Solaris Easy Access Server 3.0 (SEAS) は別々にリリースされたいくつかの製品を統合したもので、PC ネットワークを Solaris に統合するように設計されたアプリケーションサービス (ファイルサービス、印刷サービス、電子メールサービス、ディレクトリサービス、Web サービスなど) を提供しています。これらの構成要素はすべて Solaris Management ConsoleTM (SMC) で管理できます。SEAS は Solaris オペレーティング環境を拡張したもので、PC ネットワークを Solaris に接続するネットワークソフトウェア、および PC システムの知識を持つ管理者が Solaris を簡単に管理できるようにするためのソフトウェアが含まれています。
Solaris Web Start WizardTM を使用すると、Solaris ソフトウェアを簡単にインストールおよび管理でき、ネットワークを構築するための信頼できるサービスを提供できます。
この章では、次について簡単に説明します。
次に、SEAS 3.0 リリースに含まれる新しい機能を要約します。
インストールを簡単にする Solaris Web Start
Solaris Web Start Wizards による固有な Solaris と JavaTM アプリケーションの設定と管理
SMC による簡単な Solaris サーバーの構成と管理
Java ベースの管理アプリケーションによる Solaris のユーザー、グループ、ネットワーク情報、ファイルシステム、およびシステムポートの管理
使いやすい Java ベースの GUI による印刷管理機能
PC デスクトップクライアント側に変更を加える必要がないクライアント/サーバー接続。またこの機能は、Windows NT サーバーと Solaris サーバーの接続もサポート
デフォルトルーティング、ルートパワードの変更、DNS クライアント、DNS サーバー、及び コンピュータの停止/再起動用の Config Wizards
Sun Enterprise Authentication Mechanism (SEAM)。このクライアント/サーバーアーキテクチャでは、ネットワーク上でセキュリティの保護されたトランザクションを行うために確実にユーザーを認証し、データの完全性とプライバシを提供
次の表に、Solaris Easy Access Server に統合されている個々の製品を示します。
表 1-1 SEAS 3.0 製品製品 | 説明 |
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SolarisAdminSuiteTM 3.0 | ユーザーとホストの管理作業を行うためのソフトウェア製品 |
SolsticeTM DiskSuiteTM 4.2 | 多数のディスクとそのデータを管理して利用可能な記憶容量を増やし、データの利用度を向上させるためのソフトウェア製品 |
Solstice PPP 3.0.1 | Solaris システムと Microsoft Windows システムのインターネットとの接続性を拡張する通信プロトコル。Point-to-Point Protocol (PPP) を使用すると、Solaris システムはインターネットルーターとして機能し、すべての IP アプリケーションを専用回線とダイヤルアップ接続で透過的にサポート |
Solstice Internet Mail ServerTM 2.0 (SIMS) | Solaris ワークグループ用の拡張メールソリューションで、IMAP4、POP3、SMTP、MIME などの標準に基づくオープンなインターネットメールを提供する。モバイルユーザーやリモートユーザーのためにネットワークに接続していない状態のコンピューティングをサポートする |
Solaris Management ConsoleTM 1.0.1 (SMC) | Solaris サーバーの管理を行うための Java ベースのツール |
SMC Configuration Wizards | ルーティング、root パスワードの変更、DNS クライアントと DNS サーバーの構成、およびネットワーク構成のシャットダウン用の Config Wizards |
Sun Directory Services 3.1 (SDS) | 広範で柔軟なディレクトリサービスとネーミングサービスを提供するソフトウェア製品。広く使用されている LDAP v3 準拠のすべてのディレクトリクライアントとインタフェースをとる最先端の LDAP v3 サーバー、既存の NIS 環境にシームレスに統合される NIS サーバー、リモートユーザーの認証機能を提供する RADIUS サーバーがある |
Sun WebServerTM 2.1 | インターネット上で情報のアクセス、管理、配布を行うための高度にスケーラブルで高性能の Web サーバー。Web ベースの管理と先進のセキュリティ機能も提供 |
SunTM Enterprise Authentication MechanismTM 1.0 (SEAM) | ネットワーク上でセキュリティの保護されたトランザクションを行うためのクライアント/サーバーアーキテクチャ。確実な認証機能に加えて、データのプライバシと完全性およびシングルサインオン機能も提供する。SEAM は Kerberos V5 ネットワーク認証プロトコルに基づく |
Netscape CommunicatorTM 4.51 Standard Edition | インターネットで作業および通信する関連ツール群。Netscape NavigatorTM (Web 上の情報を検索および表示する)、Netscape Messenger (電子メールを送受信する、ニュースグループやディスカッショングループに参加する)、および Netscape Composer (Web ページを作成および公開する) がある |
Solaris PC NetLink 1.1 (PC NetLink または SunLink Server) | PC NetLink ソフトウェアは、Solaris オペレーティング環境に Microsoft Windows NT ネットワークサービスを実装する。PC NetLink を使用すると、Solaris サーバーは異機種システム混在ネットワーク内のさまざまなクライアントに対して、ファイルサーバー、印刷サーバー、およびドメインコントローラとして動作できる |
JDK 1.1.7 | Java のアプレットやアプリケーションを作成する開発者向けの Sun Java Development キット |
SolarisTM Print Manager 1.0 | Solaris の印刷を管理する Java アプリケーション。Java ベースの GUI、クライアントとサーバー間のインタフェースであるルーチンのライブラリ、およびユーザーから要求されたタスクを実行するクラスのセットがある |
WBEM/CIM SDK 1.0 | Web ベースのエンタープライズ管理ソフトウェア。標準ベースの管理アプリケーションを作成するソフトウェア開発ツールがある |
AnswerBook2TM | Sun のオンライン文書システム。Web ブラウザインタフェースを使って、さまざまな Solaris AnswerbookTM ブックコレクションとマニュアルページを表示および印刷する |
SEAS 2.0 に含まれていた次の製品は Solaris Easy Access Server 3.0 には含まれていません。
SunScreenTM SKIP
Solstice NFSTM Client
JavaTM IDL
SolsticeTM AutoClientTM
Solaris Data Backup Utility
これらの製品に関する情報は、本製品のご購入先にお問い合わせください。
Sun WebServer 2.1 で必要な次のパッチは統合されました。必要であれば、SEAS 3.0 の Sun WebServer 2.1 Webstart Wizard で自動的にインストールされます。
105181-06 (SPARCTM)、105182-06(i386)
このカーネル更新パッチは、使用頻度が高い Web サーバーを実行しているホストで発生する可能性があるカーネルスレッドの問題を解決します。
105390-02 (SPARCTM)、10606-02 (i386)
このパッチは、SunOSTM 5.6 の sgml パッチで追加されたコマンドのマニュアルページを提供します。
106123-04 (SPARCTM)、106124-04 (i386)
このパッチは、Solaris 2.6 の man コマンドを拡張して、Sun WebServer のマニュアルページと互換性を持たせます。