Sun Performance WorkShop Fortran の概要

第 5 章 ソースコードの管理

大規模な開発プロジェクトでは、共通ファイルや相互依存ファイルを使用して、大勢のプログラマの作業を総合的に調整する必要があります。けれども、このような情報の追跡は非常に複雑なので、ソースコード管理システム (SCCS) を利用すると、時間がかかるばかりでなく、負荷も大きくなってしまいます。Sun WorkShop TeamWare コード管理ツールを使用すると、この問題を解決することができます。

Sun TeamWare は、ソースコードのバージョン制御、リリース統合、リリース管理などを行うグラフィカルなツールセットです。このツールセットで、Sun WorkShop コンパイラFortran 言語処理系 や Sun Performance WorkShop Fortran の機能を拡張することができます。

Sun WorkShop TeamWare コード管理ツールには、次の機能があります。

大規模ソフトウェアプロジェクトの調整

共通ファイルや相互依存ファイルを調整する作業は、非常に複雑です。この作業の単純化には、ワークスペース管理ツールが役立ちます。ここで、ツールの使用手順を簡単に説明します。まず、コマンド行インタフェース (CLI) かグラフィカルユーザーインタフェース (GUI) を選択して、中央のワークスペースから自分のワークスペースにプロジェクトファイルをコピーします。次に、このファイルを使用することを他のチームメンバーに通知して、ファイルを変更します。最後に、変更した内容を中央のワークスペースにコピーして、作業完了です。

ワークスペース管理ツールには、次の機能があります。

ファイルの比較とマージ

「ファイルマージ」では、同じソースファイルから作成された 2 種類のバージョンのファイルをマージしたり、この 2 種類のファイルを元のファイルと比較して、矛盾のない新しいファイルを作成したりします。このツールは、比較する 2 つのファイルを横に並べて表示し、変更のあった個所は色で示します。変更個所を自動または手作業でマージすると、作成された新しいファイルが、編集可能なウィンドウに表示されます。

ファイルマージでは、複数のディレクトリやファイルのマージもできます。この機能は、内容が大幅に異なる 2 種類のバージョンのプログラムを 1 つにまとめる必要がある場合に便利です。

ファイルアクセスの調節

ソースコード管理システム (SCCS) のグラフィカルインタフェース -- 「バージョン管理」ツール -- を使用して、ファイルを操作したり、SCCS 関数を実行することができます。この方法では、履歴ブランチの表示や別の履歴への移動、ファイルへのチェックアウトやチェックインに、SCCS コマンドの知識が必要ありません。

バージョン管理ツールには、次の機能があります。

開発途上の作業

ソフトウェア開発の過程では、重要な場面で作業の「フリーズポイント」を作成することが必要です。このフリーズポイントをプロジェクトのスナップショットとして保存し、重要な開発ポイントでのプロジェクトの状態を後から再現することができます。フリーズポイント用ツールでは、特定のソフトウェアリリースに関連するすべてのソースファイルを登録したファイルが作成されます。

「フリーズポイント」ツールには、次の機能があります。