Sun Directory Services 3.1 管理ガイド

名前付きコンテキストの構成

NIS サービスの初期設定で NIS エントリ用に作成する名前付きコンテキストは、nis.mapping ファイルにキーワード BASE_DN で指定します。この基本識別名は、各マップに固有の組織単位 (ou) と通常いくつかのマップに共通の rootTree トークンとを結合したものです。

たとえば、networks マップから作成するエントリ用の名前付きコンテキストは、nis.mapping ファイルの次の 2 つの行で定義します。

rootTreeT=ou=Services,$NAMING_SUFFIX||ou=Services,$DC_NAMING
BASE_DN=ou=Networks,$rootTreeT

networks ファイルから作成するディレクトリエントリは、ou=Networks, ou=Services の名前付きコンテキストに作成されます。

ネーミング構造として NAMING_SUFFIX キーワードを選択するか、DC_NAMING キーワードを選択するかは構成で指定します。DC_NAMING キーワードではドメイン構成要素 (DC) 接尾辞を使用します。このネーミング構造でエントリを作成すると、その識別名の接尾辞は dc=XYZ, dc=com の書式になります。インポートプロセスでは dsypinstall プロセスで指定するドメイン名から DC ネーミング接尾辞がとられるため、NIS サービスを初期設定するときのネーミング構造には、デフォルトでこの方法が使用されます。

これとは異なる接尾辞を使用する場合は、nis.mapping ファイルの始めにあるフロントエンドの「Common」セクションで、NAMING_SUFFIX キーワードのコメントを解除する必要があります。NAMING_SUFFIX キーワードの値を変更して、NIS エントリを作成する接尾辞または名前付きコンテキストを指定します。指定する値は、データ格納にある有効な名前付きコンテキストでなければなりません。名前付きコンテキストの作成方法については、「データ格納の作成と変更」を参照してください。

nis.mapping ファイルの DOMAIN_NAME キーワードはコメント化しないでください。このキーワードには、dsypinstall プロセスで指定したドメイン名が入っています。これは、サーバーが NIS サービスを行うときに使用します。