この章では、Solaris Resource Manager 1.1 をインストールまたは起動したときに問題が発生した場合の対処方法を説明します。
詳細は、ご購入先にご連絡ください。
問題 |
考えられる原因とその対処方法 |
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オペレーティングシステムのバージョン検査に失敗する。 |
Solaris 2.6 (SPARC 版) または Solaris 7 (SPARC 版) がインストールされていない可能性があります。 uname -psr と入力して、使用しているオペレーティングシステムのバージョンを調べてください。 |
パッケージをインストールするのに必要かつ十分な容量がファイルシステムに存在しないと表示される。 |
ファイルシステムに十分な容量を確保して、インストールをやり直してください。 |
パッケージインストールスクリプトを実行しようとしたときに、エラーが発生した。 |
Installer が、ユーザー nobody でファイルにアクセスできませんでした。パッケージ内の全ファイルおよびディレクトリに対して、全ユーザーに読み取り権 (および実行権) が設定されている必要があります。パッケージを格納するディレクトリからルート (/) ディレクトリまでのすべてのディレクトリにも、全ユーザーがアクセスできる必要があります。 |
パッケージのインストールスクリプトで予期しないエラーまたは内部エラーが発生した。 |
ご購入先にご連絡ください。 |
パッケージがすでに存在するため更新するかどうか表示される。 |
該当するパッケージがすでにシステムに存在している可能性があります。そのままインストールを続けると、現在インストールされている内容は、変更前のパッケージからインストールされた状態に戻ります。 警告: 更新が行われるため、前回のインストール以降の変更は反映されません。 |
SUNWsrmr のインストール中に Installer が終了する。 |
ユーザー名の srmidle、srmlost、srmother のいずれか 1 つが passwd ファイルで、すでに使用されている可能性があります。Solaris Resource Manager をインストールして機能させるには、手順 8 で説明したように、エントリを削除するか、ユーザー名を変更しなければなりません。 |
パッチがインストールされていないことを示すメッセージを表示して、Installer が終了する。 |
Solaris 2.6 システムにインストールする前に、Solaris 2.6 環境で Solaris Resource Manager を使用するのに必要なカーネル機能強化を含むパッチ 105181-11 (またはそれ以降) が必要です。また、Solaris 2.6 システムにマニュアルページのパッケージ SUNWsrmm をインストールする場合は、事前にパッチ 106123-04 (またはそれ以降) が必要です。さらに、Solaris 2.6 システムに日本語マニュアルページのパッケージ SUNWjesrm をインストールする場合は、パッチ 107122-01 もインストールしてください。 |
問題 |
考えられる原因と対処方法 |
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システムのリブート時に Solaris Resource Manager が起動しない。 |
Solaris Resource Manager が正しくインストールされていません。次のパッケージが正しくインストールされているか調べてください。 pkginfo -l SUNWsrmb pkginfo -l SUNWsrmr |
システムのリブート時に idle ユーザー (srmidle) が存在しないという警告が表示される。 |
passwd ファイルにユーザー srmidle 用のエントリが存在しません。手順 8 に従って、ユーザーを作成してください。 |
システムのリブート時に lost ユーザー (srmlost) が存在しないという警告が表示される。 |
passwd ファイルにユーザー srmlost 用のエントリが存在しません。手順 8 に従って、ユーザーを作成してください。 |
リブート中にカーネルがパニックを起こす。 |
オペレーティングシステムとの衝突が発生しています。「ブートが失敗する場合の解決方法」に示されている指示に従ってください。ただちに購入先に連絡してください。 |
ログインできない。 |
PAM モジュールの設定に問題があります。シングルユーザーモードでマシンをリブートし、/etc/pam.conf ファイル内の pam_srm.so.1 の行をコメントにしてください。 |
システムのブート時にカーネルパニックが発生した場合は、Solaris Resource Manager を無効にしてマシンをリブートします。この方法は後述するように 3 通りありますが、最初に方法 A を試してください。A が失敗した場合は、方法 B または方法 C を試してください。
Sun Enterprise 10000 システムでブートが失敗した場合の回復手段として、方法 B は使用しないでください。
ブートモニタープロンプトで ok を表示します。表示されていない場合は、コンソールにブレークシーケンスを送信します。
プロンプトモードを有効にして、システムをブートします。
ok boot -a Booting from: sd(0,0,0) -a |
読み込むカーネルファイルとモジュールパスに関するプロンプトに対して、それぞれ Return キーを押し、デフォルト値を設定します。
Enter filename [kernel/unix]: <Return> Enter default directory for modules [/platform/SUNW,.../kernel /kernel /usr/kernel]: <Return> SunOS Release 5.7 Version ... [UNIX(R) System V Release 4.0] |
使用するシステムファイル名には、etc/system.noshrload と入力します。
このファイルは、Solaris Resource Manager 製品をインストールする前の元の /etc/system ファイルです。このファイルのコピーは、Solaris Resource Manager をインストールしたとき、自動的に作成されます。
Name of system file [etc/system]: etc/system.noshrload |
残りの問い合わせのすべてについて、デフォルト値を設定します。
root filesystem type [ufs]: <Return> Enter physical name of root device [...]: <Return> |
