Sun Cluster 2.2 ソフトウェアのインストール

多重ホスト UFS ファイルシステムを作成するには

ここでは、各ディスクセットに必須の管理ファイルシステムなどの多重ホスト UFS ファイルシステムを作成する方法を説明します。

  1. すべてのディスクセットについて、ファイルシステムを含めるメタデバイスを特定または作成します。

    管理ファイルシステム用に、次のコンポーネントで構成されるトランスメタデバイスを作成することを推奨します。

    • マスターデバイス: 最初の 2 つのコントローラ上のドライブ 1 に含まれるスライス 4 上の 2 つの 2 M バイトスライスを使用するミラー

    • ロギングデバイス: 最初の 2 つのコントローラ上のドライブ 1 に含まれるスライス 6 上の 2 つの 2 M バイトスライスを使用するミラー

  2. ディスクセットの所有権を持っていることを確認します。

    初期構成の一環として多重ホストファイルシステムを作成する場合は、すでにディスクセットの所有権を持っています。ディスクセットの所有権の取得については、metaset(1M) のマニュアルページを参照してください。

  3. HA 管理ファイルシステムを作成します。

    1. newfs(1M) コマンドを実行します。

      この例では、トランスメタデバイス d11 にファイルシステムを作成します。

      phys-hahost1# newfs /dev/md/hahost1/rdsk/d11
      

      注意 - 注意 -

      ファイルシステムを作成する過程で、ディスク上のすべてのデータが破壊されます。


    2. HA 管理ファイルシステム用のマウントポイントを作成します。

      この例では、マウントポイントとして論理ホスト名を使用します。

      phys-hahost1# mkdir /hahost1
      
    3. HA 管理ファイルシステムをマウントします。

      phys-hahost1# mount /dev/md/hahost1/dsk/d11 /hahost1
      
  4. 多重ホスト UFS ファイルシステムを作成します。

    1. newfs(1M) コマンドを実行します。

      この例では、トランスメタデバイスの d1d2d3d4 にファイルシステムを作成します。

      phys-hahost1# newfs /dev/md/hahost1/rdsk/d1
      phys-hahost1# newfs /dev/md/hahost1/rdsk/d2
      phys-hahost1# newfs /dev/md/hahost1/rdsk/d3
      phys-hahost1# newfs /dev/md/hahost1/rdsk/d4
      

      注意 - 注意 -

      ファイルシステムを作成する過程で、ディスク上のすべてのデータが破壊されます。


    2. 多重ホスト UFS ファイルシステム用のマウントポイントを作成します。

      phys-hahost1# mkdir /hahost1/1
      phys-hahost1# mkdir /hahost1/2
      phys-hahost1# mkdir /hahost1/3
      phys-hahost1# mkdir /hahost1/4
      
  5. /etc/opt/SUNWcluster/conf/hanfs ディレクトリを作成します。

  6. /etc/opt/SUNWcluster/conf/hanfs/vfstab.logicalhost ファイルを編集して、管理ファイルシステムおよび多重ホスト UFS ファイルシステム情報を更新します。

    全クラスタノードの vfstab.logicalhost ファイルに同じ情報が含まれていることを確認します。cconsole(1) 機能を使用することによって、クラスタ内の全ノード上の vfstab.logicalhost ファイルを同時に編集できます。

    下記は、vfstab.logicalhost ファイルの例です。管理ファイルシステムと別の 4 つの UFS ファイルシステムを示しています。

     
    #device                 device                   mount       FS   fsck  mount mount
    #to mount               to fsck                  point       type pass  all   options#
    /dev/md/hahost1/dsk/d11 /dev/md/hahost1/rdsk/d11 /hahost1    ufs  1     no    -
    /dev/md/hahost1/dsk/d1  /dev/md/hahost1/rdsk/d1  /hahost1/1  ufs  1     no    -
    /dev/md/hahost1/dsk/d2  /dev/md/hahost1/rdsk/d2  /hahost1/2  ufs  1     no    -
    /dev/md/hahost1/dsk/d3  /dev/md/hahostt1/rdsk/d3 /hahost1/3  ufs  1     no    -
    /dev/md/hahost1/dsk/d4  /dev/md/hahost1/rdsk/d4  /hahost1/4  ufs  1     no    -
  7. ディスクセットの所有権を放棄します。

    必要ならば、最初にファイルシステムをマウント解除します。

    ディスクセットに対して上記の作業を行うノードは暗黙でディスクセットの所有権を取得するため、作業が終了したら、所有権を放棄する必要があります。

    phys-hahost1# metaset -s hahost1 -r
    
  8. (省略可能) ファイルシステムを NFS で共有可能にする場合は、第 11 章「Sun Cluster HA for NFS の構成と管理」を参照します。