Sun WorkShop インストールとライセンス | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
第 2 章
ライセンスの管理
この章では、サンのユーザーライセンス機構を紹介し、ライセンス管理について詳しく説明します。
Sun WorkShop ライセンスに関してよく尋ねられる質問とその回答 (FAQ) は、次の Web サイトで参照できます (英語のみ)。
http://www.sun.com/workshop/workshopFAQ.html
サンのユーザーライセンス機構
Sun WorkShop では、ユーザーライセンス管理に、GLOBEtrotter Software, Inc. の FLEXlm ライセンス管理ソフトウェアを使用しています。
ライセンス管理デーモンを稼働するマシンのことを「ライセンスサーバー」、 要求を出すマシンのことを「アプリケーションサーバー」と言います。 アプリケーションサーバーには、アプリケーションがインストールされています。
ライセンスファイル
ライセンスファイルとは、ライセンスデータが含まれているテキストファイル (
licenses_combined
) のことです。 このファイル (licenses_combined ファイル) には、サーバーノードとベンダーデーモンに関する情報のほか、各ライセンス製品につき最低 1 行 (FEATURE
行またはINCREMENT
行) のデータが含まれています。
注 -FEATURE
は、Sun WorkShop 5.0 以前のバージョンで使用されていました。
ファイルのインストールは、ライセンス管理者が行います。ライセンスファイルやそのコピーは、ライセンスされたソフトウェアを実行するすべてのマシン、また、ライセンスサーバーとして指定されたすべてのマシンからアクセスできなくてはなりません。 このファイルは、ライセンスサーバーの
/etc/opt/licenses
ディレクトリに収められています。次のコマンドを入力すると、インストールされたライセンスがすべて表示されます。
%
lmstat -a -c licenses_combined
詳細については、
lmstat
のマニュアルページを参照してください。ルーターファイル
注 - ルーターファイルは Sun WorkShopTM 6 で初めて導入されました。
ルーターファイルは、ライセンスの有無を確認する必要があるネットワーク上のライセンスサーバーの一覧を収めた ASCII ファイルです。 ライセンスサーバーは port @ host 形式で参照されます。ここで、port は Sun WorkShopFLEXlm
lmgrd.ste
デーモンが使用する TCP ポート (licenses_combined ファイルの SERVER 行の 4 番目のフィールド)、host はライセンスサーバーのホスト名です。 各ルーターファイルは、これらのライセンスサーバーをそれぞれコロンで区切った一覧を列挙する 1 行のみで構成します。 ルーターファイルは、アプリケーションサーバー上の install-dir/SUNWspro/license_dir/lic_router
です。Sun WorkShop ソフトウェアは、上記インストールディレクトリにルーターファイルが存在するかどうかを調べ、存在すれば、そこに列挙されている各ファイルサーバーについてライセンスの有無をチェックします。 製品ソフトウェアは、インストールされた場所に応じて、ルーターファイルを自動的に検索します。
複数の独立ライセンスサーバー構成では、アプリケーションサーバーは 2 台以上のライセンスサーバーのサービスを受けることができるので、コロンで区切られた一覧を使用して複数のライセンスサーバーを列挙すること可能です。
多くの場合、ルーターファイルは適切なライセンスサーバー一覧を使って一度設定すれば、以降、新規バージョンの WorkShop ソフトウェア用に追加ライセンスを加えても、ルーターファイルを更新する必要はありません。 ルーターファイルは、新しいライセンスサーバーがネットワークに追加されないかぎり更新の必要はありません。
基本ライセンスファイル
注 - 基本ライセンスファイルは、Sun WorkShop 6 以前のバージョンで使用されています。
基本ライセンスファイルは、
licenses_combined
ファイルのサブセットです。 基本ライセンスファイルは、各アプリケーションサーバーの install-directory/SUNWspro/license_dir
ディレクトリに収められています (install-directory の部分にはインストールディレクトリの名前が入ります。デフォルトのインストールディレクトリ は/opt
です)。 ファイル名は、sunpro.lic
,n という形式になります (sunpro.lic,1
