Sun Cluster 2.2 ソフトウェアのインストール

Solaris オペレーティング環境のインストール計画

Sun Cluster ソフトウェアをインストールするには、同じバージョンの Solaris オペレーティング環境 (Solaris 2.6 または Solaris 7) を使用して、クラスタ内のすべてのノードをインストールする必要があります。クラスタノードに Solaris をインストールするときは、この節で説明する一般的な規則に従ってください。


注 -

Sun Enterprise 10000 以外のプラットフォームには、Solaris オペレーティング環境のソフトウェアパッケージとして、少なくとも全体ディストリビューションをインストールする必要があります。Sun Enterprise 10000 システムには、全体ディストリビューションプラス OEM が必要です。


Solaris のインタフェースグループの利用

Solaris 2.6 オペレーティング環境には、インタフェースグループという新機能が追加されています。この機能は、Solaris 2.6 ではデフォルトの動作として実装されていますが、以降のリリースでは、オプションです。

ifconfig(1M) のマニュアルページで説明しているように、インタフェース (論理または物理のいずれか) が別のインタフェースと IP 接頭辞を共有する場合、それらインタフェースは 1 つのインタフェースグループにまとめられます。発信元アドレスが指定されていない場合、IP はインタフェースグループを使用して、発信元アドレスを交替で選択し、同じグループに複数の物理インタフェースがある場合は、IP の宛先ごとに異なる IP アドレスにまたがってトラフィックを配信します (IP の宛先別の情報については、netstat(1M) を参照)。

インタフェースグループ機能を有効にすると、論理ホストのスイッチオーバーで問題が発生します。すなわち、RPC タイムアウトが発生して、スイッチオーバーで問題が発生し、論理ホストが現在のホスト上でマスターされたままになります。

あらゆるクラスタノードについて、インタフェースグループは無効にしてください。インタフェースグループの状態は、/etc/system ファイルの ip_enable_group_ifs の値によって決まります。

このパラメータの値は、次の ndd コマンドで確認できます。

# ndd /dev/ip ip_enable_group_ifs

値として 1 (有効) が返された場合は、次のコマンドを実行することによってインタフェースグループを無効にしてください。

set ip:ip_enable_group_ifs=0

注意 - 注意 -

/etc/system ファイルを編集した場合は、必ずシステムを再起動してください。


システムディスクのパーティション分割

Solaris 2.6 または Solaris 7 をインストールすると、システムディスクは、ルート (/) や /usr、その他標準のファイルシステム用のスライスにパーティション分割されます。Sun Cluster および使用するボリュームマネージャに求められる条件を満たすには、このパーティション構成を変更する必要があります。この後の説明に従って、ディスク空間を割り当ててください。

ファイルシステム用スライス

表 2-1 に、スライス番号、内容、およびファイルシステム、スワップ空間、スライスに推奨する空間割り当て量を示します。JumpStartTM を使用して Solaris をインストールすると、デフォルトでこれらの値が使用されますが、Sun Cluster で、この構成が必須というわけではありません。

表 2-1 ファイルシステム用スライス

番号 

内容 

割り当て量 (M バイト) 

ルート (/)

80 

スワップ 

50 

/var

残りの空き領域 (他の割り当て量によって変化) 

/opt

300 

/usr

300 

ボリュームマネージャ用スライス

Solstice DiskSuite を使用する場合は、上記とは別に、メタデバイス状態データベースの複製用としてシステムディスクに 10M バイトを確保する必要があります。複製についての詳細は、Solstice DiskSuite のマニュアルを参照してください。

SSVM または CVM を使用する場合は、上記とは別に、2 つのパーティションと、SSVM または CVM が管理する各多重ホストディスク上に、rootdg ディスクグループ用として少量の空き領域 (1024 セクター分) を確保する必要があります。この空き領域は各ディスクの先頭または最後の部分に確保します。各ディスクの先頭または最後の部分は、スライスに割り当てないでください。詳細は、「Sun StorEdge Volume Manager と Cluster Volume Manager に関する注意事項」を参照してください。

ルート (/) スライス

ローカルディスクのルート (/) スライスには、各種ファイルおよびディレクトリ用の領域のほかに、/devices のデバイス i ノードと /dev のシンボリックリンク用の領域も存在する必要があります。

また、ルートスライスには、以下を格納できる十分な大きさである必要があります。


注 -

Sun Cluster は、root プロセスを実行するさまざまなシェルスクリプトを使用します。このため、root ユーザー用の /.cshrc* および /.profile ファイルは空にしておくか、クラスタノードに存在しないようにします。


大量のディスクドライブで構成される場合は、大きなルートファイルシステムが必要になることがあります。


注 -

空き領域が不足した場合は、すべてのクラスタノードにオペレーティング環境を再インストールして、ルートスライス内の空き領域を追加する必要があります。ルートスライスの全空間の少なくとも 20% を空き領域として確保してください。


/usr/var/opt スライス

/usr スライスは、ユーザーファイルシステムを保持します。/var スライスは、システムログファイルを保持します。/opt スライスは、Sun Cluster とデータサービスソフトウェアパッケージを保持します。Solaris をインストールするときの割り当て値の変更についての詳細は、『Solaris のインストール (上級編)』を参照してください。