各 l ノードには、いくつかの CPU 割当数が与えられます。l ノードに対応するプロセスには、動作中の l ノードの割当数の合計に対する比率として CPU 資源が割り当てられます。(動作中とは、その l ノードに動作中のプロセスが接続されていることを意味します。) 資源を割り当てる対象は動作中の l ノードだけです。動作中のプロセスが動作し、CPU 時間を必要とするのは、これらの l ノードだけです。
プロセスが CPU チックを使用すると、この l ノードの CPU 使用量属性が増えます。スケジューラは、すべてのプロセスの優先順位を調整して、相対的な CPU 使用率が、すべての動作中の l ノードの相対的な CPU 割当率にそれぞれのレベルで収束するようにします。このようにして、ユーザーは、他のユーザーの動作と関係なく、長期的には少なくとも CPU サービスの権利に相当する量を受け取ります。
スケジューラは階層的です。つまり、スケジューラは、グループが、メンバーの動作とは関係なく、グループの権利に相当する量を受け取るようにします。Solaris Resource Manager SHR スケジューラは長期的なスケジューラです。Solaris Resource Manager は、すべてのユーザーとアプリケーションがスケジューラ期間の間に公平な量を得られるようにします。つまり、CPU 使用量の少ないユーザーが CPU の要求を開始すると、このユーザーには、CPU 使用量の多いユーザーよりも多くの資源が与えられます。これは、ユーザーの相対的な使用量が相対的に「公平」な割当数になるまで続きます。権利に対し現在使用量が多ければ、将来使用できる量はそれだけ少なくなります。
さらに、Solaris Resource Manager には、過去の使用を考慮に入れないための減少期間があります。これはシステム管理者が設定します。減少モデルには半減期減少モデルが使用され、半減期の間に資源の 50 パーセントが減少します。そのため、使用量が常に一定しているユーザーが短期間に処理を大量に行うユーザーの犠牲になることはありません。半減期減少期間は、半減する期間を設定し、スケジューラの応答性に影響を与えます。デフォルト値は 120 秒です。長い半減期は、長いバッチジョブのような均等使用に適し、短い半減期は、ユーザーとの対話処理に適しています。値が小さいと、応答がシステム全体に渡り均一化する傾向になりますが、システム全体の資源割り当ての計算や保守の正確さが多少失われます。管理者の設定値とは別に、スケジューラは、極端な状況であっても資源の枯渇が起こるのを防ぎ、適正な動作ができるようにします。