Solaris Resource Manager 1.1 のシステム管理

l ノードの操作

limreport コマンドと limadm コマンド

limreportlimadm コマンドを使用すれば、管理者は、何人のユーザーの l ノードでも、その内容を簡単に保存または復元できます。limreport コマンドでは保存する l ノードの選択と抽出を行い、limadm コマンドではそれを復元します。次の節で説明するように、l ノードのコピーと l ノード構造の変更では、このようなコマンドの組み合わせが最も一般的に使用されています。

limreport コマンドでは、ユーザー属性の選択や表示を柔軟に行えます。このコマンドには 2 つのレベルの選択があります。l ノードの選択と、選択した l ノードごとに表示する属性の選択です。l ノードの選択には選択式を使用します。この式は、1 つの式でも、C 形式の論理演算子で一連の条件を結合したものでもかまいません。属性の選択には、属性の記号名リストを使用します。属性をどのように表示するかは、C 形式に似た形式制御文字列で指定できます。この制御文字には Solaris Resource Manager の特別な型を処理する拡張を組み込むことができます。形式制御文字として「-」を指定すると、属性はデフォルト形式で表示されます。詳細は、limreportlimreport(1SRM) のマニュアルページを参照してください。

l ノード構造の変更

limadm コマンドでは、l ノードの属性内容を最小単位で変更します。ただし、このコマンドを使用するには、変更を行うための特権が必要です。変更コマンドはコマンド行に直接指定できます。あるいは、変更コマンドが入っているファイル名を -f オプションで指定することもできます。

limreport コマンドでは、limadm 構文を使って属性値割り当てを生成できます (limadm 構文の preserve 識別子を参照)。この出力は、-f オプションを使って limreport に入力できます。そのため、管理者は、2 つのプログラムを使ってリミットデータベースの内容を選択して、保存し復元することができます。

l ノードのコピーと削除

ユーザー ID X の l ノードをユーザー ID Y にコピーするには、次のようにします。

# limreport 'uid==X' - Y preserve | limadm set -u -f -

「uid==X」はソースの l ノードを選択するための式です。preserve 識別子によって、limreport は、読み取り専用でないすべての属性値を limadm への入力に適した構文で出力します。preserve 識別子の前にユーザー ID Y を指定すると、これが limadm に渡されるデータの最初の項目になり、ターゲット l ノードの選択に使用されます。

必要なくなったソース l ノードは limadm で削除できます。


注 -

limreport の選択式としてユーザー ID を照合する場合は注意が必要です。複数のログイン名に同じユーザー ID が設定されていると、それらがすべて一致します。同じ l ノードデータが何回も保存され、読み込まれるため、上の例では問題とはなりません。Solaris 環境では、rootsmtp のログイン名にユーザー ID 0 が設定されています。