Solstice AutoClient 2.1 ご使用にあたって

第 2 章 システム環境

Solstice AutoClient 2.1 ソフトウェアをインストールするのに必要なシステム環境について説明します。

プラットフォーム

AutoClient システムの設定に使われる Solstice AutoClient 2.1 ソフトウェアは、以下のプラットフォームで SolarisTM を実行しているスタンドアロンシステムまたはサーバーシステム上にインストールすることができます。

表 2-1 サポートされている Solaris のリリースとプラットフォーム

Solaris のリリース 

プラットフォーム 

Solaris 2.3 

SPARCTM

Solaris 2.4 

SPARC、x86 

Solaris 2.5 

SPARC、x86 

Solaris 2.5.1  

SPARC、x86 


注 -

「x86」は、Intel 8086 系のマイクロプロセッサの総称です。この中には、Pentium プロセッサ、Pentium Pro プロセッサ、AMD 社や Cyrix 社製の互換マイクロプロセッサも含まれます。本書では、「x86」をこれらの 8086 系のマイクロプロセッサを搭載するプラットフォームの総称として使用します。「Intel 版」は製品名で使用します。


オペレーティングシステム

各オペレーティングシステムの Solstice AutoClient 2.1 に対するサポートレベルは、それぞれに異なります。次に各オペレーティングシステムによるサポートの違いについて説明します。

Solaris 2.3および Solaris 2.4

Solaris 2.3 または Solaris 2.4 を実行しているシステムに Solstice AutoClient 2.1 ソフトウェアをインストールする場合は、インストール前に以下のコマンドを実行して、NFS の mountd プロセスが起動しているかどうかを確認してください。


# ps -ef | grep mountd

上記のコマンド実行後に mountd プロセスが表示されない場合は、以下のコマンドを実行して mountd プロセスを起動してください。


# /usr/lib/nfs/mountd

mountd プロセスは、インストールスクリプトが異常終了するのを防ぎます。

Solaris 2.3 のサポート中止

Solstice AdminSuite 2.4 および AutoClient 2.2 以降のリリースでは、Solaris 2.3 はサポートされなくなる予定です。Solaris 2.3 が稼働しているシステムで Solstice AdminSuite および AutoClient を使用しているユーザーは、将来、Solaris のアップグレードを行う必要があります。

4.x クライアントのサポート

サーバーに Solaris 2.5.1 より後のリリースの Solaris がインストールされており、そのサーバーが SunOS 4.x クライアントを持っている場合、Solstice AdminSuite 2.3 CD-ROM に入っている、SUNWhinst パッケージを、手動でインストールする必要があります。

ディスク領域

ステーション管理ホストに Solstice AutoClient 2.1 ソフトウェアをすべてインストールするには、スプールソフトウェア領域として 37 M バイト、さらに各アーキテクチャ (SPARC、x86) につき 7 M バイトの領域が必要です。空きディスク領域を確認するには、以下のコマンドを実行してください。


# /usr/bin/df -k
Filesystem            kbytes    used   avail capacity  Mounted on
/dev/dsk/c0t2d0s0     905070  239227  575343    30%    /
/dev/dsk/c0t3d0s0     288102  186690   72602    72%    /usr
/proc                      0       0       0     0%    /proc
fd                         0       0       0     0%    /dev/fd
/dev/dsk/c0t3d0s1     201583   68385  113048    38%    /export
swap                   57840      12   57828     1%    /tmp

avail の列には、使用可能なディスク領域が K バイト単位で表示されます。この例では、/export ディレクトリには 113048 K バイト (約 113 M バイト) が空き領域で、Solstice AutoClient 2.1 ソフトウェアをインストールするのに十分なディスク容量があります。


注 -

Solstice AutoClient 2.1 ソフトウェアを各システムにインストールする必要はありません。1 つのシステムに Solstice AutoClient ソフトウェアをインストールし、その他のシステムについては、インストールされた Solstice AutoClient ソフトウェアにアクセスして使用できるように、インストールプログラムで設定することができます。


