Solstice AdminSuite 2.3 管理者ガイド

第 4 章 Solstice 起動ツールの概要

Solstice 起動ツールによって、Solstice 製品群の管理ツールにアクセスできます。起動ツールに表示されるツールは、システムに提供されている Solstice 製品により異なります。

本章で取り扱う項目は次のとおりです。

Solstice 起動ツールの起動方法

Solstice 起動ツールを起動するには、シェルツールまたはコマンドツールから次のように入力します。


$ solstice &

次のような Solstice 起動ツールが表示されます。

図 4-1 Solstice 起動ツール

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Solstice 起動ツールのメニューを表 4-1 に示します。

表 4-1 Solstice 起動ツールのメニュー

メニュー 

使用するコマンド 

機能 

起動ツール 

アプリケーション追加 

起動ツールにアプリケーションを追加登録 

 

属性 

起動ツール内のアプリケーションの表示、非表示、削除、アイコンの並べ換え、起動ツールの幅の変更、アプリケーションプロパティの変更、またはアプリケーションの追加機能を提供 

 

終了 

Solstice 起動ツールを終了。開いた状態、およびアイコン化されたアプリケーションには影響なし 

アプリケーションの登録

Solstice 起動ツールには、ユーザー独自のアプリケーションを含むさまざまなアプリケーションを登録できます。また、登録を削除することもできます。

アプリケーションの登録は、次の 3 通りの方法で行います。

ユーザーがローカル登録ファイルを持っていて、ローカル登録とグローバル登録の両方のファイルが所定の位置に存在する場合は、すべてのファイルに含まれているアプリケーションが表示されます。

プライベート登録

アプリケーションをユーザーの $HOME/.solstice_registry ファイルにプライベート登録する方法を説明します。

  1. 「起動ツール」メニューで「アプリケーション追加」を選択します。

  2. 「アプリケーションの追加」ウィンドウに以下のアプリケーション情報を入力します。

    1. 「名前」テキストボックスにアプリケーション名を入力します。

      この名前が、「Solstice 起動ツール」ウィンドウに表示されます。

    2. 「アプリケーションへのパス」テキストボックスにアプリケーションのパス名を入力します。

      アプリケーションのパス名がはっきりしない場合は、「... 」ボタンをクリックし、「アプリケーションへのパスの選択」ウィンドウからパス名を選択してください。このウィンドウの使用方法については、「ファイル選択ウィンドウの使用」を参照してください。

    3. 「引数」テキストボックス内のアプリケーションについて、コマンド行の引き数があればそれを指定します。

      これらの引き数は、起動されたアプリケーションに渡されます。

    4. 「アイコンへのパス」テキストボックスにアプリケーションアイコンのパス名を入力します。

      アイコンのパス名がはっきりしない場合は、「... 」ボタンをクリックし、「アイコンへのパスの選択」ウィンドウからパス名を選択してください。このウィンドウの使用方法については、「ファイル選択ウィンドウの使用」を参照してください。

  3. 「追加」をクリックすると、アプリケーションが追加されます。

Mail Manager という名前のアプリケーションをプライベート登録する例を示します。

図 4-2 起動ツール :「アプリケーションの追加」ウィンドウ

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プライベート登録の削除

  1. 「起動ツール」メニューで「属性」を選択します。

    「属性」ウィンドウが表示されます。

  2. 「非表示」または「表示」リストからアプリケーションを選択します。

  3. 「属性」ウィンドウ内の「削除」ボタンをクリックします。

  4. 「了解」をクリックします。

ローカル登録

  1. スーパーユーザーになります。

  2. 次のように soladdapp コマンドを入力してアプリケーションを登録します。


    # /usr/snadm/bin/soladdapp ¥
                   -r /etc/.solstice_registry ¥
                   -n "tool " ¥
                   -i /opt/pkgname/etc/tool.icon ¥
                   -e /opt/pkgname/bin/command args
    

    コマンドの意味は以下のとおりです。

    /usr/snadm/bin/soladdapp

    アプリケーションを登録する Solstice コマンド 

    -r /etc/.solstice_registry

    Solstice ローカル登録ファイルのパス名を指定 

    -n "tool"

