Windows NT の管理に習熟し、Microsoft NT 管理ツールに精通している場合はこの節を省略し、「1.3 SunLink Server Managerとコマンド行の選択」に進んでください。
これまで Windows ネットワークの管理を経験したことがない場合は、この節で説明している Windows NT ネットワーク管理に必要な Windows NT 管理ツールの概要を参照してください。これらのツールの機能を習得することにより、Windows NT ネットワーク管理タスクと SunLink Server 管理タスクとの違いを識別できるようになります。
ほとんどの Windows NT ネットワーク管理タスクは、いくつかのグラフィカルユーザーインタフェース (GUI) ツールを使用して実行されます。SunLink Server コンピュータは、ネットワーク上で Windows NT が稼動しているかどうかに関わらず操作、管理できます。しかし、SunLink Server システムで提供される Windows NT サービスのリモート管理は、Windows NT Workstation および Microsoft Windows 95 ベースのクライアントコンピュータ上で稼動するクライアントベースのネットワーク管理ツールによって可能となります。
Microsoft Windows 95ベースのクライアントコンピュータに Windows NT サーバーツールをインストールすれば、SunLink Server コンピュータ上の Windows NT ネットワーク管理タスクを実行できます。リモート管理は、すべてのネットワーク機能でサポートされています。Windows NT サーバーツールは、SunLink Server インストールパッケージに含まれています。
Windows NT ネットワークを管理する GUI ベースのすべてのツールには、オンラインヘルプ機能があります。
最も重要で、一般的に使用される Windows NT 管理ツールと、それらに関連する通常の管理タスクを以下の節で説明します (使用するツールパッケージと実行する Windows NT のバージョンによっては、次の項目で表示されているツールの一部にアクセスできない場合があります)。
Windows NT ネットワーククライアントコンピュータのユーザーは、各自の「ドメイン」または「信頼された」ドメインのコンピュータのいずれからも、1 つのログオン名とパスワードだけで、ネットワーク資源にアクセスできます。どちらのコンピュータを使用しても、Windows NT サーバーは各自のユーザー環境を再現します。この環境や、その他の各種ユーザー属性はドメインユーザーマネージャツールで設定します。
Solaris システムの環境では、 /etc/passwd、 /etc/groups、 .profile および .cshrcファイルに格納された情報が、これらの情報に (同一ではありませんが) 相当します。
ドメインユーザーマネージャは、次のような一般的なタスクに使用されます。
パスワードを忘れた場合のリセットを含む、パスワード管理
ログオン時間の設定
アカウントの有効期限の設定
作成、削除、変更、命名、無効化を含む、ユーザーアカウント管理
ユーザープロファイルへのパスの作成と修正
ユーザー毎のログオンスクリプトの作成とホームディレクトリの指定
作成、削除、グループおよびメンバーシップの変更を含む、グループ管理
許可されるログオン失敗の回数、ユーザーおよびグループの権利、監査ポリシーを含む、セキュリティポリシー管理
Windows NT ドメインの信頼関係の管理
ファイルサービスやプリントサービスなどの Windows NT ネットワーク資源は、サーバーからクライアントコンピュータへ、共有資源として提供されます。これらの共有資源には名前が与えられ、これらの名前によってアクセスできるようになります。共有とサーバーベースの他の資源は、サーバーマネージャで管理します。
サーバーマネージャは、次のような一般的なタスクに使用します。
ユーザーに対する共有許可の設定および管理、コンピュータの共有名の表示、新しい共有資源の追加、ディレクトリ共有の停止など
サーバーに接続しているユーザーとその時間、ユーザーが開いたリソースなどの確認
Windows NT ディレクトリ複製サービスの構成
ログオンスクリプトに対するパス名の指定 (スクリプトファイル名はドメインユーザーマネージャによって指定されます)
管理用警告の送信および管理
ドメインおよびドメインコントローラの管理
