vxdg ユーティリティは、ボリュームマネージャディスクグループを管理します。vxdg を使用することにより、ディスクグループをクラスタ共有可能なものとして指定できます。vxdg に -s オプションを指定すると、ディスクグループを「共有済み」として初期化またはインポートすることができます。
クラスタを設定するためにクラスタソフトウェアを実行中のときは、次のコマンドを使用して共有ディスクグループを作成します。
vxdg -s init diskgroup [medianame=]accessname |
ここで diskgroup はディスクグループ名です。medianame はディスクに対して選択した管理名です。accessname はディスクアクセス名 (またはデバイス名) です。
ディスクグループを共有済みとしてインポートするには、vxdg -s import を使用します。クラスタソフトウェアを実行する前にディスクグループが設定されていた場合は、次のコマンドを使用して、そのディスクグループをクラスタ構成にインポートできます。
vxdg -s import diskgroup |
ここで diskgroup はディスクグループ名または ID です。後でクラスタを再起動するときに、このディスクグループは自動的に共有済みとしてインポートされます。このコマンドを呼び出す前に、(vxdg deport diskgroup を使用して) ディスクグループのデポートが必要な場合があります。
ディスクグループを共有から個人用に切り替えるには、vxdg deport を使用してディスクグループをデポートし、次に vxdg import diskgroup を使用してインポートします。
システムはディスクが共有されるかどうかを判断できません。複数のシステムがアクセスする可能性のあるディスクを取り扱う際にデータの整合性を守るには、システム管理者がディスクグループにディスクを追加するとき、正しい指定を行うよう注意する必要があります。物理的に共有されていないディスクを共有ディスクグループに追加しようとした場合、クラスタ内にノードが 1 つしかなく、そのノードでそのディスクがアクセス可能であれば、ボリュームマネージャはこの操作を許容してしまいます。しかし、他のノードはクラスタに結合できなくなります。さらに、同じディスクを 2 つのノードで同時に別のディスクグループに追加しようとすると、予測不可能な結果が生じます。このような理由から、1 つのノードだけですべての構成を取り扱う必要があります。
vxdg には、ディスクグループを強制的にインポートする、またはディスクグループにディスクを強制的に追加するための強制オプション (-f) があります。
強制オプション (-f) は、予測される結果をシステム管理者が完全に理解したうえで、注意して使用する必要があります。
クラスタを再起動した時点で、CVM は次のいずれかの理由でディスクグループの自動インポートを拒絶する場合があります。
そのディスクグループ内のディスクが、ディスク上のハードウェアエラーのためアクセス不可能になっている。この場合、次のように強制オプションを使用してディスクグループを再インポートできます。
vxdg -s -f import diskgroup |
ディスクグループ内のディスクが接続しているいくつかのノードが、現在クラスタに結合しておらず、そのためディスクグループがそのすべてのディスクにアクセスできない。この場合、強制インポートを実行するとミラーが不整合になる可能性があるので、避けるべきです。
ディスクがディスクグループ内の他のディスクと同じノードに接続していないために、CVM が既存のディスクグループにディスクを追加しない場合は、次のようにディスクを強制的に追加できます。
vxdg -f adddisk -g diskgroup [medianame=]accessname |
vxdg を使用して、共有ディスクグループを一覧表示することもできます。次のコマンドを実行すると、ディスクグループごとに 1 行ずつ情報が表示されます。
vxdg list |
このコマンドによる出力は次のようになります。
NAME STATE ID rootdg enabled 774215886.1025.teal group2 enabled,shared 774575420.1170.teal group1 enabled,shared 774222028.1090.teal |
共有ディスクグループには、フラグ shared が付きます。
次のコマンドを実行すると、共有ディスクグループごとに 1 行ずつ情報が表示されます。
vxdg -s list |
このコマンドによる出力は次のようになります。
NAME STATE ID group2 enabled,shared 774575420.1170.teal group1 enabled,shared 774222028.1090.teal |
次のコマンドを実行すると、特定のディスクグループに関する情報 (共有済みかどうかも含めて) が表示されます。
vxdg list diskgroup |
ここで diskgroup はディスクグループ名です。
ディスクグループ group1 のマスターで vxdg list group1 コマンドを実行すると、出力は次のようになります。
Group: group1 dgid: 774222028.1090.teal import-id: 32768.1749 flags: shared copies: nconfig=default nlog=default config: seqno=0.1976 permlen=1456 free=1448 templen=6 loglen=220 config disk c1t0d0s2 copy 1 len=1456 state=clean online config disk c1t1d0s2 copy 1 len=1456 state=clean online log disk c1t0d0s2 copy 1 len=220 log disk c1t1d0s2 copy 1 len=220 |
「flags:」フィールドが「shared」に設定されている点に注意してください。同じコマンドをスレーブで実行すると、出力は異なります。