ここでは、ファイルマージをワークスペース管理で使用する場合について簡単に説明します。詳細は、第 12 章「ファイルマージの起動とファイルの読み込み」を参照してください。
ファイルマージは、それぞれ親のデルタと子のデルタを収めている 2 つのテキストファイルを、それぞれ読み取り専用の区画 (図 3-1 参照) に横に並べて表示します。さらに、これら 2 つの区画の下に、両ファイルをマージしたバージョンのファイルを表示する区画があります。マージされたバージョンには、いずれか一方または両方のデルタから選択された行が含まれ、これを編集して最終的なマージファイルを作成できます。
上部の 2 つの区画に、共通祖先のデルタとの比較により各デルタが次のように表示されます。
子のデルタは「子」というラベルの付いた左側の区画に表示されます。
親のデルタは「親」というラベルの付いた右側の区画に表示されます。
共通の祖先デルタとは、親のデルタと子のデルタの両方がその元にしているデルタのことです。このように、ユーザーは 3 つの方法での比較 (各デルタと共通祖先デルタ、および各デルタ相互) を行うことができます。
各子孫の行は、共通祖先の対応する行との関係に従って、次のようにマークされます。
ある行が 3 つのデルタすべてにおいて同じである場合、その行には何のマークも付きません。
ある行が祖先には存在せず、子孫のいずれかまたは両方に追加されたものである場合、追加されたデルタの該当行の隣に "+" 記号が付けられます。
ある行が祖先には存在するが、子孫のいずれかまたは両方から削除されている場合、その行が削除されたデルタの該当位置の隣に "-" 記号が付けられます。
ある行が祖先には存在するが、子孫のいずれかまたは両方で変更されている場合、変更されたデルタの該当行の隣に縦棒 (|) 記号が付けられます。
ファイルマージは、2 つのデルタ間、およびそのいずれかと共通祖先との間で異なる行を検出すると、その 2 つのデルタ内および自動的に作成されるマージファイルの該当行に適切なマークを付けます。これらのマークされた行のことを「相違」と言います。ファイルマージがフォーカスしている相違は強調表示されています。
ファイルマージがフォーカスしている (選択されている) 相違の (同じファイルで) 直後にある相違を次の相違、その直前の相違を前の相違とそれぞれ呼んでいます。
フォーカスされている相違に対して、ユーザーはオリジナルのデルタのいずれかから行を自分でコピーしたり、マージされたファイルを編集したりできます。「受け入れ」、「次」、「受け入れて次へ」のいずれかのボタンをクリックすると、現在の相違が解決されたことになります。相違が解決されると、ファイルマージは相違を示す記号をアウトラインフォント (白抜き) に変更してから、自動的に (ツール属性で「自動的に進む」オプションが選択されている場合)、またはユーザーの選択により次の相違に移動します。