Sun Cluster 2.2 ソフトウェアのインストール

インストールの障害追跡

表 3-1 に、Sun Cluster のインストールでよく発生する問題と対策を示します。

表 3-1 Sun Cluster のインストールでよく発生する問題と対策

問題 

対策 

クラスタノードを起動したが、プライベートネットが正しく設定されないために、クラスタに結合できない。 

-i オプション付きで scconf(1M) コマンドを実行することによって、正しいプライベートネットインタフェースを指定し、クラスタを再起動してください。

クラスタノードを起動したが、プライベートネットの 1 つに対する Ethernet アドレスの指定が不正なために、予約に失敗し、異常終了する。 

-N オプション付きで scconf(1M) コマンドを実行することによって、ノードの正しい Ethernet アドレスを指定し、クラスタを再起動してください。

クラスタに不正な定足数デバイスが含まれていると、定足数デバイスを予約できないため、最初のノードがクラスタに結合できない。 

-q オプション付きで scconf(1M) コマンドを実行することによって、有効な定足数デバイス (コントローラまたはディスク) を指定してください。有効な定足数デバイスを設定したら、クラスタを再起動します。

クラスタを起動しようとすると、ノード 0 からそのためのシグナルを受信した後でノードが異常終了する。 

原因として、CDB ファイル 

(/etc/opt/SUNWcluster/conf/clustername.cdb)

の内容の不一致が考えられます。cksum を使用して、別のノードの CDB ファイルと比較してください。一致しない場合は、正常なノードの CDB ファイルを他のノードにコピーしてください。正常なノードの

ccd.database.init ファイルの他のノードへのコピーが必要になることもあります。

中止したインストールのやり直し

クライアントまたはサーバーのインストール途中で scinstall(1M) セッションが終了した場合は、次の手順に従って環境を整理してから、scinstall(1M) を再実行できます。

中止したクライアントインストールをやり直すには

  1. 後で復元できるように、管理ワークステーションから、/etc/serialports ファイルと /etc/clusters ファイルを安全な場所に保存します。

  2. 管理ワークステーションから pkgrm を使用して、クライアントパッケージを削除します。

  3. scinstall(1M) を使用して、すでにインストールされている Sun Cluster 2.2 のクライアントパッケージを削除します。

    # cd /cdrom/suncluster_sc_2_2/Sun_Cluster_2_2/Sol_2.x/Tools
    # ./scinstall
    
     ============ Main Menu =================
     
     1) Install/Upgrade - Install or Upgrade Server Packages or Install Client Packages.
     2) Remove  - Remove Server or Client Packages.
     3) Change  - Modify cluster or data service configuration
     4) Verify  - Verify installed package sets.
     5) List    - List installed package sets.
    
     6) Quit    - Quit this program.
     7) Help    - The help screen for this menu.
    
     Please choose one of the menu items: [6]:  2
    
  4. 「管理ワークステーションの準備をして、クライアントソフトウェアをインストールするには」の手順に従って、scinstall(1M) を再実行します。

  5. 手順 1 で保存した /etc/serialports/etc/clusters ファイルを復元します。

中止したサーバーインストールをやり直すには

  1. dfstab.logicalhost および vfstab.logicalhost ファイルがすでに存在している場合は、後で復元できるよう、それらのファイルを安全な場所に保存します。

    /etc/opt/SUNWcluster/conf/hanfs 内を探してください。これら 2 つのファイルは、scinstall(1M) を再実行し、クラスタの構成を終えた後で復元します。

  2. scinstall(1M) コマンドを使用して、すでにインストールされている Sun Cluster 2.2 のサーバーソフトウェアを削除します。

    # cd /cdrom/suncluster_sc_2_2/Sun_Cluster_2_2/Sol_2.x/Tools
    # ./scinstall
    
     ============ Main Menu =================
     
     1) Install/Upgrade - Install or Upgrade Server 
        Packages or Install Client Packages.
     2) Remove  - Remove Server or Client Packages.
     3) Change  - Modify cluster or data service configuration
     4) Verify  - Verify installed package sets.
     5) List    - List installed package sets.
    
     6) Quit    - Quit this program.
     7) Help    - The help screen for this menu.
    
     Please choose one of the menu items: [6]:  2
    
  3. すべてのノードから次の Sun Cluster 2.2 ディレクトリとファイルを削除します。


    注意 - 注意 -

    scinstall(1M) によって、SUNWdid パッケージが削除されることはありません。SUNWdid パッケージを手動で削除しないでください。SUNWdid パッケージを削除すると、データが失われることがあります。


    これらのディレクトリの一部は、scinstall(1M) によってすでに削除されていることがあります。

    # rm /etc/pnmconfig
    # rm /etc/sci.ifconf
    # rm /etc/sma.config
    # rm /etc/sma.ip
    # rm -r /etc/opt/SUNWcluster
    # rm -r /etc/opt/SUNWpnm
    # rm -r /opt/SUNWcluster
    # rm -r /opt/SUNWpnm
    # rm -r /var/opt/SUNWcluster
    
  4. scinstall(1M) を再実行して、Sun Cluster 2.2 をインストールします。

    「サーバーソフトウェアをインストールするには」に戻り、手順 3 の作業から始めてください。

  5. クラスタを構成します。

    「クラスタを構成するには」の手順に従ってください。

  6. 手順 1 で保存した dfstab.logicalhost および vfstab.logicalhost ファイルを復元します。

    クラスタを起動する前に、すべてのノードの /etc/opt/SUNWcluster/conf/hanfsdfstab.logicalhostvfstab.logicalhost ファイルを復元してください。