この章では、Solaris Easy Access Server 3.0 (SEAS) 製品をインストールするためのシステム要件と準備作業を説明します。
SEAS と SEAS クライアントをインストールするために必要なシステム要件を次に示します。
SEAS 製品をインストールするシステムに CD-ROM ドライブが接続されていること
SEAS 製品をインストールするシステムで Solaris 2.6 または Solaris 7 のオペレーティング環境が動作していること。これらの製品の多くはこれより前のバージョンの Solaris オペレーティング環境でも動作しますが (各製品のオンラインマニュアルを参照)、SEAS としてはサポートされていません。
SEAS クライアントをインストールする PC で Windows 95、Windows 98、または Windows NT が動作していること
SEAS 3.0 製品 | デフォルトのインストールパス | 要件 |
---|---|---|
AdminSuite 3.0 | /opt | 7M バイト |
DiskSuite 4.2 | /usr/opt | 20.6M バイトのディスク容量と 2 つ以上のドライブ。DiskSuite がすでにインストールされている場合は、この章の「DiskSuite のアップグレード」を参照 |
PC NetLink 1.1 | /opt | 78.0M バイトのディスク容量。 PC NetLink 1.1 がサポートされるのは、SPARC 上の Solaris 2.6 と Solaris 7、および Intel 上の Solaris 7 だけである。PC NetLink をインストールする Solaris ベースのコンピュータ上では、他のプログラムが NetBIOS のスタックを使用していないことを確認すること。 ただし、TotalNET の NetWare または Apple の機能とでは問題は発生しない |
/var/opt | 15M バイト以上のディスク容量 (100M バイトを推奨) | |
Sun Enterprise Authentication Mechanism 1.0 | /KDC データベースのデフォルトの位置は /var | / に 3M バイト、/usr に 16M バイト、/etc に 144K バイト。すべての KDC サーバー上で、KDC データベース用に /var の B に最小 50M バイトのディスク容量を割り当てる必要がある |
Netscape Communicator 4.51 | /opt | 21.5M バイト。ローカライズされたバージョンごとに 1.5M バイト。文書に 300K バイト |
Solstice PPP 3.0.1 | /opt | 1.4M バイトのディスク容量。GUI を提供するには X Windows マネージャが必要。このユーティリティのコマンド行バージョンもある |
Solstice Internet Mail Server 2.0 | /opt | 1.7M バイトのディスク容量。sendmail プログラムを完全にインストールおよび構成していること |
Solaris Print Manager 1.0 | /usr/sadm | 2.6M バイトのディスク容量 |
Sun Directory Services 3.1 |
/opt ディレクトリデータベースのデフォルトの位置は /var | /opt に 24.9M バイトのディスク容量、/var に 2.0M バイト、/etc に 0.4M バイト。データベースには十分なディスク容量を割り当てる必要がある。1,000 エントリにはおよそ 1.5M バイトのディスク容量が必要。64M バイトの RAM と 128M バイトのスワップ領域が必要。Java 互換ブラウザが必要 (HotJava 1.0.2 を推奨) |
Sun WebServer 2.1 | /usr | ソフトウェアに 11.3M バイト、文書とログファイル用に 2.0M バイトのディスク容量。64M バイト以上のメモリー (96M バイトを推奨)。JDK 1.1.6 または互換バージョンが必要。Hotjava 1.1.5 または付属の Netscape が必要 |
Solaris Management Console 1.0 (Configuration Wizards を含む) | /usr/sadm | 10.0M バイトのディスク容量 |
JDK 1.1.7 | /usr | 32.0M バイト |
WBEM/CIM SDK 1.0 | /opt | 32.0M バイト (SDS を含む) |
/usr | 10.0K バイト |
Web Start WizardTM はインストールする構成要素に基づいて利用可能なディスク容量を調べます。しかし、SEAS 製品をインストールする前に十分なディスク容量が利用可能であることを確認してください。表 2-2 に必要なディスク容量を示します。ディスク容量とメモリーの要件はおおよそのものであり、システム構成によって異なります。
表 2-2 ディレクトリごとに必要なディスク容量ディレクトリ | 必要なディスク容量の合計 (単位は M バイト) |
---|---|
/ | 6 |
/usr | 47 (34) |
/var | 34 |
/opt | 141 (21) |
() の中の数値は、SEAS 3.0 Documentation CD から日本語パッケージと AnswerBook2 サーバーをインストールする場合にさらに必要な値です。
SEAS 製品ファイルをインストールするディレクトリに十分なディスク容量があるかどうか不明な場合、次のコマンドで現在のディスク使用状況を確認できます。
ファイルシステム統計情報の表示コマンド: df -k
ディスク使用状況の報告コマンド: du directory
コマンド df -k directory は、マウントされているファイルシステムごとに使用されているディスク容量と利用可能なディスク容量を表示します。次の例は、/opt で 101,061K バイトが利用可能であることを示しています。
たとえば、df -k /opt を実行すると、次のように表示されます。
