Sun Cluster 2.2 ソフトウェアのインストール

Sun Cluster HA for Tivoli に対する構成パラメータ

この節では、Sun Cluster HA for Tivoli 用の構成ファイルを作成するときに hadsconfig(1M) コマンドに指定する情報について説明します。hadsconfig(1M) コマンドはテンプレートを使用して、構成ファイルを作成します。このテンプレートには、デフォルト値を持つパラメータや値が明示的に指定されたパラメータ、値が指定されないパラメータが含まれています。値が指定されないパラメータに対しては、必ず値を指定する必要があります。

障害検証パラメータは特に、Sun Cluster HA for Tivoli の性能に影響することがあります。検証間隔値を小さくしすぎると (障害検証の回数の増加により)、システム性能が低下することがあり、その結果として、システムが単に遅くなっただけでも、誤ったテイクオーバーが発生したり、再起動が試みられたりすることがあります。

hadsconfig(1M) コマンドに表 9-1 で説明しているオプションを指定することによって、Sun Cluster HA for Tivoli を構成してください。

表 9-1 Sun Cluster HA for Tivoli に対する構成パラメータ

パラメータ 

説明 

インスタンス名 

インスタンスの識別子として使用される名前タグ。Sun Cluster HA for Tivoli が生成するログメッセージでは、この名前タグが参照される。hadsconfig(1M) コマンドは、ここで指定された値の前にパッケージ名を付ける。たとえば、tivoli を指定すると、SUNWsctiv_tivoli が生成される。

論理ホスト 

Sun Cluster HA for Tivoli のこのインスタンスにサービスを提供する論理ホスト名 

ポート番号 

Sun Cluster HA for Tivoli 専用のポート。デフォルトのポート番号は 94。 

構成ディレクトリ 

データベースのディレクトリ、すなわち、$DBDIR のフルパス (例: /hahost1/d1/Tivoli/<database>.db)

ローカル検証フラグ 

クラスタを再構成したとき、あるいは Tivoli サービスを起動したときにローカル検証を自動的に開始するかどうかを指定する。指定できる値は、-y または -n のいずれかである。

検証間隔 

障害検証を行う時間間隔 (秒単位)。デフォルトの間隔は 60 秒。 

検証タイムアウト 

障害検証をタイムアウトにする時間 (秒単位)。ここで指定した時間内に検証が終了しなかった場合は、Sun Cluster HA for Tivoli は障害検証に失敗したとみなす。デフォルトは 60 秒。 

テイクオーバーフラグ 

このインスタンスで障害が発生した場合に、関連付けられている論理ホストのテイクオーバーまたはフェイルオーバーのどちらを行うかを指定する。指定できる値は、-y または -n のいずれかである。

TIV_OSERV_TYPE 

指定できる値は、server または client のいずれかである。

TIV_BIN 

インスタンスのインストール中に指定した TME バイナリへのパス (例: /hahost1/d1/Tivoli/bin)。このパスは、接尾辞 Solaris2 を除いた $BINDIR のパスと同じである。

TIV_LIB 

インスタンスのインストール中に指定した TME ライブラリへのパス (例: /hahost1/di/Tivoli/lib)。このパスは、接尾辞 Solaris2 を除いた $LIBDIR のパスと同じである。