これで、Solaris Resource Manager を無効にした状態でシステムがブートします。
Sun Enterprise 10000 システムでは、この方法を実行しないでください。
この手順を実行するには、通常のルートファイルシステムのディスクデバイス名を知っている必要があります。
インストール媒体 (CD-ROM) から Solaris をブートします。
ok boot cdrom -s |
通常のルートファイルシステムのディスクデバイスをマウントします。
# mount /dev/dsk/device-name /a |
vi などのテキストエディタから、通常のルートファイルシステムの /etc/system ファイルを開きます。
# vi /a/etc/system |
initclass を SHR に設定する行をコメントにします。
このファイルでは、コメント文字としてアスタリスク (*) を使用します。
* set initclass="SHR" |
通常のルートファイルシステムをマウント解除します。
# umount /a |
通常のルートファイルシステムのディスクデバイスからシステムをリブートします。
# init 0 # boot devalias |
ここで、devalias には通常のルートファイルシステムのディスクデバイス名を指定します。
これで、Solaris Resource Manager を無効にした状態でシステムがブートします。
次の手順に従ってブートサーバーを設定します。ブートサーバーのコンソールウィンドウからホストシステムをブートして、Solaris Resource Manager を無効にします。
Sun Enterprise 10000 システムでは、「ブートサーバー」は SSP を意味し、「ホストシステム」はドメイン、「コンソールウィンドウ」は netcom ウィンドウを意味します。(Sun Enterprise 10000 SSP 3.1 コレクションの『Sun Enterprise 10000 SSP 3.1.1 Reference Manual』にある netcon(1M) のマニュアルページを参照してください。)
ブートサーバーの CD-ROM ドライブに Solaris CD を挿入します。
CD の挿入後、ボリュームマネージャが CD-ROM をマウントするまで約 1 分かかります。
スーパーユーザーとしてブートサーバーにログインします。
CD のディレクトリ /Tools に移動します。
# cd /cdrom/cdrom0/s0/Solaris_2.X/Tools |
コンソールウィンドウで share(1M) コマンドを実行します。
# share -F nfs -o ro,anon=0 /cdrom/cdrom0/s0 |
ホストシステムをインストールクライアントとして設定します。
# ./add_install_client host_name sun4u |
add_install_client(1M) コマンドは、ネットワークを介して CD を共有します。
/etc/nsswitch.conf ファイルに、ホストリストの DNS 値が含まれていた場合、次のようなメッセージを受信する可能性があります。
Error: host_name does not exist in the NIS ethers map. |
このメッセージを受信した場合、/etc/nsswitch.conf ファイルにある DNS 値を削除します。名前が ethers マップにまだない場合は、host_name をマップに追加し、add_install_client(1M) コマンドを再実行します。
スーパーユーザーレベルを終了します。
ホストシステムのコンソールウィンドウを開き、OpenBootTM PROM プロンプトの ok を表示させます。
Sun Enterprise 10000 システムでは、ホストシステムのコンソールウィンドウは、netcon(1M) ウィンドウとなっています。これは、bringup(1M) コマンドが、ホストシステムに対して正常に実行されたことを意味します。
ネットワークからホストシステムをブートします。
ok boot net |
適切なネットワークインタフェースを指定するために、OpenBoot PROM では別名 (通常は net) を使用してください。前記の例で示したように、boot(1M) コマンドでは別名を使用します。それ以外の場合は、OpenBoot PROM の完全なデバイスパスを入力しなければなりません。適切なネットワークインタフェースを表していない別名 (またはパス) を指定した場合、boot コマンドは失敗します。
ブートサーバーと同じサブネットにあるネットワークインタフェースに、別名が付けられていない場合、次のように入力して別名を付けることができます。
ok nvalias net device_path |
boot net コマンドは、suninstall ユーティリティを起動します。このユーティリティは、サイトまたはプラットフォーム固有の情報を入力するように求めます。
suninstall ユーティリティと Sun Enterprise 10000 については、『Solaris 7 on Sun Hardware Collection』の『Solaris 7 Sun Hardware Platform Guide』を参照してください。
表 4-3 suninstall ユーティリティについてネットワーク情報の設定 | 指定したい情報の適切なレベルを選択します。None 以外のオプションを選択すると、suninstall ユーティリティは設定情報の入力を求める一連のダイアログ画面を表示します。ここで、情報を指定してください。 |
Solaris 対話式インストール | F5 キーを押して、suninstall を終了します。 |
この時点では、Solaris オペレーティング環境をインストールしないでください。
suninstall を終了すると、ホストシステムのシェルプロンプトが表示されます。
通常のルートファイルシステムのディスクデバイスをマウントします。
# mount /dev/dsk/device-name /a |
vi などのテキストエディタから、通常のルートファイルシステム上の /etc/system ファイルを開きます。
# vi /a/etc/system |
initclass を SHR に設定する行をコメントにします。
このファイルでは、コメント文字としてアスタリスク (*) を使用します。
* set initclass="SHR" |
通常のルートファイルシステムをマウント解除します。
# umount /a |
通常のルートファイルシステムのディスクデバイスから、システムをリブートします。
# init 0 # boot devalias |
前記の devalias は、通常のルートファイルシステムのディスクデバイス名です。
これで、Solaris Resource Manager を無効にした状態でシステムがブートします。