Filesystem kbytes used avail capacity Mounted on /dev/dsk/c0t0d0s5 123455 10049 101061 10% /opt |
コマンド du directory は、指定した 1 つまたは複数のディレクトリの下にあるすべてのファイルおよびサブディレクトリに使用されているディスク容量を、サブディレクトリごとに報告します。ディスク使用状況はブロック単位で報告されます。左側にある数字は、ディレクトリに使用されているディスク容量のブロック数を示しています。次の例は、/opt/SUNWits ディレクトリに 18,456 ブロックのディスク容量が使用されていることを示しています。
たとえば、du /opt を実行すると、次のように表示されます。
18456 /opt/SUNWits 2 /opt/SUNWleo/include 4 /opt/SUNWleo |
SEAS 製品をアンインストールするには、次のうち 1 つを使用します。
Solaris Product Registry - 詳細は、「Solaris Product Registry によるアンインストール」を参照してください。
jre コマンド - 詳細は、「jre コマンドによるアンインストール」を参照してください。
pkgrm コマンド - 詳細は、「pkgrm コマンドによるアンインストール」を参照してください。
アプリケーションが不要になったときや、空きディスク容量を増やしたいときは、Solaris Product Registry を使って不要なアプリケーションをアンインストールします。個々の手順については、「Solaris Product Registry からの製品のアンインストール」を参照してください。Solaris Product Registry の左パネルで削除するアプリケーションを選択すると、右パネルにアンインストールの実行プログラム名が表示されます。
jre コマンドで SEAS アプリケーションを削除する場合、アプリケーションからアンインストールプログラムを実行できます。これは個々の製品別に Solaris Product Registry を起動する方法です。
たとえば、Solstice DiskSuite を削除する場合、スーパーユーザーのシステムプロンプトに次のコマンドを入力します。
sun# jre -cp /var/sadm/prod/com.sun.DiskSuite/607900099 uninstall_DiskSuite_4.2 |
スーパーユーザーとしてログインし、また、アプリケーションを構成しているパッケージ名を知っている必要があります。たとえば、Sun Directory Services を削除する場合、このアプリケーションはパッケージ SUNWlicsw、SUNWlit、SUNWsds、および SUNWsdsc で構成されているため、次の pkgrm コマンドを入力します。
sun# pkgrm SUNWlicsw SUNWlit SUNWsds SUNWsdsc SUNWjelit SUNWjesds |
アプリケーションを構成しているパッケージ名を表示するには、コマンド pkginfo | grep application_name を使用します。そして、上記のように pkgrm コマンドを使用します。
次の SEAS 製品には、インストール前に特別なアップグレード作業が必要です。
DiskSuite 4.2 のアップグレードは複雑です。『Solstice DiskSuite 4.2 ご使用にあたって』を全体を通して注意深く読んでください。特に、次の節には注意してください。
『Solstice DiskSuite 4.2 ご使用にあたって』の「旧バージョンの DiskSuite が稼働しているシステムのアップグレード」
『Solstice DiskSuite 4.2 ご使用にあたって』の「Solstice DiskSuite 4.2 へのアップグレード」
SEAS 2.0 をインストールした場合、Sun Directory Services 3.1 とパッチ 106621-02 が付属していました。SEAS 3.0 には Sun Directory Services 3.1 の新しいバージョンが含まれていて、このバージョンにはパッチ 106621-05 が必要です。SEAS 3.0 に含まれている新しいバージョンの Sun Directory Services をインストールしても、パッチ 106621-05 は自動的にはインストールされません。このため、Sun Directory Services の動作が非常に遅くなります。
SEAS 2.0 の Sun Directory Services 3.1 から SEAS 3.0 の Sun Directory Services 3.1 にアップグレードする場合は、次の 2 つの方法があります。
Sun Directory Services 3.1 をインストールする前に、Sun Directory Services のパッチ 106621-02 (SPARC の場合) と 106622-02 (Intel の場合) をアンインストールします。
Sun Directory Services 3.1 をインストールした後に、パッチ 106621-02 (SPARC の場合) と 106622-02 (Intel の場合) をアンインストールします。そして、SEAS 3.0 のSoftware CD にあるパッチ 106621-05 (SPARC の場合) と 106622-05 (Intel の場合) をインストールします。
TotalNET Access Server 5.2 (TAS) がインストールされていて、PC NetLink をインストールするときに実行されている場合、Installer はインストールを終了する前にインストールを強制的に中止します。
TAS 5.2 NetBEUI を停止して PC NetLink のインストールを有効にする手順については、SEAS 3.0 Software CD にある 『PC NetLink 1.1 ご使用にあたって』を参照してください。