Sun Cluster 2.2 ソフトウェアのインストール

Sun Cluster HA for Tivoli のインストールと構成

この節では、Sun Cluster HA for Tivoli をインストールして、構成、登録、起動する手順を説明します。Sun Cluster HA for Tivoli を構成する前に、Sun Cluster のインストール、構成、Tivoli 製品のインストールを終えておく必要があります。

Sun Cluster HA for Tivoli は、hadsconfig(1M) コマンドを使用して構成します。詳細は、hadsconfig(1M) のマニュアルページを参照してください。

Sun Cluster HA for Tivoli をインストールして、構成するには

  1. 各 Sun Cluster サーバーに Tivoli パッケージの SUNWsctiv をまだインストールしていない場合は、サーバー上のデフォルト位置にインストールします。

    Tivoli パッケージをまだインストールしていない場合は、scinstall(1M) コマンドを使用して、マスターの論理ホストになる可能性がある各 Sun Cluster サーバーに Tivoli パッケージをインストールしてください。

  2. サーバーと管理ノードの両方について、各ノードで hadsconfig(1M) コマンドを実行して、Sun Cluster HA for Tivoli を構成します。

    サーバーおよび管理ノードのどちらも、Sun Cluster HA for Tivoli データサービスのインスタンスの作成、編集、削除には、hadsconfig(1M) コマンドを使用します。hadsconfig(1M) コマンドに対する入力については、「Sun Cluster HA for Tivoli に対する構成パラメータ」を参照してください。このコマンドは、1 つのノード上でのみ実行してください。

    phys-hahost1# hadsconfig
    

    注 -

    Tivoli サーバーと Tivoli 管理ノードのインスタンスのみ、Sun Cluster によって制御するように構成してください。検証に使用する Tivoli 管理ノードを Sun Cluster で制御する必要はありません。


  3. hareg(1M) コマンドを実行して、Sun Cluster HA for Tivoli データサービスを登録します。

    このコマンドは、1 つのノード上でのみ実行してください。

    phys-hahost1# hareg -s -r tivoli
    
  4. hareg(1M) コマンドを使用して、Sun Cluster HA for Tivoli を有効にし、クラスタの再構成を行います。

    このコマンドは、1 つのノード上でのみ実行してください。

    phys-hahost1# hareg -y tivoli
    

    これで Sun Cluster HA for Tivoli の構成は完了です。

Sun Cluster HA for Tivoli に対する構成パラメータ

この節では、Sun Cluster HA for Tivoli 用の構成ファイルを作成するときに hadsconfig(1M) コマンドに指定する情報について説明します。hadsconfig(1M) コマンドはテンプレートを使用して、構成ファイルを作成します。このテンプレートには、デフォルト値を持つパラメータや値が明示的に指定されたパラメータ、値が指定されないパラメータが含まれています。値が指定されないパラメータに対しては、必ず値を指定する必要があります。

障害検証パラメータは特に、Sun Cluster HA for Tivoli の性能に影響することがあります。検証間隔値を小さくしすぎると (障害検証の回数の増加により)、システム性能が低下することがあり、その結果として、システムが単に遅くなっただけでも、誤ったテイクオーバーが発生したり、再起動が試みられたりすることがあります。

hadsconfig(1M) コマンドに表 9-1 で説明しているオプションを指定することによって、Sun Cluster HA for Tivoli を構成してください。

表 9-1 Sun Cluster HA for Tivoli に対する構成パラメータ

パラメータ 

説明 

インスタンス名 

インスタンスの識別子として使用される名前タグ。Sun Cluster HA for Tivoli が生成するログメッセージでは、この名前タグが参照される。hadsconfig(1M) コマンドは、ここで指定された値の前にパッケージ名を付ける。たとえば、tivoli を指定すると、SUNWsctiv_tivoli が生成される。

論理ホスト 

Sun Cluster HA for Tivoli のこのインスタンスにサービスを提供する論理ホスト名 

ポート番号 

Sun Cluster HA for Tivoli 専用のポート。デフォルトのポート番号は 94。 

構成ディレクトリ 

データベースのディレクトリ、すなわち、$DBDIR のフルパス (例: /hahost1/d1/Tivoli/<database>.db)

ローカル検証フラグ 

クラスタを再構成したとき、あるいは Tivoli サービスを起動したときにローカル検証を自動的に開始するかどうかを指定する。指定できる値は、-y または -n のいずれかである。

検証間隔 

障害検証を行う時間間隔 (秒単位)。デフォルトの間隔は 60 秒。 

検証タイムアウト 

障害検証をタイムアウトにする時間 (秒単位)。ここで指定した時間内に検証が終了しなかった場合は、Sun Cluster HA for Tivoli は障害検証に失敗したとみなす。デフォルトは 60 秒。 

テイクオーバーフラグ 

このインスタンスで障害が発生した場合に、関連付けられている論理ホストのテイクオーバーまたはフェイルオーバーのどちらを行うかを指定する。指定できる値は、-y または -n のいずれかである。

TIV_OSERV_TYPE 

指定できる値は、server または client のいずれかである。

TIV_BIN 

インスタンスのインストール中に指定した TME バイナリへのパス (例: /hahost1/d1/Tivoli/bin)。このパスは、接尾辞 Solaris2 を除いた $BINDIR のパスと同じである。

TIV_LIB 

インスタンスのインストール中に指定した TME ライブラリへのパス (例: /hahost1/di/Tivoli/lib)。このパスは、接尾辞 Solaris2 を除いた $LIBDIR のパスと同じである。