーと LDAP v3 サーバーがある場合には、LDAP v3 サーバーから LDAP v2 サーバーに複製を行なったときに、LDAP v3 固有の情報が失われることがあります。たとえば、複製する情報が属性内の言語タグを使用する場合には、すべての複製ターゲットで LDAP v3 がサポートされていなければなりません。Sun Directory Services 1.0 から Sun Directory Services 3.1 への移行の詳細は、『Sun Directory Services 3.1 ご使用にあたって』を参照してください。