Sun Cluster 2.2 ソフトウェアのインストール

クラスタインターコネクト

クラスタインターコネクトは、重要なロック情報とハートビート情報に使用される信頼性の高いノード間通信チャネルを提供します。インターコネクトは、クラスタの高可用性や同期、完全性の管理に使用されます。クラスタインターコネクトは、2 つのプライベートリンクで構成されます。これらのリンクは冗長な構成であり、クラスタの動作に必要なのは 1 つだけです。すべてのノードが動作していて、1 つのプライベートインターコネクトが失われても、クラスタ動作は継続します。ただし、ノードがクラスタを結合する場合、結合が正しく行われるには、両方のプライベートインターコネクトが動作可能である必要があります。


注 -

このマニュアルでは、ネットワークアダプタインタフェースの hme1hme2 をクラスタインターコネクトとしています。実際には、このインタフェースは、ハードウェアプラットフォームとプライベートネットワーク構成によって異なることがあります。前提として求められるのは、2 つのプライベートインターコネクトが同じコントローラを共有しないことです。そうすることによって、シングルポイント障害が原因でインターコネクトが動作をが中断することがなくなります。


クラスタは、プライベートインターコネクト媒体として SCI (Scalable Coherent Interface) または Fast Ethernet のいずれかを使用できます。ただし、これらの媒体を混在させる、つまり、同じクラスタ内で SCI と Ethernet プライベートインターコネクトの両方を使用することはできません。

スイッチ管理エージェント

スイッチ管理エージェント (SMA) は、プライベートインターコネクト上の通信チャネルを保守するクラスタモジュールです。SMA エージェントはプライベートインターコネクトを監視し、障害を検出した場合は、残っているプライベートネットワークに対して論理アダプタのフェイルオーバーを行います。複数の障害を検出した場合は、クラスタメンバーシップを変更するために必要な作業を行うクラスタメンバーシップモニターにそのことを通知します。

クラスタ化された環境に求められる通信条件は、その環境でサポートするデータサービスの種類によって異なります。HA データサービスだけ提供するクラスタは、プライベートインターコネクト上でハートビートと最低限のクラスタ構成トラフィックを必要とするだけであり、そうした構成では、Fast Ethernet で十分です。並列データベースサービスを提供するクラスタは、プライベートインターコネクト上で大量のトラフィックを送信します。このため、そうしたアプリケーションでは、スループットの大きい SCI の方に利点があります。

SCI クラスタに対する SMA

SCI (Scalable Coherent Interface) は、クラスタノード間のメモリー共有を可能にする、メモリーを使用した高速のインターコネクトです。SCI プライベートインターコネクトは、SCI に基づく伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル (TCP/IP) ネットワークインタフェースで構成されます。

スイッチまたはハブによって、どのような規模のクラスタでも相互接続できます。ただし、ポイントツーポイント接続できるのは 2 ノードのクラスタだけです。SCI リンクとスイッチに対するセッションは、システム管理エージェント (SMA) ソフトウェアコンポーネントによって管理されます。

Sun Cluster では、基本的な SCI トポロジとして、次の 3 つをサポートしています (図 1-1図 1-2 を参照)。

図 1-1 4 ノードの SCI クラスタトポロジ

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図 1-2 2 ノード の SCI クラスタトポロジ

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Ethernet クラスタに対する SMA

スイッチまたはハブによって、どのような規模のクラスタでも相互接続できます。ただし、ポイントツーポイント接続できるのは 2 ノードのクラスタだけです。Ethernet スイッチまたはハブ上の通信は、システム管理エージェント (SMA) ソフトウェアコンポーネントによって管理されます。

Sun Cluster では、基本的な Ethernet トポロジとして、次の 3 つをサポートしています (図 1-3図 1-4 を参照)。

図 1-3 4 ノードの Ethernet クラスタトポロジ

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図 1-4 2 ノードの Ethernet クラスタトポロジ

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