Sun Cluster 2.2 ソフトウェアのインストール

Netscape Mail のインストール

Sun Cluster HA for Netscape Mail は、Sun Cluster の制御の下に動作する Netscape Mail です。この節では、ns-setup コマンドを使用して Netscape Mail をインストールし、Sun Cluster HA for Netscape Mail データサービスとして実行できるようにする手順を説明します。

Sun Cluster HA for Netscape Mail データサービスは非対称データサービスであり、クラスタ内の 1 つの論理ホストだけがメールサービスを提供します。


注 -

Sun Cluster HA for Netscape Mail サービスの障害検証により、短時間の間に /var/log/syslog が一杯になってしまうことがあります。これを避けるには、/etc/syslog.conf ファイル内の mail.debug をコメントアウトし、syslogd(1M) デーモンに HUP シグナルを送信することによって、mail.debug メッセージのログ記録を無効にしてください。


Sun Cluster HA for Netscape Mail を構成するには、Sun Cluster サーバー上で次の条件が満たされている必要があります。

Netscape Mail は 1 つのサーバーにインストールするため、Sun Cluster HA for Netscape Mail では、デフォルトのインストールパラメータとは異なる設定がいくつか必要になります。特に次の点に注意してください。

Netscape Mail をインストールするには

この手順では、ns-setup コマンドおよび Sun Cluster のコマンドと対話しながら作業を進めます。ただし、ここで説明するのは、Sun Cluster HA for Netscape Mail に関連する部分だけです。その他の部分については、適宜デフォルト値を選択するか、変更してください。

  1. CD 上の Netscape Mail のインストールディレクトリから ns-setup コマンドを実行します。

    CD 上の Netscape Mail の格納場所に移動して、ns-setup コマンドを実行してください。

    phys-hahost1# cd /cdrom/commerce/solaris/us/https/mail
    phys-hahost1# ./ns-setup
    

    注 -

    CD 上の Netscape ディレクトリが、この例で示すディレクトリと異なることがあります。実際の場所については、Netscape のマニュアルを参照してください。


    使用許諾契約書に続いて、次のような画面が表示されます。

    Netscape Communications Corporation
     Netscape SuiteSpot Server Installation
     ---------------------------------------------------------------
    
     This program will extract the server files from the distribution
     media and install them into a directory you specify. This
     directory is called the server root and will contain the server
     programs, the Administration Server, and the server
     configuration files.
    
     Server root [/usr/netscape/suitespot]:
     To accept the default in brackets, press return.
  2. Netscape Web Server 用の論理ホスト名と適切な DNS ドメイン名を入力します。

    完全名は、hahost1.sun.com というような hostname.domainname の形式になります。デフォルト値は使用しないでください。データサービス用のディレクトリを作成している場合は、そのディレクトリ名を入力することもできます。


    注 -

    Sun Cluster HA for Netscape Mail が正しくフェイルオーバーするには、この問い合わせだけでなく、他のすべての問い合わせに対しても、物理ホスト名ではなく、論理ホスト名を使用する必要があります。


    たとえば、次のようになります。

    Machine's name [phys-hahost1]:hahost1

    画面に表示される指示に従って、サーバーのインストール作業を進めてください。多くの場合、デフォルト値をそのまま使用できます。

  3. 問い合わせが表示されたら、サーバーの管理者 ID とパスワードを入力します。

    システムのガイドラインに従ってください。


    注 -

    デフォルトの管理ポートは、データサービスが待機するポートではないため、デフォルト値をそのまま使用できます。


    次のようなメッセージが表示されます。

    Attempting to start Netscape Admin Server...
  4. プロンプトが表示されたら、次に進みます。

  5. ユーザー名とグループ名、ドメイン名を指定します。

    Sun Cluster HA for Netscape Mail を実行する Sun Cluster サーバー上で、メールサーバーに設定したユーザー名を入力してください。

  6. システムコンポーネント用のディレクトリを指定します。

    システムのいろいろなコンポーネントをインストールするディレクトリの問い合わせがあります。たとえば、/hahost1/mail/mailbox/hahost1/mail/postoffice というように論理ホスト上のディレクトリを指定してください。

  7. サーバーの識別名を指定します。

  8. NIS モジュールと Greeting Forms 機能を使用するかどうかを指定します。

    次の例に示すように、指定した情報を確認する画面が表示されます。

    Mail user name:
     Domain name:
     Mailbox directory:
     Post Office directory:
     Server Identifier:
     NIS lookups:
     Greeting forms:
    
     You may accept these choices or quit the installation.
    
     Install Netscape Messaging Server? [y]:
  9. 準備ができたら、Netscape Messaging Server をインストールし、表示されるプロンプトに応答します。

    構成の設定方法に従い、適切に情報を指定してください。すべての変更が有効になると、次のメッセージが表示されます。

    Netscape Messaging Server installation complete
  10. プロンプトが表示されたら Netscape Messaging Server を起動します。

  11. 物理ホストから hadsconfig コマンドを実行します。

    [phys-hahost1]: hadsconfig
    
  12. プロンプトに対して「nsmail」のメニュー項目番号を入力します。

    インストールしたサービスによって、メニューの内容が異なることがあります。

  13. プロンプトに対して「Create a new instance」の項目番号を入力します。

    次のような画面が表示されます。

    Name of the instance [nsmail]  [?]
     Logical host [?]
     Take over flag [y]
    
     Following are the specifications of this instance
     Name of the instance :
     Logical host :
     Number of times to retry :
     Time between retries (sec) :
     Configuration File :
     Fault probe program :
     Time between probes (sec) :
     Time out value for the probe (sec) :
     Take over flag :
     Add this instance ?  (yes/no) [yes]
     Instance added to workfile
     Press enter to return to main menu
  14. インスタンス名を入力します。

  15. 論理ホスト名を入力します。

  16. その他の項目については、構成に従ってデフォルト値をそのまま使用するか、変更します。

    ここでは、必要に応じてデフォルト値を変更できます。

  17. このインスタンスを追加します。

    Instance added to workfile」というメッセージが表示されます。

  18. プロンプトが表示されたら、Main Menu に進みます。

    Configuration has changed in workfile」というメッセージが表示されます。

  19. プロンプトが表示されたら、ワークファイルの情報に基づいて構成情報を更新します。

  20. Quit」のメニュー項目番号を入力します。

    物理ホストのルートプロンプトに戻ります。

  21. hareg(1M) コマンドを使用して、サービスを登録し、起動します。

    1 つのホスト上でだけ hareg(1M) コマンドを実行してください。

    まだサービスを登録していない場合は、hareg(1M) コマンドを使用して登録してください。論理ホスト上でだけデータサービスを登録するには、-h オプションを使用して、論理ホスト名を指定します。

    # hareg -s -r nsmail [-h logicalhost]

    クラスタをすでに起動している場合は、次の hareg(1M) コマンドを使用して、サービスを起動します。

    # hareg -y nsmail
    

    これで、Netscape Mail のインストールは完了です。