新たに Solstice DiskSuite を実行する環境でディスク ID (DID) を利用するには、ディスク ID 疑似ドライバが必要です。ディスク ID を使用して、メタデバイスは、実際のディスクのデバイス名からは独立してデータを検出することができます。データがデバイス名ではなくディスク ID によって検出されるため、構成変更やハードウェアの更新は問題ではなくなります。
ディスク ID とディスクパス間のマッピングを作成するには、ノード 0 から scdidadm(1M) コマンドを実行します。scdidadm(1M) コマンドは、次の 3 つのコンポーネントを設定します。
ディスク ID (DID) - 物理ホストに割り当てられる「1」などの短縮番号
DID インスタンス番号 - phys-hahost3:/dev/rdsk/c0t0d0 などの、raw ディスクデバイスへの完全パス
DID 完全名 - /dev/did/rdsk/d1 などの DID の完全パス
Solstice HA 1.3 は、2 ノードのクラスタのみサポートしていました。この 2 ノードの構成では、両方のノードを同じプラットフォーム上で同一の構成にする必要があったため、Solstice DiskSuite デバイスドライバが使用するメジャー/マイナーデバイス番号は、両方のシステムで同じでした。3 ノード以上の構成では、ディスクのマイナー番号をクラスタ内の全ノード上で同じにすることは困難です。同じディスクであっても、ノードによってメジャー/マイナー番号が異なることがあります。DID ドライバは、生成された DID デバイス名を使用して、異なるノード上の、メジャー/マイナー番号が異なる可能性があるディスクにアクセスします。
Solstice DiskSuite を使用する、3 ノード以上のクラスタでは、DID ドライバを使用する必要がありますが、このことは、Solstice DiskSuite の新しい導入先のすべてに適用される一般化された条件になっています。DID ドライバを使用することにより、将来的に 2 ノードの Solstice DiskSuite 構成を 3 ノード以上の構成に移行できます。
Solstice HA 1.3 を Sun Cluster 2.2 にアップグレードする場合、scdidadm(1M) コマンドを実行する必要はありません。