など)。 この n は、個々のライセンスファイルを識別するためにインストール時に割り当てられた文字列で、通常は整数の値をとります。Sun WorkShop ソフトウェアは、インストールディレクトリ内でライセンスを検索します。 製品ソフトウェアは、インストールされた場所に応じて、基本ライセンスファイルを自動的に検索します。
複数の独立ライセンスサーバー構成の場合、アプリケーションサーバーは、複数台のライセンスサーバーからサービスを受けることができます。 各ライセンスサーバーは、アプリケーションサーバー上の基本ライセンスファイルで表されます。 アプリケーションサーバー上には、基本ライセンスファイルが少なくとも 1 つ必要です。 各基本ライセンスファイルには、ライセンスサーバー情報と製品ライセンスが含まれています。
ライセンス管理デーモン
ライセンス管理デーモンはベンダーデーモンを起動または再起動する働きを持っています。ベンダーデーモンは、ライセンスされたソフトウェアにライセンスを許可または拒否します。 ユーザーがアプリケーションを起動すると、アプリケーションはルーターファイルからライセンスサーバー名と TCP ポートを調べ、そのサーバーのライセンス管理デーモン (
lmgrd.ste
) と通信します。 このときライセンストークンが使用可能であれば、ユーザーはアプリケーションの使用権を取得することができます。 ライセンストークンが存在しても、現在使用できない状態である場合 (全ライセンストークンが他のユーザーによって確保されている場合など) は、ユーザーは待ち行列に入れられます。
注 - サンでは、lmgrd.ste
ライセンス管理デーモンを使用しています。このデーモンは、FLEXlm のlmgrd
ライセンス管理デーモンと同じものです。
「ベンダーデーモン」とアプリケーションの間で行われる通信は、ライセンス管理デーモンによって管理されています。 ベンダーデーモンは、ライセンスサーバー上で動作し、製品のライセンスを持つユーザー、確保されているライセンスの数、現在使用可能なライセンスの数を追跡します。 Sun WorkShop 6 および 5.0 製品で使用するベンダーデーモンは
sunwlicd
ベンダーデーモンです (Sun WorkShop 5.0 以前の製品ではsuntechd
ベンダーデーモンを使用していました)。 ベンダーデーモンが終了すると、ユーザーのライセンスは失われます。 ライセンス管理デーモンがベンダーデーモンを再起動すると、ライセンスは自動的に回復します。Sun WorkShop ソフトウェア
Sun WorkShop ソフトウェアは、プログラムモジュール (ライセンスライブラリ) とリンクしてライセンスサーバーに接続し、ベンダーデーモンと通信してライセンスを要求します。
daemon_options
ファイル
daemon_options
ファイルは、/etc/opt/licenses
ディレクトリにインストールされます。daemon_options
ファイルによって、次のことが可能です。
lmgrd.ste
がベンダーデーモンを起動すると、ベンダーデーモンはdaemon_options
ファイルの場所情報を受け取ります。 この情報は、製品のライセンスファイルのDAEMON
行に記述されています。 この行にファイルが指定されていない場合、デーモンはオプションファイルを使用しません。 各ベンダーデーモンは、オプションファイルを 1 つだけ持つことができます。
daemon_options
ファイルを変更するには、表 2-1 に示すオプションを使用します。 機能名については、『Sun WorkShop インストールガイド』の付録 A を参照してください。
次に、
daemon_options
ファイルの編集例を示します。
- ライセンスログに、確保、解放、または待ち状態のライセンスを記録しない
- C コンパイラ、C++ コンパイラのライセンスは、300 秒間保持されてからライセンスサーバーに戻る。 それまでの間、他の開発者がライセンスを使用することはできない
- C コンパイラのライセンス 1 つを
pat
だけに与える- Sun WorkShop Professional C のライセンス 3 つを
lee
だけに与える- C コンパイラのライセンスを
joe
には与えない
注 - 重複サーバー構成の場合は、各サーバーで、共通のdaemon_options
ファイルを使用してください。 複数の独立サーバー構成の場合は、各サーバーのdaemon_options
ファイルが異なっていてもかまいません。
daemon_options
ファイルを変更するとき、サーバーの停止時間を最小限に抑えるためには、次の手順に従ってください。1.daemon_options
ファイルの変更を保存します。2. ライセンスデーモンを停止します。
- 「ライセンスデーモンの停止と再起動」を参照してください。
3. ライセンスデーモンを再起動します。
