Sun Ray システムには、次のハードウェアが必要です。
UltraSPARCTM プロセッサを搭載した Solaris サーバー
Sun Ray サーバーには、LAN 接続用の Ethernet インタフェースの他に、 1 つまたは複数の専用 Ethernet インタフェースが設置されている必要があります。
ケーブル、スイッチ、ハブなどから構成されるインターコネクトファブリック
設置する Sun Ray 1 enterprise appliance 1 台ごとに、モニター、キーボード、マウス。
スマートカード (オプション)
テストおよび検証済みの周辺機器の一覧については、次の URL を参照してください。 http://www.sun.com/nc/sunray1 http://www.sun.co.jp/nc/sunray1
この節では、Sun Ray サーバーのハードウェアの必要事項について説明します。
Sun Ray サーバーは、Solaris 2.6 または Solaris 7 オペレーティング環境の稼働している UltraSPARC サーバー上で動作するように設計されています。Sun Ray サーバーとして使用できる製品 (sun4u アーキテクチャに分類されるプラットフォーム) は、以下のとおりです。
Sun Enterprise UltraTM 10S
Sun Enterprise 2
Enterprise 250/450
Enterprise 3500/4500/5500/6500
サーバーの構成にあたっては、1 セッションあたり約 50 〜 100 MB のスワップ空間を確保しておくことを推奨します。
Sun Ray server software の標準的なインストールでは、10 MB 以上のディスク容量が必要です。次の表に、ディレクトリごとに必要なディスク容量を示します。
表 2-1 Sun Ray server software に必要なディスク容量
Sun Ray 1 appliance のパフォーマンスレベルは、サーバーのリソース、アクティブなセッションの数、アクティブなセッションが実行している具体的なアプリケーションに依存して決まります。
表 2-2 推奨するシステム構成
システム |
プロセッサ |
メモリー |
セッションの数 (英語版 Solaris の場合) |
---|---|---|---|
Enterprise 2 |
2 基の 200 MHz UltraSPARC |
512 MB 〜 2 GB |
5 〜 25/CPU |
Enterprise 450 |
4 基の 300 MHz UltraSPARC |
2 〜 4 GB |
20 〜 30/CPU |
Enterprise 4500 |
8 基の 336 MHz UltraSPARC |
4 〜 8 GB |
30 〜 45/CPU |
具体的なサーバー構成としては、2 基以上のプロセッサを搭載し、CPU あたりのアクティブセッションは約 25 セッションまで、1 アクティブセッションあたり 20 〜 40 MB 以上の RAM (同時に使用した場合)、1 セッションあたり 50 〜 100 MB のスワップ空間を確保した環境を、推奨します。
サンが行った初期テストでは、1 セッションあたり 25 〜 40 MB 以上の RAM を確保した状況では、NetscapeTM、Adobe® Photoshop および FrameMaker、個人情報管理 (PIM、たとえば、電子メール、カレンダ、テキスト編集など) アプリケーションが動作しました。1 基の CPU 上で 25 を超えるアクティブユーザーが高度な対話型アプリケーションを実行すると、応答時間は著しく低下しました。PIM のような通常の対話型アプリケーションの場合は、アクティブユーザー数が 50 を超えると、応答時間が遅くなりました。
サンが行ったテストでは、すべてのアプリケーションについて、インターコネクトファブリックのトラフィックの 80 % が 10 Mbps 未満で、平均トラフィックはユーザーあたり約 1 Mbps でした。
上記の例は、英語版 Solaris を使用した環境を前提としています。日本語版 Solaris を使用した環境での状況については、次の Web サイトを参照してください。 http://www.sun.co.jp/nc/sunray1
Sun Ray サーバーには、Sun Ray インターコネクトファブリック専用 Ethernet カードをインストールする必要があります。次の表に、Sun Ray サーバーのインターコネクトファブリック対応の Ethernet カードを示します。
表 2-3 Ethernet インタフェース
インタフェース |
デバイス名の例 |
速度 (Mb/s) |
コメント |
---|---|---|---|
Gigabit Ethernet |
gem0 |
1000 |
この高速インタフェースは、サーバーから Ethernet へのスイッチとして最適です。 |
SunFastEthernetTM |
hme2 |
100 |
|
Lance Ethernet |
le1 |
10 |
多くの Sun Ray サービスでは、従来の 10 Mbps Ethernet では遅すぎます。100Base-T 以上のインタフェースを使用してください。 |
QEC/MACE Ethernet |
qe0 |
10 |
|
Quad FastEthernet |
qfe0、qfe1、qfe2、qfe3 |
100 |
1 枚のカードで 4 つの Ethernet インタフェースを使用できます。Quad FastEthernnet カードを使用する場合には、システムに SUNWqfed パッケージがインストールされていることを確認してください。SUNWqfed パッケージは、Solaris 2.6 には付属していません。初期リリース以降、SUNWqfed パッケージに対して、パッチは必ず発生しています。 |
最新のドライバパッチと更新状況については、次の Web サイトを参照してください。
10Base-T の帯域幅は限られているため、ビデオや複雑な Web ページを描画する場合には、負荷が大き過ぎることがあります。Sun Ray インターコネクトファブリックは、カテゴリ 5 の回線上での動作を前提に設計されていますが、カテゴリ 3 の回線と 10Base-T を使用した環境でも動作します。
