Solaris PC NetLink 管理マニュアル

1.2.1 Solaris システム管理経験者のための Windows NT 管理ツールの概要

Windows NT の管理に習熟し、Microsoft NT 管理ツールに精通している場合はこの節を省略し、「1.3 SunLink Server Managerとコマンド行の選択」に進んでください。

これまで Windows ネットワークの管理を経験したことがない場合は、この節で説明している Windows NT ネットワーク管理に必要な Windows NT 管理ツールの概要を参照してください。これらのツールの機能を習得することにより、Windows NT ネットワーク管理タスクと SunLink Server 管理タスクとの違いを識別できるようになります。

ほとんどの Windows NT ネットワーク管理タスクは、いくつかのグラフィカルユーザーインタフェース (GUI) ツールを使用して実行されます。SunLink Server コンピュータは、ネットワーク上で Windows NT が稼動しているかどうかに関わらず操作、管理できます。しかし、SunLink Server システムで提供される Windows NT サービスのリモート管理は、Windows NT Workstation および Microsoft Windows 95 ベースのクライアントコンピュータ上で稼動するクライアントベースのネットワーク管理ツールによって可能となります。

Microsoft Windows 95ベースのクライアントコンピュータに Windows NT サーバーツールをインストールすれば、SunLink Server コンピュータ上の Windows NT ネットワーク管理タスクを実行できます。リモート管理は、すべてのネットワーク機能でサポートされています。Windows NT サーバーツールは、SunLink Server インストールパッケージに含まれています。

Windows NT ネットワークを管理する GUI ベースのすべてのツールには、オンラインヘルプ機能があります。

最も重要で、一般的に使用される Windows NT 管理ツールと、それらに関連する通常の管理タスクを以下の節で説明します (使用するツールパッケージと実行する Windows NT のバージョンによっては、次の項目で表示されているツールの一部にアクセスできない場合があります)。

1.2.1.1 ドメインユーザーマネージャ

Windows NT ネットワーククライアントコンピュータのユーザーは、各自の「ドメイン」または「信頼された」ドメインのコンピュータのいずれからも、1 つのログオン名とパスワードだけで、ネットワーク資源にアクセスできます。どちらのコンピュータを使用しても、Windows NT サーバーは各自のユーザー環境を再現します。この環境や、その他の各種ユーザー属性はドメインユーザーマネージャツールで設定します。

Solaris システムの環境では、 /etc/passwd/etc/groups.profile および .cshrcファイルに格納された情報が、これらの情報に (同一ではありませんが) 相当します。

ドメインユーザーマネージャは、次のような一般的なタスクに使用されます。

1.2.1.2 サーバーマネージャ

ファイルサービスやプリントサービスなどの Windows NT ネットワーク資源は、サーバーからクライアントコンピュータへ、共有資源として提供されます。これらの共有資源には名前が与えられ、これらの名前によってアクセスできるようになります。共有とサーバーベースの他の資源は、サーバーマネージャで管理します。

サーバーマネージャは、次のような一般的なタスクに使用します。

1.2.1.3 イベントビューア

イベントとは、システムまたはアプリケーションで発生した変化の状態です。重要なイベントの中には、画面上のメッセージで通知されるものもあります。

ユーザーに直ちに知らせる必要のないイベントは、イベントログに記録されます。イベントログの記録は自動的に開始されます。イベントログとイベントビューアと呼ばれる Windows NT ツールによって、さまざまなハードウェアおよびソフトウェアの問題を解決し、Windows NT のセキュリティーに関わるイベントを監視することができます。また、ログはさまざまなファイル形式で保存することができます。

イベントビューアは、多くの一般的な Windows NT 管理タスクに使用します。イベントビューアには次のような機能があります。

1.2.1.4 システムポリシーエディタ

Windows NT Workstation または Windows NT Server が稼動しているコンピュータでは、ユーザープロファイルの内容が Windows NT レジストリの一部から取得されます。レジストリの残りの部分はローカルコンピュータに割り当てられており、ユーザープロファイルと共に管理できる構成設定が含まれます。

システムポリシーエディタを使用してシステムポリシーを作成し、Windows NT Workstation および Windows NT Server が稼動しているすべてのコンピュータについて、システム構成を強制的に設定し、ユーザーの作業環境および操作を制限することができます。

システムポリシーを使うと、固定ユーザープロファイルで制限を強制することなく、ユーザーの作業環境を設定できます。これにより、「コントロールパネル」 で使用できるオプションや、デスクトップの一部のカスタマイズ、ネットワークの設定など、ユーザーがデスクトップから行う作業を制限することができます。

1.2.1.5 ユーザープロファイルエディタ

Windows NT Workstation または Windows NT Server が稼動しているコンピュータでは、ユーザープロファイルは、各ユーザーの作業環境に合わせたデスクトップ設定を自動的に作成してローカルコンピュータに保持します (ユーザープロファイルを、SunLink Server コンピュータ上の共有ネットワークディレクトリに保存することもできますが、ユーザープロファイルはその特定のコンピュータに適用されるのではなく、サーバーからサービスを受けるクライアントだけに適用されるようになります)。

ユーザーのプロファイルはユーザープロファイルエディタを使用して作成や修正を行うことができます。

Windows NT と Windows 95 では、ユーザープロファイルはユーザーがコンピュータに初めてログオンしたときに、ユーザーごとに作成されます。ユーザープロファイルには次のような利点があります。

ユーザープロファイルには、管理ツールとして次のような機能があります。

管理者が利用可能な Windows NT ツールには、 WINS マネージャレジストリエディタ (Regedit32)、ディスクアドミニストレータパフォーマンスモニタバックアップユーティリティーがあります。これらのツールと先に述べた Windows NT ツールに関する詳細情報、およびその使用方法については、各ツールのオンラインヘルプや Windows NT のマニュアルを参照してください。