- 「ライセンスデーモンの停止と再起動」を参照してください。
注 -daemon_options
ファイルの変更内容を反映させるには、FLEXlm デーモンを起動または再起動します。
オプションファイルの詳細については、次の Web サイトを参照してください (英語のみ)。
http://www.globetrotter.com/chap6.htm
ライセンス管理
さまざまなライセンス問題の発生によって、ライセンスされたソフトウェアを使用できなくなる場合があります。 ここでは、こうした問題に関連するマニュアルページを紹介し、次の作業について説明します。
lmhostid
を使用して、システムのホスト ID を報告するlmver
を使用して、FLEXlm のバージョンを確認する- ライセンスがインストールされていることをチェックする
- ライセンスの使用状況をログファイルに記録する
- ライセンスデーモンを停止、再起動する
lmdiag
を使用して、ライセンス問題を診断するlmstat
を使用して、ライセンスの使用状況を監視する- ライセンスサーバーのホスト名を変更する
- ライセンスサーバーを変更する
- ライセンス情報を取得する
- オペレーティングシステムをアップグレードする
lmreread
を使用して、ライセンスファイルを再度読み込むlmremove
を使用して、ユーザーのライセンスを削除する- 失われたライセンスを回復する
- ライセンスを解放する
このほかに、重要なファイル名やパス、製品の詳細を照会する方法についても説明します。
表 2-2 に、使用可能なライセンス管理ユーティリティを示します。
/etc/opt/licenses
ライセンス管理の詳細については、表 2-2の各ユーティリティのマニュアルページ、または GLOBEtrotter Software, Inc. の Web サイトを参照してください (英語のみ)。
http://www.globetrotter.com/chap7.htm
FLEXlm のエラーメッセージの詳細については、
licenses_errors
のマニュアルページ、または GLOBEtrotter Software, Inc. の Web サイトを参照してください (英語のみ)。
http://www.globetrotter.com/chap12.htm
機能名については、『Sun WorkShop インストールガイド』の付録 A を参照してください。
lmhostid
によるシステムのホスト ID の取得システムのホスト ID を確認するには、
lmhostid
を使用します。 詳細については、lmhostid
のマニュアルページを参照してください。
注 -lmhostid
ユーティリティを使用する場合、スーパーユーザーになる必要はありません。
lmver
による FLEXlm のバージョンの確認
lmver
ユーティリティでは、使用中の FLEXlm ライセンス管理ソフトウェアのバージョンを表示することができます。 使用法とオプションについては、lmver
のマニュアルページを参照してください。
注 -lmver
ユーティリティを使用するには、スーパーユーザーになるか、adjust_flexlm_owner
スクリプト (adjust_flexlm_owner
のマニュアルページを参照) で指定したユーザーになります。
ライセンスがインストールされていることの確認
ライセンスがインストールされているかどうかを確認する場合は、次の手順に従ってください。
1. ライセンスサーバーの/etc/opt/licenses
ディレクトリに、licenses_combined
ファイルがあることを確認します。2. 各アプリケーションサーバーの install_directory/SUNWspro/license_dir
ディレクトリに、すべてのルーターファイルまたは基本ライセンスファイルがあることを確認します。
- ルーターファイルは
lic_router
です。- 基本ライセンスファイルの名前は、
sunpro.lic,
n のようになっています。- ライセンスがインストールされていない場合は、『Sun WorkShop インストールガイド』の第 4 章を参照してください。
ライセンスの使用状況の記録
ライセンスの解放と確保の記録をとるには、次の手順に従ってください。
1. テキストエディタで、/etc/opt/licenses/daemon_options
ファイルを開きます。2.NOLOG
IN
、NOLOG
OUT
、NOLOG
QUEUED
の各行の行頭に、ハッシュ記号 (#
) を挿入します。
#NOLOG IN
#NOLOG OUT
#NOLOG QUEUED- 行頭にハッシュ記号 (#) のある行は、コメント行になります。
- 記録を中止する場合は、各行からハッシュ記号を削除します。
3. ライセンスデーモンを停止し、再起動します。
