Sun Cluster 2.2 API 開発ガイド

in.named メソッド実装の基本機能

ここでは、HA-in.named メソッド実装の基本機能を考えます。HA-in.named では、start メソッドは登録されておらず、すべての作業は start_net メソッドで行われます。同様に、stop メソッドも登録されておらず、すべての作業は stop_net メソッドで行われます。start_net メソッドは in.named デーモンを起動し、stop_net メソッドは -TERM シグナルを送信して in.named デーモンを強制終了します。

Sun Cluster API では、各メソッドの機能が呼び出し回数に依存しないことが必要です。つまり、メソッドを何回呼び出しても、その影響は 1 回呼び出したときと同じでなければなりません。HA-in.named の場合、各メソッドは呼び出し回数に依存しないことを実現するために、自分の作業がすでに行われているかどうかを検証します。start_netin.named デーモンがすでに動作しているかどうかを検証し、stop_netin.namedデーモンがすでに停止しているかどうかを検証します。

Sun Cluster のプロセス監視機能は 2 つの構成要素、pmfadm(1M) コマンドと rpc.pmfd(1M) プロセス監視デーモンから構成されています。アプリケーション例では、in.named デーモンを起動または強制終了したり、in.named デーモンがすでに動作しているかどうかを照会するために、pmfadm(1M) コマンドが使用されています。詳細は、pmfadm(1M)rpc.pmfd(1M) のマニュアルページを参照してください。

HA-in.named メソッド実装では、Sun Cluster 構成についての情報を抽出するために、haget(1M) ユーティリティプログラムが使用されています (詳細は、haget(1M) のマニュアルページを参照してください)。このメソッド実装では、コード実行中にユーザーの操作が介入しないため、エラーメッセージは syslog(3) に記録されます。このときに使用される syslog 機能は、Sun Cluster が使用するものと同じです。syslog 機能の名前を調べるには、haget(1M)-f syslog_facility オプション付きで呼び出します。