    登録するツール名を指定 

    -i /opt/pkgname/etc/tool.icon

    ツールアイコンのパス名を指定 

    -e /opt/pkgname/bin/command

    実行可能ツールのパス名を指定 

    args

    ツールで使用されるオプション引き数を指定 

soladdapp コマンドを使用してアプリケーション Disk Manager をローカル登録する例を示します。


# /usr/snadm/bin/soladdapp ¥
    	  -r /etc/.solstice_registry ¥
	      -n "Disk Manager" ¥
	      -i /opt/SUNWdsk/etc/diskmgr.xpm ¥
	      -e /opt/SUNWdsk/bin/diskmgr

ローカル登録の削除

  1. スーパーユーザーになります。

  2. 次のように soldelapp コマンドを入力してアプリケーションを削除します。


    # /usr/snadm/bin/soldelapp ¥
                -r /etc/.solstice_registry ¥
                -n "tool"
    

    コマンドの意味は以下のとおりです。

    /usr/snadm/bin/soldelapp

    ローカル登録ファイルからアプリケーションを削除する Solstice コマンド 

    -r /etc/.solstice_registry

    Solstice ローカル登録ファイルのパス名を指定 

    -n "tool"

    削除するツール名を指定 

soldelapp コマンドを使用してアプリケーション Disk Manager を削除する例を示します。


# /usr/snadm/bin/soldelapp ¥
		   -r /etc/.solstice_registry ¥
		   -n "Disk Manager"

グローバル登録

  1. スーパーユーザーになります。

  2. 次のように soladdapp コマンドを入力してアプリケーションを登録します。


    # /usr/snadm/bin/soladdapp ¥
                -r /opt/SUNWadm/etc/.solstice_registry ¥
                -n "tool" ¥
                -i /opt/pkgname/etc/tool.icon ¥
                -e /opt/pkgname/bin/command args
    

    コマンドの意味は以下のとおりです。

    /usr/snadm/bin/soladdapp

    アプリケーションを登録する Solstice コマンド 

    -r /opt/SUNWadm/etc/.solstice_registry

    Solstice グローバル登録ファイルのパス名を指定 

    -n "tool"

    登録するツール名を指定 

    -i /opt/pkgname/etc/tool.icon

    ツールアイコンのパス名を指定 

    -e /opt/pkgname/bin/command

    実行可能ツールのパス名を指定 

    args

    実行可能ツールで使用されるオプション引き数を指定 

soladdapp コマンドを使用してアプリケーション Disk Manager をグローバル登録する例を示します。


# /usr/snadm/bin/soladdapp ¥
           -r /opt/SUNWadm/etc/.solstice_registry ¥
           -n "Mail Manager" ¥
           -i /opt/SUNWdsk/etc/diskmgr.xpm ¥
           -e /opt/SUNWdsk/bin/diskmgr

グローバル登録の削除

  1. スーパーユーザーになります。

  2. 次のように soldelapp コマンドを入力してアプリケーションを削除します。


    # /usr/snadm/bin/soldelapp ¥
               -r /opt/SUNWadm/etc/.solstice_registry ¥
               -n "tool"
    

    コマンドの意味は以下のとおりです。

    /usr/snadm/bin/soldelapp

    グローバル登録ファイルからアプリケーションを削除する Solstice コマンド 

    -r /opt/SUNWadm/etc/.solstice_registry

    Solstice グローバル登録ファイルのパス名を指定 

    -n "tool"