- 「ライセンスデーモンの停止と再起動」を参照してください。
循環記録機能
Sun WorkShop 6 には、ログのサイズが 5 M バイトに達すると、その時点でのライセンスログファイルの内容をバックアップログファイルに移動する循環記録機能と呼ばれる新しい機能が用意されています。 ライセンスサーバーは、最大で 5 つのログファイル (現行ログファイルと最大 4 つのバックアップログファイル) を生成します。 ライセンスログファイルの名前は次のように付けられます。
ライセンスログ
license_log.0
license_log.1
license_log.2
license_log.3
注 - バックアップログファイルlicense_log
n (ここで、n =0, 1, 2, 3
) は必要が生じた場合にのみ生成されます。
license_log
のサイズが 5 M バイトに達すると、license_log 2
のファイルの内容がlicense_log.3
(license_log.3
の内容は失われる)、license_log.1
の内容がlicense_log.2
へ、license_log.0
の内容がlicense_log.1
へ、そしてlicense_log
の内容がlicense_log.0
にそれぞれ移されます。 この一連の処理の後、license_log
は空になり、新しいライセンスログデータの記録ができる状態になります。 したがって、license_log.3
ファイルには最も古い活動内容が記録され、license_log
には最新の活動内容が記録されます。Sun WorkShop 5.0 ライセンスのインストール
Sun WorkShop 6 をインストールした後、必要があれば、Sun WorkShop 5.0 のライセンスをインストールすることが可能です。
1. ルートとしてログインします。2. WorkShop 6 においてライセンスソフトウェアが格納されるSUNWste/license_tools
に LIC_CONFIG_FILE.WorkShop5.0 をコピーします。 デフォルトのコピー先は/opt/SUNWste/license_tools です。
#
cp /cdrom/devpro_v6n1_sparc/licensing\
/LIC_CONFIG_FILE.WorkShop5.0
/opt/SUNWste/license_tools
注 - 上の例で、バックスラッシュ (\
) を入力しないでください。 バックスラッシュはコマンドを 1 行に入力する必要があることを示します。
3.lit
またはlit_tty
のいずれかを起動します。
- 5.0 のライセンスが表示されます。
ライセンスデーモンの停止と再起動
次のような場合には、ライセンスデーモンを停止して再起動します。
lmdown
によるライセンスデーモンの停止
lmdown
コマンドを実行すると、次のイベントが発生します。
- ライセンスデーモンに、デーモンの停止を要求するメッセージが送られます。
- ライセンスデーモンは、現在のログファイルメッセージを終了し、ファイルを閉じます。
- ライセンスデーモンは、発行されたすべてのライセンスを削除します。 このため、ユーザーがプログラムを呼び出してクライアントサーバーがライセンスを確認しようとすると、そのライセンスは無効になっています。
注 - 重複サーバー構成の場合は、lmdown
ユーティリティを使用すると、すべての重複サーバーが停止します。
使用法とオプションについては、
lmdown
のマニュアルページを参照してください。ライセンスデーモンの再起動
ライセンスデーモンを再起動するためには、コマンド行から次のように入力します。
このコマンドの出力内容は、
/usr/tmp/license_log
ファイルに書き込まれます。lmgrd.ste
のマニュアルページも参照してください。
注 - 重複ライセンスサーバー構成の場合は、各サーバー上でライセンスデーモンを再起動します。
lmdiag
によるライセンス問題の診断
lmdiag
ユーティリティを使用して、ライセンスを確保できない原因を調べることができます。 使用法とオプションについては、lmdiag
のマニュアルページを参照してください。 機能の名前については、『Sun WorkShop インストールガイド』の付録 A を参照してください。
注 -lmdiag
ユーティリティを使用するには、スーパーユーザーになるか、adjust_flexlm_owner
スクリプト (adjust_flexlm_owner
のマニュアルページを参照) で指定したユーザーになります。
lmstat
によるライセンス使用状況の監視使用法とオプションについては、
lmstat
のマニュアルページを参照してください。
注 -lmstat
ユーティリティを使用する場合、スーパーユーザーになる必要はありません。
ライセンスサーバーのホスト名の変更
