Sun Cluster 2.2 ソフトウェアのインストール

Sun Cluster の概要

Sun Cluster システムは、クラスタ化されたサーバー (Sun Cluster サーバー) 上でデータサービスに対する高可用性 (HA) サポートを提供し、並列データベースへのアクセスを可能にするソフトウェア環境です。Sun Cluster サーバーは、Solaris 2.6 または Solaris 7 オペレーティング環境、Sun Cluster フレームワークソフトウェア、ディスクボリューム管理ソフトウェア、高可用性データサービスまたは並列データベースアプリケーション (OPS または XPS) を実行します。

Sun Cluster フレームワークソフトウェアは、ハードウェアとソフトウェアの障害検出機能、Sun Cluster システム管理、システムフェイルオーバー、障害発生時のデータサービスの自動再起動機能を提供します。Sun Cluster ソフトウェアには、HA データサービスとアプリケーションプログラミングインタフェース (API) のセットが付属します。この API を使用して、Sun Cluster フレームワークと提供されている HA データサービスを統合することによって、別の HA データサービスを作成することができます。

Sun Cluster の並列データベースで使用される共有ディスクアーキテクチャは、複数のクラスタノード経由で 1 つのデータベースへの同時アクセスを可能にすることによって、データベースの高可用性を実現しています。1 つのノードで問題が発生しても、大きな遅延なしに、別のノードを使用して引き続きデータを利用できます。

Sun Cluster は、Solstice DiskSuite、Sun StorEdge Volume Manager (SSVM)、Cluster Volume Manager (CVM) のいずれかのボリューム管理ソフトウェアを使用して、多重ホストディスク (複数の Sun Cluster サーバーからアクセス可能なディスク) を管理します。3 つのボリューム管理ソフトウェアはすべて、ディスクのミラー化、結合、ストライプ化、ホットスペア機能を提供します。SSVM と CVM は、RAID5 機能も提供します。

Sun Cluster システムの目的は、システムが使用できなくなることを障害を管理することによって回避することにあります。これは、ハードウェアの冗長性とソフトウェアの監視、再起動機能を追加することによって実現されています。これらの対策によって、システム上のシングルポイント障害が減少します。シングルポイント障害とは、クライアントアプリケーションからのシステム全体へのアクセスを不可能にするハードウェアまたはソフトウェアコンポーネントの障害です。

冗長ハードウェアでは、ハードウェアコンポーネントごとに、障害コンポーネントの後をテイクオーバーできるバックアップコンポーネントが存在します。障害モニターは、Sun Cluster フレームワークと HA データサービスを定期的に調査し、素早く障害を検出します。HA データサービスの場合、HA 障害モニターは、障害ノードで動作していたデータサービスを別のノードに移すことによって障害に対処します。ノードに障害がなかった場合は、同じノードでのデータサービスの再起動を図ります。

Sun Cluster 構成では、次のようなシングルポイント障害に対応できます。