ソフトウェアパッケージ

Solstice AutoClient 2.1

Solaris 2.5 または Solaris 2.5.1 を実行しているシステムの場合、Solstice AutoClient 2.1 ソフトウェアの動作環境として、次のソフトウェアパッケージがインストールされていることを前提としています。

Solaris 2.3、Solaris 2.4、Solaris 2.5、または Solaris 2.5.1 を実行しているシステムの場合、SUNWsadml および SUNWmfrun ソフトウェアパッケージは、Solstice AdminSuite 2.3 ソフトウェアをインストールすると自動的にインストールされます。Solaris 2.5.1 より後のリリースの Solaris を実行しているシステムの場合は、Solstice AutoClient 2.1 ソフトウェアをインストールする前に、Solaris CD-ROM から上記のパッケージをインストールしておく必要があります。

旧リリースの AutoClient ソフトウェア

以前のリリースの AutoClient ソフトウェアがインストールされている場合には、これをシステムから削除してから Solstice AutoClient 2.1 ソフトウェアをインストールする必要があります。詳細は、「旧リリースの AutoClient ソフトウェアの削除」を参照してください。

sysadmin グループのメンバー

admin_install スクリプトを実行するには、sysadmin グループ (group 14) のメンバーになる必要があります。さらに、インストール時に指定する各ホストにおいて sysadmin グループのメンバーである必要があります。

AdminSuite とパッチ

ディスクレスクライアントと AutoClient システムに自動的にパッチを適用する機能が、AdminSuite アプリケーションおよび AutoClient アプリケーションの機能に統合されました。また、コマンド行インタフェースである admclientpatch を使用しても、1 回の操作で既存のクライアントにパッチを適用することができます。

Solaris の各リリース用のパッチは、AdminSuite ソフトウェアと共に出荷されています。新しくクライアントを作成した時に、自動的に適切なパッチが適用されます。admclientpatch コマンドを使用して、追加のパッチをスプール領域に置いたり、不要になったパッチをスプール領域から削除することもできます。ただし、必要なパッチが足りないと新しく作成したクライアントが正常に動作しなくなるので、Solstice AutoClient 2.1 ソフトウェアと共に出荷されたパッチを削除する場合には十分に注意してください。

クライアントを作成すると自動的にパッチが適用されるようになったため、注意すべき点がいくつかあります。新しく作成したクライアントと OS サービスを共有する既存のクライアント (データレスクライアントを含む) がある場合は、既存のクライアントにもパッチが適用されます。admclientpatch コマンドによって、すべてのディスクレスクライアントおよび AutoClient システムにおいて、ルートファイルシステムにパッチが適用されていることを確認することができます。データレスクライアントの場合は、共有している OS サービスに適切なパッチを、各クライアントのルートファイルシステムに適用してください。

切断時実行継続機能のパッチも、CacheFSTM を使用しているデータレスクライアントおよび OS サービスを共有しているデータレスクライアントに影響があります。クライアントが正常に動作するためには、切断時実行継続機能のパッチを、データレスクライアントのルートファイルシステムに適用する必要があります。このパッチは、/opt/SUNWadmd/Patches スプール領域にあります。表 2-2 に、データレスクライアントのルートファイルシステムに適用する必要があるパッチを示します。

表 2-2 切断時実行継続機能のパッチ

OS 

パッチ番号 

Solaris 2.5 SPARC 

102906-06 

Solaris 2.5.1 SPARC 

103006-06 

Solaris 2.5 x86 

102939-06 

Solaris 2.5.1 x86 

103007-06 

AutoClient システムとディスクレスクライアントの追加所要時間

AutoClient システムおよびディスクレスクライアントを追加する処理に、以前のリリースよりも時間が長くかかります。これは、ホストマネージャによってパッチ適用処理が行われるようになったため、スプール領域にある適切なパッチを検索するための installpatch スクリプトを実行するのに時間がかかることが原因です。