ライセンスサーバーのホスト名を変更する必要がある場合は、
/etc/opt/licenses/licenses_combined
ファイルと基本ライセンスファイルに指定したホスト名を変更してください。 変更内容を有効にするためには、変更後にライセンスサーバーをシャットダウンし、再起動する必要があります。 「ライセンスデーモンの停止と再起動」を参照してください。ライセンスサーバーの変更
ルーターファイル (
lic_router
) または基本ライセンスファイル (sunpro.lic,
n) で参照するライセンスサーバーがダウンした場合、2 台目のライセンスサーバーがあれば、その 2 台目のライセンスサーバーのLIC_CONFIG_SCRIPT
をコピーして、アプリケーションサーバーで実行します。こうすると、アプリケーションサーバーに 2 台目のライセンスサーバーのルーターファイルまたは基本ライセンスファイルが作成されます。ライセンスサーバーのアップグレードや修復のために新しいパスワードが必要な場合は、オリジナルのパスワードを取得したときと同じように、Sun ライセンスパスワードセンターにお問い合わせください。 別のサーバーへのライセンスの移動は、暦年 2 回までとさせていただきます。 ただし、サン独自の裁量によって、それ以上のライセンスの変更を許可することもあります。 ライセンスの変更は記録され、監査の対象となります。 サンのライセンスセンターに変更を要請する際には、古いライセンスのパスワードが削除されたことを確認できる文書を提出してください。
ライセンス情報の取得
コンパイラが使用するライセンス情報は、
-xlicinfo
パラメータを使用して取得します。 たとえば、C コンパイラの場合は次のコマンドを入力します。オペレーティングシステムのアップグレード
オペレーティングシステムをアップグレードする場合は、
/etc/rc2.d/S85lmgrd
ファイルと、/etc/opt/licenses
ディレクトリに収められているファイル全部を保存してください。 システムのアップグレードが完了したら、ファイルを復元します。
lmreread
によるライセンスファイルの再読み込み
lmreread
ユーティリティを起動すると、ライセンスデーモンは新しいベンダーデーモンを起動します。 また、すべての既存デーモンに対して、ライセンスファイルを再度読み込んでライセンス情報の変更内容を取り込むように指示します。 オプションと使用法については、lmreread
のマニュアルページを参照してください。次のような場合には、
lmreread
を使用してライセンスデーモンを再起動することはできません (「ライセンスデーモンの停止と再起動」を参照)。
daemon_options
ファイルを編集した場合- ライセンスサーバーを別のマシンに移動した場合
注 -lmreread
ユーティリティを使用するには、スーパーユーザーになるか、adjust_flexlm_owner
スクリプト (adjust_flexlm_owner
のマニュアルページを参照) で指定したユーザーになります。
lmremove
による、ユーザーのライセンスの削除アプリケーションの異常終了などが原因で、ライセンスがライセンスサーバーに戻らず、確保されたままになることがあります。 このような場合には、
lmremove
ユーティリティを使用して、ユーザーのライセンスを削除します。 詳細については、
lmremove
のマニュアルページを参照してください。
注 -lmremove
ユーティリティを使用するには、スーパーユーザーになるか、adjust_flexlm_owner
スクリプト (adjust_flexlm_owner
のマニュアルページを参照) で指定したユーザーになります。
失われたライセンスの回復
使用していないライセンスが使用中であると報告されることがあります。 このような現象は、アプリケーションがライセンスを確保または解放した後も、しばらくの間、ベンダーデーモンがライセンスを保持しているために起こります (時間は
daemon_options
ファイルのLINGER
オプションで設定)。 また、ライセンスされたソフトウェアの使用中にシステムがダウンした場合も同じ状態になります。 この問題に対処するには、まず、lmstat
コマンドを使用して使用中のライセンスの状態を確認します。 使用中でないのに使用中であると報告された場合は、lmremove
コマンドを使用して、ライセンスを回復します。各コマンドの使用法とオプションについては、それぞれのマニュアルページを参照してください。ライセンスの解放
ライセンスを確保した後にマシンがクラッシュした場合、ライセンスは次のリフレッシュ時間まで数分間ロックされます。 リフレッシュ時間 (時間は
daemon_options
ファイルのLINGER
オプションで設定) が終了してもロックされたままになっている場合は、lmremove
