Sun Ray Enterprise Server Software 1.0 管理マニュアル

ハードウェアの必要事項

Sun Ray システムには、次のハードウェアが必要です。


注 -

テストおよび検証済みの周辺機器の一覧については、次の URL を参照してください。 http://www.sun.com/nc/sunray1 http://www.sun.co.jp/nc/sunray1


サーバーの必要事項

この節では、Sun Ray サーバーのハードウェアの必要事項について説明します。

ハードウェアシステム

Sun Ray サーバーは、Solaris 2.6 または Solaris 7 オペレーティング環境の稼働している UltraSPARC サーバー上で動作するように設計されています。Sun Ray サーバーとして使用できる製品 (sun4u アーキテクチャに分類されるプラットフォーム) は、以下のとおりです。

ディスク容量


注 -

サーバーの構成にあたっては、1 セッションあたり約 50 〜 100 MB のスワップ空間を確保しておくことを推奨します。


Sun Ray server software の標準的なインストールでは、10 MB 以上のディスク容量が必要です。次の表に、ディレクトリごとに必要なディスク容量を示します。

表 2-1 Sun Ray server software に必要なディスク容量

製品 

デフォルトのインストールパス 

必要条件 (容量) 

Sun Ray Core ソフトウェア 

/

/opt

/var

1 MB 

8 MB 

1 MB + ログファイル 

LDAP クライアントライブラリ 

/usr

350 K 

Sun Directory Services 3.1 

/opt/SUNWconn

ディレクトリデータベースのデフォルトの場所は、/var です。

  • /opt に 25 MB

  • /var に 2.0 MB

  • /etc に 0.4 MB

データベースのために十分なディスク容量を確保する必要があります。1,000 エントリのデータベースの場合は、約 1.5 MB のディスク容量、64 MB の RAM、128 MB のスワップ空間が必要です。 

Sun WebServer(TM) 2.1 

/usr

  • ソフトウェア ― ドキュメントに 9.5 MB、ログファイルに 2 MB のディスク容量が必要です。

  • メモリー ― 64 MB 以上。推奨値は 96 MB です。

  • JDKTM 1.1.6 またはその互換バージョンが必要です。

JDK 1.1.6 

/usr

31.5 MB 

メモリー

Sun Ray 1 appliance のパフォーマンスレベルは、サーバーのリソース、アクティブなセッションの数、アクティブなセッションが実行している具体的なアプリケーションに依存して決まります。

表 2-2 推奨するシステム構成

システム 

プロセッサ 

メモリー 

セッションの数 (英語版 Solaris の場合) 

Enterprise 2 

2 基の 200 MHz UltraSPARC  

512 MB 〜 2 GB 

5 〜 25/CPU 

Enterprise 450 

4 基の 300 MHz UltraSPARC 

2 〜 4 GB 

20 〜 30/CPU 

Enterprise 4500  

8 基の 336 MHz UltraSPARC 

4 〜 8 GB 

30 〜 45/CPU 


注 -

具体的なサーバー構成としては、2 基以上のプロセッサを搭載し、CPU あたりのアクティブセッションは約 25 セッションまで、1 アクティブセッションあたり 20 〜 40 MB 以上の RAM (同時に使用した場合)、1 セッションあたり 50 〜 100 MB のスワップ空間を確保した環境を、推奨します。


サンが行った初期テストでは、1 セッションあたり 25 〜 40 MB 以上の RAM を確保した状況では、NetscapeTM、Adobe® Photoshop および FrameMaker、個人情報管理 (PIM、たとえば、電子メール、カレンダ、テキスト編集など) アプリケーションが動作しました。1 基の CPU 上で 25 を超えるアクティブユーザーが高度な対話型アプリケーションを実行すると、応答時間は著しく低下しました。PIM のような通常の対話型アプリケーションの場合は、アクティブユーザー数が 50 を超えると、応答時間が遅くなりました。

サンが行ったテストでは、すべてのアプリケーションについて、インターコネクトファブリックのトラフィックの 80 % が 10 Mbps 未満で、平均トラフィックはユーザーあたり約 1 Mbps でした。


注意 - 注意 -

上記の例は、英語版 Solaris を使用した環境を前提としています。日本語版 Solaris を使用した環境での状況については、次の Web サイトを参照してください。 http://www.sun.co.jp/nc/sunray1


Ethernet カード

Sun Ray サーバーには、Sun Ray インターコネクトファブリック専用 Ethernet カードをインストールする必要があります。次の表に、Sun Ray サーバーのインターコネクトファブリック対応の Ethernet カードを示します。

表 2-3 Ethernet インタフェース

インタフェース 

デバイス名の例 

速度 

(Mb/s) 

コメント 

Gigabit Ethernet 

gem0

1000  

この高速インタフェースは、サーバーから Ethernet へのスイッチとして最適です。 

SunFastEthernetTM

hme2

100 

 

Lance Ethernet  

le1

10 

多くの Sun Ray サービスでは、従来の 10 Mbps Ethernet では遅すぎます。100Base-T 以上のインタフェースを使用してください。 

QEC/MACE Ethernet 

qe0

10 

 

Quad FastEthernet 

qfe0、qfe1、qfe2、qfe3

100 

1 枚のカードで 4 つの Ethernet インタフェースを使用できます。Quad FastEthernnet カードを使用する場合には、システムに SUNWqfed パッケージがインストールされていることを確認してください。SUNWqfed パッケージは、Solaris 2.6 には付属していません。初期リリース以降、SUNWqfed パッケージに対して、パッチは必ず発生しています。