    削除するツール名を指定 

soldelapp コマンドを使用してアプリケーション Disk Manager を削除する例を示します。


# /usr/snadm/bin/soldelapp ¥
	      -r /opt/SUNWadm/etc/.solstice_registry ¥
	      -n "Disk Manager"

Solstice 起動ツールのカスタマイズ

アプリケーションの属性のカスタマイズ

起動ツール内のアプリケーションの属性をカスタマイズするには、以下のようにします。

  1. 「起動ツール」メニューで「属性」を選択します。

    「属性」ウィンドウが表示されます。

  2. カスタマイズを行います。

  3. 「了解」をクリックします。

カスタマイズ方法と、ボタンの使用方法は以下のとおりです。

表示または非表示

「Solstice 起動ツール」ウィンドウにアプリケーションを表示するか、非表示にするかを設定するには、「表示」および「非表示」ボタンを使用します。

削除

アプリケーションをローカル登録ファイルから削除するには、「削除」ボタンを使用します。

ローカル登録したアプリケーションの削除方法については、「プライベート登録の削除」を参照してください。

追加

アプリケーションを「Solstice 起動ツール」ウィンドウに追加するには、「アプリケーションの追加」ボタンをクリックします。

「アプリケーションの追加」ウィンドウが表示されます。このウィンドウは、「起動ツール」メニューでの「アプリケーション追加」コマンドと同じです。

起動ツールへのアプリケーション追加方法については、「プライベート登録」を参照してください。

属性の変更

アプリケーションの属性を変更するには、「非表示」または「表示」リストのアプリケーションを選択して、「アプリケーションの属性」ボタンをクリックします。

「アプリケーションの属性」ウィンドウが表示されます。

ローカル登録したアプリケーションの属性の変更方法については、「アプリケーションのプロパティ変更」を参照してください。

アイコンの表示状態の変更

「Solstice 起動ツール」ウィンドウでのツールアイコンの表示状態を変更するには、以下のようにします。

次に、データベースマネージャ (Database Manager) を「非表示」リストに移動した例を示します。設定後、データベースマネージャ (Database Manager) は「Solstice 起動ツール」ウィンドウには表示されなくなります。

図 4-3 Solstice 起動ツール : 「属性」ウィンドウ

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ローカル登録したアプリケーションのカスタマイズ

ローカル登録したアプリケーションは、次の方法でカスタマイズできます。

アプリケーションのカスタマイズ方法については、「アプリケーションの属性のカスタマイズ」を参照してください。

アプリケーションのプロパティ変更

  1. 「起動ツール」メニューで「属性」を選択します。

    「属性」ウィンドウが表示されます。

  2. 「非表示」または「表示」リストからアプリケーションを選択します。

  3. 「アプリケーションの属性」ボタンをクリックします。

    「アプリケーションの属性」ウィンドウが表示されます。

  4. 以下のアプリケーション属性を変更します。

    1. 「名前」テキストボックス内のアプリケーション名


      注 -

      アプリケーションの属性を変更するには、アプリケーション名を変更する必要があります。


    2. 「アプリケーションへのパス」テキストボックス内のアプリケーションパス名

      アプリケーションのパス名がはっきりしない場合は、「...」ボタンをクリックし、「アプリケーションへのパスの選択」ウィンドウからパス名を選択してください。このウィンドウの使用方法については、「ファイル選択ウィンドウの使用」を参照してください。

    3. 「引数」テキストボックス内のアプリケーションに対するコマンド行引き数

      これらの引き数は、起動されたアプリケーションに渡されます。

    4. 「アイコンへのパス」テキストボックス内のアイコンパス名

      アイコンパス名がはっきりしない場合は、「...」ボックスをクリックし、「アイコンへのパスの選択」ウィンドウからパス名を選択してください。このウィンドウの使用方法については、「ファイル選択ウィンドウの使用」を参照してください。

  5. 「追加」をクリックします。

ホストマネージャの実行可能ファイルおよびアイコンを変更する例を示します。

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ファイル選択ウィンドウの使用

  1. 「アプリケーションへのパスの選択」ウィンドウ内の「フィルタ」テキストボックスに、ワイルドカード文字 (*) などの正規表現を使用してパス名を指定します。

    新しい値を入力すると、「ディレクトリ」および「ファイル」リストがそれに従って更新されます。

  2. 「ファイル」リストでファイル名を選択し、「ファイルのオープン」テキストボックスを更新します。

  3. 「了解」をクリックします。

    「ファイルのオープン」テキストボックスの値が、ファイル選択ウィンドウを呼び出した元のフィールドに設定されます。

    アプリケーションのファイル名が、「アプリケーションの追加」ウィンドウ内の「アプリケーションへのパス」テキストボックスに表示されます。

「アプリケーションへのパスの選択」ウィンドウでフィルタを使用して、/opt/SUNWadm/2.3/bin ディレクトリ内のアプリケーションツールの実行可能ファイルを探す例を示します。実行可能ファイルは、「ファイル」リストに表示されます。

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