コマンドを使用してライセンスを解放します。 このコマンドの使用法とオプションについては、lmremove
のマニュアルページを参照してください。ファイル名とパス
- ライセンスファイル
/etc/opt/licenses/licenses_combined
- ルーターファイル
install-dir/SUNWspro/license_dir/lic_router
- 基本ライセンスファイル
install-dir/SUNWspro/license_dir/sunpro.lic,
n
ここで、n はライセンス管理ソフトウェアによって割り当てられる文字列 (通常は整数) です。- 現在のサーバー上の全アプリケーションソフトウェアの存在場所情報を収めたファイル
/etc/opt/licenses/sunpro.loc
- ライセンスサーバーでないすべてのアプリケーションサーバー上で実行されるルーターファイルまたは基本ライセンスファイル作成スクリプト
/etc/opt/licenses/LIC_CONFIG_SCRIPT
- ライセンス管理デーモン
/etc/opt/licenses/lmgrd.ste
- ライセンスインストレーションツール
/etc/opt/licenses/lit
(GUI)/etc/opt/licenses/lit_tty
(command-line executable)- ベンダーデーモン
/etc/opt/licenses/sunwlicd
/etc/opt/licenses/suntechddaemon_options
ファイル/etc/opt/licenses/daemon_options
- ライセンス管理ログファイル
/usr/tmp/license_log
- ライセンスインストールのログファイル
/usr/tmp/license_errors
- ライセンスデーモン起動スクリプト
/etc/rc2.d/S85lmgrd
- FLEXlm ライセンス管理ユーティリティ (
lmstat
など)/etc/opt/licenses/ディレクトリ以下
- ライセンス申請書のテンプレート
/cdrom/devpro_v7n1_
platform/License_Request_Form
お問い合わせに必要な情報
Sun WorkShop のライセンスに関してよく尋ねられる質問とその回答 (FAQ) は、次の Web サイトで参照できます (英語のみ)。
http://www.sun.com/workshop/workshopFAQ.html
このマニュアルや FAQ で解決できないライセンス上の問題が発生した場合には、製品のご購入先にお問い合わせください。 その際には、以下の情報をあらかじめご用意ください。
- 問題を再現するための具体的な手順など、問題の状況についての詳細な説明
which
コマンドの出力- 最初の 2 項目で使用したものと同じコンパイラからの
-xlicinfo
スイッチの出力- ご使用の FLEXlm のバージョン番号。この番号は、ルートとしてログインし、次のコマンドを実行すれば確認できます。
- #
cd /etc/opt/licenses
- #
./lmver lmgrd.ste
- #
./lmver sunwlicd
(WorkShop 5.0 または 6 の場合)
- #
./lmver suntechd
(WorkShop 4.2 またはそれ以前のバージョンの場合)
- 次のコマンドを実行したときに作成されたファイル
/usr/tmp/license_log
のコピー
- ルートとしてログインします。
lmdown
コマンドを使用してライセンス管理ソフトウェアを終了させます。/etc/opt/licenses/daemon_options
ファイルでライセンス記録機能をオンにし、コメント文字 # を使用して次の 3 行をコメント行に変更します。- ライセンスデーモンを再起動します。
- 該当エラーが発生する手順を繰り返します。 ログファイル
/usr/tmp/license_log
にエラーが記録されます。licenses_combined
ファイルのコピー- ライセンスサーバーのデーモンオプションファイル
/etc/opt/licenses/daemon_options
のコピー- ルーターファイル install-dir
/SUNWspro/license_dir/lic_router
のコピー- WorkShop 5.0 またはそれ以前の基本ライセンスファイルのコピー (install-dir
/SUNWsprol/license_dir/sunpro.lic
,n)- ライセンスサーバーの
lmstat
ユーティリティからの出力- 使用マシン、ライセンスサーバー、製品サーバーのオペレーティングシステムのバージョン
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