ネットワークプリンタとは、印刷サーバーにケーブルで直接接続されてはいないが、印刷クライアントに印刷サービスを提供するハードウェアデバイスのことです。ネットワークプリンタは固有のシステム名と IP アドレスを持ち、ネットワークに直接接続されています。印刷サーバーに直接は接続されていなくても、ネットワークプリンタにも印刷サーバーを設定しておく必要があります。印刷サーバーを設定すると、ネットワークプリンタで、待ち行列化機能、フィルタリング機能、印刷管理機能を使用できるようになります。
ネットワークプリンタでは、 1 つ以上の特別なプロトコルを使用します。このため、プリンタベンダー提供の印刷プログラムが必要です。ベンダー提供の印刷プログラムの設定手順はそれぞれ異なることがあります。プリンタに、こうしたプログラムが付属していない場合は、Solaris Print Manager を使用できます。ただし、できるだけベンダー提供のソフトウェアを使用することを強く推奨します。ベンダー提供の印刷プログラムの詳細については、Solaris 7 System Administrator Collection - Japanese の『Solaris のシステム管理 (第 2 巻)』を参照してください。
次に、ネットワークプリンタのインストールに関して、Solaris Print Manager で使用する用語を示します。
送信先 (ネットワークプリンタのアクセス名): プリンタサブシステムがプリンタにアクセスするときに使用するプリンタノードポートの内部名。プリンタノード名か、プリンタベンダーポート指定が付いたプリンタノード名になる。プリンタベンダーポート指定は、プリンタに固有のものであり、プリンタベンダーのマニュアルで明示的に定義されている。プリンタがプリンタホストデバイスでありプリンタでもある場合、ポート指定は、プリンタホストデバイスのマニュアルに記載されている。書式としては次のいずれかを使用できる
printer_node_name
または
printer_node_name:port_designation
ネットワークプリンタの送信先名の例については、次の節で説明します。
プロトコル: プリンタとケーブルを介して通信するためのネットワークプロトコル。プリンタのマニュアルには、選択するプロトコルに関する情報が記載されている。Solaris Print Manager のネットワークプリンタは、BSD プリンタプロトコルと raw TCP の両方をサポートする。実装によって、両方のプロトコルを使用するように設定することもできる
印刷サブシステムはプリンタのアクセス情報を必要とします。これは、プリンタへのネットワーク接続を行うときにサブシステムが使用する名前です。この名前は、システム管理者が Solaris Print Manager の「新しいネットワークプリンタを設定 (New Network Printer)」画面で指定します。この名前は、プリンタ構成データベースの一部になります。送信先名はプリンタノードの名前であり、ポート名で修飾される場合もあります。ポート指定はプリンタベンダーによって異なります。ポート指定については、プリンタのマニュアルを参照してください。プリンタアクセス名の書式は次のとおりです。
printer_node-name[:port_designation]
TCP の共通ポート指定は 9100 です。プリンタノード名が pn1 で、プリンタベンダー側で、このポートを 9100 と定義している場合、ネットワークプリンタの送信先名は次のようになります。
pn1:9100
BSD プロトコルを使用するとき、ポート指定は番号ではなく、プリンタベンダーが定義した名前です (例:xxx_parallel_1)。プリンタノード名が cardboard であれば、プリンタアクセス名は次のようになります。
cardboard:xxx_parallel_1
ポート指定がなく、プリンタ名が newspaper であれば、プリンタの送信先名はプリンタ名になります。
newspaper