Sun Ray インターコネクトファブリックとは、Sun Ray サーバーを appliance に接続するために必要な構成要素 (ケーブル、スイッチ、ハブ) の集合体を指します。
この環境は、さまざまな状況で最大帯域幅を実現し、応答時間を最小化し、Sun Ray 1 appliance と Sun Ray サーバーとの間での高レベルの混雑の発生を防ぐことができるハードウェア構成要素で構成する必要があります。
この節では、インターコネクトファブリックに関する次の必要事項について説明します。
Sun Ray ネットワークを新規に構築するとき、または既存の構成を変更するときには、次のガイドラインに従ってください。
Sun Ray 1 appliance と Sun Ray サーバーの接続には、公衆ネットワークまたは企業ネットワークを使用しないでください。
Sun Ray サーバーをルーターとして構成しないでください。
トラフィックの多重化を、常に統計的に適切にしてください (安全比率は 10 : 1 です。たとえば、1 ギガビットリンク経由の場合は、100 台の appliance を接続できます)。
大規模なネットワーク構成は避け、ネットワーク管理に手間のかからない単純な装置を使用してください。
可能な限り、全二重ネットワークを使用してください。
LAN 上のコンピューティングノードの接続には、Ethernet スイッチを使用します。Sun Ray インターコネクトファブリックに使用可能な互換性のあるスイッチについての情報は、次のWeb サイトを参照してください。
http://www.sun.com/nc/sunray1
http://www.sun.co.jp/nc/sunray1
インターコネクトファブリックに使用するスイッチの選定にあたっては、次の事項に注意してください。
すべてのポートの自動ネゴシエーションが正しく機能すること。
サーバーとスイッチの間の距離を延長するには、光ファイバケーブルを使用します。
製造元 |
モデル |
---|---|
3Com |
SuperStack II Switch 3900 |
Foundry Networks |
FastIron 24 BigIron 72 |
Extreme Networks |
Summit/48 |
インターコネクトファブリックに使用するハブの選定にあたっては、次の事項に注意してください。
必要な場合以外は、ハブを使用しないでください。
ハブには半二重のものを、スイッチには全二重のものを使用してください。
スイッチと appliance の間でクライアントを増設する場合にのみ、ハブを使用してください。
ハブを使用する場合は、スイッチでの帯域幅は低減させないでください (ハブではすべての帯域幅を共有し、スイッチではすべての帯域幅を使用します)。
ハブに接続するポートの数は 12 を上限としてください。
ハブを使用できるのは、30 台未満の appliance を設置する場合までです。
この節では、Sun Ray 1 appliance の構成要素の仕様について説明します。
テストおよび検証済みの構成要素の一覧については、次の URL を参照してください。 http://www.sun.com/nc/sunray1 http://www.sun.co.jp/nc/sunray1
Sun Ray 1 appliance には、以下の仕様に準拠したマルチシンク VGA モニターを使用できます。
表 2-5 モニターの必要事項
特性 |
値 |
---|---|
ビデオデータ極性 |
値が大きいほどピクセルの輝度が上がります。値が小さいほどピクセルの輝度が下がります。 |
ビデオレベル (赤、緑、青) |
0.755 V (ピーク時) |
黒レベル |
0.055 V (ピーク時) |
ブランキングレベル |
0.00 V (ピーク時) |
同期タイプ |
コンポジットまたはセパレートの水平同期および垂直同期、モニターから定義可能な DDC。 |
同期レベル |
TTL |
同期極性 |
正または負、DDC 定義可能 |
終端抵抗 |
75 オーム (ビデオおよび同期) |
水平周波数範囲 |
43 kHz 〜 92 kHz、ノンインタレース |
垂直周波数範囲 |
60 Hz 〜 85 Hz、ノンインタレース |
プロトコル |
VESA の DDC2B、EDID V1.0 |
標準的な画面解像度は、66 Hz で 1152 × 900、76 Hz で 1152 × 900、76 Hz で 1280 × 1024 です。
DDC データを利用するには、appliance の電源を入れる前に、あらかじめモニターと appliance を接続し、モニターの電源を入れておく必要があります。モニターの DDC データを利用できない場合には、appliance はデフォルトの解像度として 66 Hz で 1152 × 900 を適用します。
Sun Ray 1 appliance は、Sun Type 6 USB キーボードと Sun Crossbow USB マウスを使用するように設計されています。サン以外の USB キーボードやマウスでも、Sun Ray 1 appliance で使用できることがあります。
対応スマートカードの一覧については、次の URL を参照してください。
http://www.sun.com/nc/sunray1
SunMicrophoneTM II は、Sun Ray 1 appliance に対応しています。また、SunCamera も、Sun Ray 1 appliance に対応しています。現在のバージョンのソフトウェアは、ビデオ入力をサポートしていませんが、将来サポートする予定になっています。
特性 |
値 |
---|---|
サポートしている規格 |
NTSC M、PAL B/G/I |
ビデオレベル |
1.0 V (ピーク時) |
ビデオ極性 |
正 |
同期極性 |
負 |
終端抵抗 |
75 オーム |
Sun Ray 1 appliance は、4 ポートの USB ハブを内蔵しています。この内蔵ハブへの接続には、appliance の背面にある 4 つの USB ポートを利用します。ハブドライバはファームウェアに内蔵されています。内蔵ハブには 2 つの増幅器が装備されており、これを 4 つのポート間で共有し、ここから電力を得ています (1 ポートにつき最大 500 mA の電力を供給します)。
現在のバージョンのソフトウェアでは、キーボードとマウス以外の USB 装置はサポートしていませんが、今後のバージョンでその他の装置もサポートする予定です。