サービス管理
イベントとは、システムまたはアプリケーションで発生した変化の状態です。重要なイベントの中には、画面上のメッセージで通知されるものもあります。
ユーザーに直ちに知らせる必要のないイベントは、イベントログに記録されます。イベントログの記録は自動的に開始されます。イベントログとイベントビューアと呼ばれる Windows NT ツールによって、さまざまなハードウェアおよびソフトウェアの問題を解決し、Windows NT のセキュリティーに関わるイベントを監視することができます。また、ログはさまざまなファイル形式で保存することができます。
イベントビューアは、多くの一般的な Windows NT 管理タスクに使用します。イベントビューアには次のような機能があります。
すべてのエラーや例外のトラップおよび表示
セキュリティ、システムおよびアプリケーションのイベントログの表示
イベントの説明と詳細の表示
タイムフレームによるイベントのソート
指定した条件のイベントだけを表示するイベントのフィルタ
イベントの検索
Windows NT エラーコードの表示
Windows NT Workstation または Windows NT Server が稼動しているコンピュータでは、ユーザープロファイルの内容が Windows NT レジストリの一部から取得されます。レジストリの残りの部分はローカルコンピュータに割り当てられており、ユーザープロファイルと共に管理できる構成設定が含まれます。
システムポリシーエディタを使用してシステムポリシーを作成し、Windows NT Workstation および Windows NT Server が稼動しているすべてのコンピュータについて、システム構成を強制的に設定し、ユーザーの作業環境および操作を制限することができます。
システムポリシーを使うと、固定ユーザープロファイルで制限を強制することなく、ユーザーの作業環境を設定できます。これにより、「コントロールパネル」 で使用できるオプションや、デスクトップの一部のカスタマイズ、ネットワークの設定など、ユーザーがデスクトップから行う作業を制限することができます。
Windows NT Workstation または Windows NT Server が稼動しているコンピュータでは、ユーザープロファイルは、各ユーザーの作業環境に合わせたデスクトップ設定を自動的に作成してローカルコンピュータに保持します (ユーザープロファイルを、SunLink Server コンピュータ上の共有ネットワークディレクトリに保存することもできますが、ユーザープロファイルはその特定のコンピュータに適用されるのではなく、サーバーからサービスを受けるクライアントだけに適用されるようになります)。
ユーザーのプロファイルはユーザープロファイルエディタを使用して作成や修正を行うことができます。
Windows NT と Windows 95 では、ユーザープロファイルはユーザーがコンピュータに初めてログオンしたときに、ユーザーごとに作成されます。ユーザープロファイルには次のような利点があります。
ユーザーがワークステーションにログオンしたときに、前回のログオフ時のデスクトップ設定が再現されます。
複数のユーザーが同じコンピュータを使用している場合でも、ログオン時にはユーザーごとにカスタマイズされたデスクトップが再現されます。
サーバーにユーザープロファイルを格納しておけば、ネットワーク上の Windows NT または SunLink Server ソフトウェアが稼動しているすべてのコンピュータ上で、このプロファイルをユーザーに適用することができます。これをユーザープロファイルのローミングと呼びます。
ユーザープロファイルには、管理ツールとして次のような機能があります。
カスタマイズされたユーザープロファイルを作成してユーザーに割り当て、各自のタスクに適した作業環境を、一貫して提供することができます。
すべてのユーザーに対して共通のグループ設定を指定することができます。
固定ユーザープロファイルを割り当てて、ユーザーがデスクトップを変更しないようにすることができます。
管理者が利用可能な Windows NT ツールには、 WINS マネージャ、レジストリエディタ (Regedit32)、ディスクアドミニストレータ、パフォーマンスモニタ、 バックアップユーティリティーがあります。これらのツールと先に述べた Windows NT ツールに関する詳細情報、およびその使用方法については、各ツールのオンラインヘルプや Windows NT のマニュアルを参照してください。