Sun Cluster 2.2 ソフトウェアのインストール

高可用性と並列データベースの構成

Sun Cluster は、HA データサービスと並列データベースの構成をサポートしています。いくつかの制限がありますが、HA および 並列データベースを 1 つのクラスタ内で組み合わせることもできます。

HA 構成内のデータサービスは、複数のホストを同じ物理ディスク格納装置に接続することによって高可用性になります。各ホストの状態は、プライベートインターコネクトを介して監視されます。ホストの 1 つで問題が発生すると、同じ共有記憶装置に接続されている別のホストが、障害ホストの行なっていたデータサービス業務を引き継ぐことができます。図 1-10 は、高可用性データサービス構成の例です。

図 1-10 高可用性データサービス構成

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Oracle Parallel Server (OPS) は、複数のホストが共有記憶装置上の同じデータにアクセスすることを可能にすることによってリレーショナルデータベースを高可用性にします。共有ディスク格納装置へのトラフィックは、2 つのプロセスが同時に同じデータにアクセスすることを防止する DLM によって制御されます。高可用性は、データベースへのアクセストラフィックを障害ホストから残りのノードの 1 つにリダイレクトすることによって実現されます。図 1-11 は、高可用性 OPS 構成の例です。プライベートインターコネクトは SCI (Scalable Coherent Interface) または Fast Ethernet のどちらでもかまいません。

図 1-11 OPS データベース構成

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Informix-Online XPS 並列データベースは、複数の共有記憶装置にまたがってリレーショナルデータベースをパーティション分割することによって並列アクセスを可能にします。複数のホストプロセスは、同じパーティションに格納されているデータにアクセスするのでなければ、同じデータベースに同時にアクセスできます。特定の 1 つのパーティションへのアクセスは 1 つのホストによって行われるため、そのホストで問題が発生すると、そのパーティションのデータは利用できなくなります。このため、Informix-Online XPS は並列データベースではありますが、Sun Cluster 内で高可用性の構成にすることはできません。