この節では、Sun Cluster HA for Tivoli 用の構成ファイルを作成するときに hadsconfig(1M) コマンドに指定する情報について説明します。hadsconfig(1M) コマンドはテンプレートを使用して、構成ファイルを作成します。このテンプレートには、デフォルト値を持つパラメータや値が明示的に指定されたパラメータ、値が指定されないパラメータが含まれています。値が指定されないパラメータに対しては、必ず値を指定する必要があります。
障害検証パラメータは特に、Sun Cluster HA for Tivoli の性能に影響することがあります。検証間隔値を小さくしすぎると (障害検証の回数の増加により)、システム性能が低下することがあり、その結果として、システムが単に遅くなっただけでも、誤ったテイクオーバーが発生したり、再起動が試みられたりすることがあります。
hadsconfig(1M) コマンドに表 9-1 で説明しているオプションを指定することによって、Sun Cluster HA for Tivoli を構成してください。
表 9-1 Sun Cluster HA for Tivoli に対する構成パラメータ
パラメータ |
説明 |
---|---|
インスタンス名 |
インスタンスの識別子として使用される名前タグ。Sun Cluster HA for Tivoli が生成するログメッセージでは、この名前タグが参照される。hadsconfig(1M) コマンドは、ここで指定された値の前にパッケージ名を付ける。たとえば、tivoli を指定すると、SUNWsctiv_tivoli が生成される。 |
論理ホスト |
Sun Cluster HA for Tivoli のこのインスタンスにサービスを提供する論理ホスト名 |
ポート番号 |
Sun Cluster HA for Tivoli 専用のポート。デフォルトのポート番号は 94。 |
構成ディレクトリ |
データベースのディレクトリ、すなわち、$DBDIR のフルパス (例: /hahost1/d1/Tivoli/<database>.db) |
ローカル検証フラグ |
クラスタを再構成したとき、あるいは Tivoli サービスを起動したときにローカル検証を自動的に開始するかどうかを指定する。指定できる値は、-y または -n のいずれかである。 |
検証間隔 |
障害検証を行う時間間隔 (秒単位)。デフォルトの間隔は 60 秒。 |
検証タイムアウト |
障害検証をタイムアウトにする時間 (秒単位)。ここで指定した時間内に検証が終了しなかった場合は、Sun Cluster HA for Tivoli は障害検証に失敗したとみなす。デフォルトは 60 秒。 |
テイクオーバーフラグ |
このインスタンスで障害が発生した場合に、関連付けられている論理ホストのテイクオーバーまたはフェイルオーバーのどちらを行うかを指定する。指定できる値は、-y または -n のいずれかである。 |
TIV_OSERV_TYPE |
指定できる値は、server または client のいずれかである。 |
TIV_BIN |
インスタンスのインストール中に指定した TME バイナリへのパス (例: /hahost1/d1/Tivoli/bin)。このパスは、接尾辞 Solaris2 を除いた $BINDIR のパスと同じである。 |
TIV_LIB |
インスタンスのインストール中に指定した TME ライブラリへのパス (例: /hahost1/di/Tivoli/lib)。このパスは、接尾辞 Solaris2 を除いた $LIBDIR のパスと同じである。 |