最新のドライバパッチと更新状況については、次の Web サイトを参照してください。

http://access1.sun.com/


注 -

10Base-T の帯域幅は限られているため、ビデオや複雑な Web ページを描画する場合には、負荷が大き過ぎることがあります。Sun Ray インターコネクトファブリックは、カテゴリ 5 の回線上での動作を前提に設計されていますが、カテゴリ 3 の回線と 10Base-T を使用した環境でも動作します。


インターコネクトファブリックの構成要素の必要事項

Sun Ray インターコネクトファブリックとは、Sun Ray サーバーを appliance に接続するために必要な構成要素 (ケーブル、スイッチ、ハブ) の集合体を指します。

この環境は、さまざまな状況で最大帯域幅を実現し、応答時間を最小化し、Sun Ray 1 appliance と Sun Ray サーバーとの間での高レベルの混雑の発生を防ぐことができるハードウェア構成要素で構成する必要があります。

この節では、インターコネクトファブリックに関する次の必要事項について説明します。

ネットワークに関する注意事項

Sun Ray ネットワークを新規に構築するとき、または既存の構成を変更するときには、次のガイドラインに従ってください。

スイッチの仕様

LAN 上のコンピューティングノードの接続には、Ethernet スイッチを使用します。Sun Ray インターコネクトファブリックに使用可能な互換性のあるスイッチについての情報は、次のWeb サイトを参照してください。

http://www.sun.com/nc/sunray1

http://www.sun.co.jp/nc/sunray1

インターコネクトファブリックに使用するスイッチの選定にあたっては、次の事項に注意してください。


ヒント -

サーバーとスイッチの間の距離を延長するには、光ファイバケーブルを使用します。


表 2-4 スイッチの例

製造元 

モデル 

3Com  

SuperStack II Switch 3900 

Foundry Networks  

FastIron 24  

BigIron 72 

Extreme Networks  

Summit/48 

ハブの仕様

インターコネクトファブリックに使用するハブの選定にあたっては、次の事項に注意してください。

ハブを使用できるのは、30 台未満の appliance を設置する場合までです。

Sun Ray 1 enterprise appliance の構成要素の仕様

この節では、Sun Ray 1 appliance の構成要素の仕様について説明します。


注 -

テストおよび検証済みの構成要素の一覧については、次の URL を参照してください。 http://www.sun.com/nc/sunray1 http://www.sun.co.jp/nc/sunray1


モニターの仕様

Sun Ray 1 appliance には、以下の仕様に準拠したマルチシンク VGA モニターを使用できます。

表 2-5 モニターの必要事項

特性 

値 

ビデオデータ極性 

値が大きいほどピクセルの輝度が上がります。値が小さいほどピクセルの輝度が下がります。 

ビデオレベル (赤、緑、青) 

0.755 V (ピーク時) 

黒レベル 

0.055 V (ピーク時) 

ブランキングレベル 

0.00 V (ピーク時) 

同期タイプ 

コンポジットまたはセパレートの水平同期および垂直同期、モニターから定義可能な DDC。 

同期レベル 

TTL 

同期極性 

正または負、DDC 定義可能 

終端抵抗 

75 オーム (ビデオおよび同期) 

水平周波数範囲 

43 kHz 〜 92 kHz、ノンインタレース 

垂直周波数範囲 

60 Hz 〜 85 Hz、ノンインタレース 

プロトコル 

VESA の DDC2B、EDID V1.0 

標準的な画面解像度は、66 Hz で 1152 × 900、76 Hz で 1152 × 900、76 Hz で 1280 × 1024 です。


注 -

DDC データを利用するには、appliance の電源を入れる前に、あらかじめモニターと appliance を接続し、モニターの電源を入れておく必要があります。モニターの DDC データを利用できない場合には、appliance はデフォルトの解像度として 66 Hz で 1152 × 900 を適用します。


キーボードとマウスの仕様

Sun Ray 1 appliance は、Sun Type 6 USB キーボードと Sun Crossbow USB マウスを使用するように設計されています。サン以外の USB キーボードやマウスでも、Sun Ray 1 appliance で使用できることがあります。

スマートカードの仕様

対応スマートカードの一覧については、次の URL を参照してください。

http://www.sun.com/nc/sunray1

その他の装置の仕様

SunMicrophoneTM II は、Sun Ray 1 appliance に対応しています。また、SunCamera も、Sun Ray 1 appliance に対応しています。現在のバージョンのソフトウェアは、ビデオ入力をサポートしていませんが、将来サポートする予定になっています。

ビデオ入力装置

表 2-6 コンポジットビデオ装置の仕様

特性 

値 

サポートしている規格 

NTSC M、PAL B/G/I  

ビデオレベル 

1.0 V (ピーク時) 

ビデオ極性 

正 

同期極性 

負 

終端抵抗 

75 オーム 

USB 装置

Sun Ray 1 appliance は、4 ポートの USB ハブを内蔵しています。この内蔵ハブへの接続には、appliance の背面にある 4 つの USB ポートを利用します。ハブドライバはファームウェアに内蔵されています。内蔵ハブには 2 つの増幅器が装備されており、これを 4 つのポート間で共有し、ここから電力を得ています (1 ポートにつき最大 500 mA の電力を供給します)。

現在のバージョンのソフトウェアでは、キーボードとマウス以外の USB 装置はサポートしていませんが、今後のバージョンでその他の装置もサポートする予定です。