システムのブート時にカーネルパニックが発生した場合は、Solaris Resource Manager を無効にしてマシンをリブートします。この方法は後述するように 3 通りありますが、最初に方法 A を試してください。A が失敗した場合は、方法 B または方法 C を試してください。
Sun Enterprise 10000 システムでブートが失敗した場合の回復手段として、方法 B は使用しないでください。
ブートモニタープロンプトで ok を表示します。表示されていない場合は、コンソールにブレークシーケンスを送信します。
プロンプトモードを有効にして、システムをブートします。
ok boot -a Booting from: sd(0,0,0) -a |
読み込むカーネルファイルとモジュールパスに関するプロンプトに対して、それぞれ Return キーを押し、デフォルト値を設定します。
Enter filename [kernel/unix]: <Return> Enter default directory for modules [/platform/SUNW,.../kernel /kernel /usr/kernel]: <Return> SunOS Release 5.7 Version ... [UNIX(R) System V Release 4.0] |
使用するシステムファイル名には、etc/system.noshrload と入力します。
このファイルは、Solaris Resource Manager 製品をインストールする前の元の /etc/system ファイルです。このファイルのコピーは、Solaris Resource Manager をインストールしたとき、自動的に作成されます。
Name of system file [etc/system]: etc/system.noshrload |
残りの問い合わせのすべてについて、デフォルト値を設定します。
root filesystem type [ufs]: <Return> Enter physical name of root device [...]: <Return> |
これで、Solaris Resource Manager を無効にした状態でシステムがブートします。
Sun Enterprise 10000 システムでは、この方法を実行しないでください。
この手順を実行するには、通常のルートファイルシステムのディスクデバイス名を知っている必要があります。
インストール媒体 (CD-ROM) から Solaris をブートします。
ok boot cdrom -s |
通常のルートファイルシステムのディスクデバイスをマウントします。
# mount /dev/dsk/device-name /a |
vi などのテキストエディタから、通常のルートファイルシステムの /etc/system ファイルを開きます。
# vi /a/etc/system |
initclass を SHR に設定する行をコメントにします。
このファイルでは、コメント文字としてアスタリスク (*) を使用します。
* set initclass="SHR" |
通常のルートファイルシステムをマウント解除します。
# umount /a |
通常のルートファイルシステムのディスクデバイスからシステムをリブートします。
# init 0 # boot devalias |
ここで、devalias には通常のルートファイルシステムのディスクデバイス名を指定します。
これで、Solaris Resource Manager を無効にした状態でシステムがブートします。
次の手順に従ってブートサーバーを設定します。ブートサーバーのコンソールウィンドウからホストシステムをブートして、Solaris Resource Manager を無効にします。
Sun Enterprise 10000 システムでは、「ブートサーバー」は SSP を意味し、「ホストシステム」はドメイン、「コンソールウィンドウ」は netcom ウィンドウを意味します。(Sun Enterprise 10000 SSP 3.1 コレクションの『Sun Enterprise 10000 SSP 3.1.1 Reference Manual』にある netcon(1M) のマニュアルページを参照してください。)
ブートサーバーの CD-ROM ドライブに Solaris CD を挿入します。
CD の挿入後、ボリュームマネージャが CD-ROM をマウントするまで約 1 分かかります。
スーパーユーザーとしてブートサーバーにログインします。
CD のディレクトリ /Tools に移動します。
# cd /cdrom/cdrom0/s0/Solaris_2.X/Tools |
コンソールウィンドウで share(1M) コマンドを実行します。
# share -F nfs -o ro,anon=0 /cdrom/cdrom0/s0 |
ホストシステムをインストールクライアントとして設定します。
# ./add_install_client host_name sun4u |
add_install_client(1M) コマンドは、ネットワークを介して CD を共有します。
/etc/nsswitch.conf ファイルに、ホストリストの DNS 値が含まれていた場合、次のようなメッセージを受信する可能性があります。
Error: host_name does not exist in the NIS ethers map. |
このメッセージを受信した場合、/etc/nsswitch.conf ファイルにある DNS 値を削除します。名前が ethers マップにまだない場合は、host_name をマップに追加し、add_install_client(1M) コマンドを再実行します。
スーパーユーザーレベルを終了します。
ホストシステムのコンソールウィンドウを開き、OpenBootTM PROM プロンプトの ok を表示させます。
Sun Enterprise 10000 システムでは、ホストシステムのコンソールウィンドウは、netcon(1M) ウィンドウとなっています。これは、bringup(1M) コマンドが、ホストシステムに対して正常に実行されたことを意味します。
ネットワークからホストシステムをブートします。
ok boot net |
適切なネットワークインタフェースを指定するために、OpenBoot PROM では別名 (通常は net) を使用してください。前記の例で示したように、boot(1M) コマンドでは別名を使用します。それ以外の場合は、OpenBoot PROM の完全なデバイスパスを入力しなければなりません。適切なネットワークインタフェースを表していない別名 (またはパス) を指定した場合、boot コマンドは失敗します。
ブートサーバーと同じサブネットにあるネットワークインタフェースに、別名が付けられていない場合、次のように入力して別名を付けることができます。
ok nvalias net device_path |
boot net コマンドは、suninstall ユーティリティを起動します。このユーティリティは、サイトまたはプラットフォーム固有の情報を入力するように求めます。
suninstall ユーティリティと Sun Enterprise 10000 については、『Solaris 7 on Sun Hardware Collection』の『Solaris 7 Sun Hardware Platform Guide』を参照してください。
表 4-3 suninstall ユーティリティについてネットワーク情報の設定 | 指定したい情報の適切なレベルを選択します。None 以外のオプションを選択すると、suninstall ユーティリティは設定情報の入力を求める一連のダイアログ画面を表示します。ここで、情報を指定してください。 |
Solaris 対話式インストール | F5 キーを押して、suninstall を終了します。 |
この時点では、Solaris オペレーティング環境をインストールしないでください。
suninstall を終了すると、ホストシステムのシェルプロンプトが表示されます。
通常のルートファイルシステムのディスクデバイスをマウントします。
# mount /dev/dsk/device-name /a |
vi などのテキストエディタから、通常のルートファイルシステム上の /etc/system ファイルを開きます。
# vi /a/etc/system |
initclass を SHR に設定する行をコメントにします。
このファイルでは、コメント文字としてアスタリスク (*) を使用します。
* set initclass="SHR" |
通常のルートファイルシステムをマウント解除します。
# umount /a |
通常のルートファイルシステムのディスクデバイスから、システムをリブートします。
# init 0 # boot devalias |
前記の devalias は、通常のルートファイルシステムのディスクデバイス名です。
これで、Solaris Resource Manager を無効にした状態でシステムがブートします。